希菜の恋
希菜の恋 9
希菜は悠基と一緒に帰っていた。
「………あのさ」
希菜が悠基にかけ、綾から聞いたことを全部話した。
「………そっか、知ってしまったんだ」
悠基はしばらく沈黙していた。
「思ったんだけどさ、なんで内緒にしなかったの?言う必要なかったと思うけど」
「……内緒はダメでしょう?何にもない顔をするのは嫌なの…機嫌を悪くしたらごめんなさい」
悠基は笑い始めて、希菜を優しく抱きしめた。
「これこそ、俺が好きだった希菜だよ」
希菜が好きになったのは、希菜の優しさ、はっきり言っている所だと思うんだよな、俺は。
「ちょっと離し…///」
照れている希菜も可愛いー♪
希菜は諦めたように、悠基に好き放題された。
んむぅ…
希菜はまだ諦めず離そうとした。
「やっぱ無理だよ〜男の腕にはかなわないよ」
「ふっふっ!男ですから」
また希菜と悠基の仲は元に戻った。
翌日…綾が辞任することになった。
生徒たちはお別れ会をしようと思ったが、綾は「寂しくなるから」と断った。
綾が学校を去ろうとすると、2人の声が聞こえた。
「待ってくださいっ」
「ちょっと待てよ」
綾は2人の声を無視したようにそのまま去った。
2人は諦めず、綾の所に行った。
その2人は希菜と悠基だった。
「結婚おめでとうございます!」
豪華な花を綾に渡した。
「遅いすぎなんだけどな」
「悠基…希菜さん…」
「また来てくださいねっ!」
「おい、出てもいいぞ」
悠基が話しかけると、教室の窓を開け、たくさんの人がいた。
綾の担任だったクラスの人だった。
全員で
「結婚おめでとうございます!!」
と綾を祝った。
綾は泣きそうになった。
今までこんなに祝ってくれることは1回もなかったからだ。
どんなに嬉しかったのか…
「ありがとう」
本当に嬉しかった。
「赤ちゃんが産まれたら教えてくださいね!」
「ええ、もちろん言うわ…」
みんなの分にも…私のためにも、夫を愛すると決心した。
少しだけ話をし、綾は去った……
みんなは綾が去るまでずっと見送った。
2人が教室に戻ると、教室は元気じゃなく、とても静かだった。
「やっぱり寂しいね」
「あぁ〜つまらないな」
その時、希菜はそう話しかけた。
「いつかは会えるかもしれないじゃん!どんなに離れても、同じ地球なんだし、行こうと思ったら行けるじゃん」
みんなは確かにそうだねとうなずいた。
教室はまた元気を取り戻していた。
「やっぱり希菜はすごいな」
悠基は希菜をほめていた。
「……希菜か。俺の好みだな。悠基より俺を選ばさせるよ」
男はニヤニヤと笑っていて希菜をずっと見つめていた。
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