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希菜の恋
希菜の恋 8


「ねぇ、悠基」

綾は悠基にかけた。

「もしも私が他の人と結婚しちゃったらどうする?」

「………結婚すんの?」

「…………」

「すんの!?」

悠基は信じれない顔をして綾の腕を強く握った。

「……そうよ」

「……おめでとう…」


悠基は悲しい顔でそらした。

「…でも悠基のことは好き」

綾は悠基を抱きしめた。
悠基は我慢出来ず、綾の手をとった。

「嘘だろ?俺がこんなに好きになっても結局2番目に好きな奴になってしまうんだよ」

「………そうね。今日でふざけた恋を終わらしましょう」

綾は悠基のほっぺにキスして去った。
悠基はずっと綾の後ろ姿を見ていた。


翌日、綾は結婚式を上げ、クラスの人に報告していた。
また悠基がいなくなった。
まだ屋上にいて、空を見上げていた。

「嘘がないような青空だねぇ」


今までは何だったんだろうか。
綾に恋してどうなる?
結局裏切られたもんな。
やっぱり女は嫌いだぜー…

悲しみを抑えているような顔だった。


綾は先生をやめることになり、悠基に会わないまま消えていた。

今、偶然、悠基に会った訳だ。



「…そうなんですか」

「うん…でもあなたみたいな彼女がいて良かったわ」

「あなたこそ幸せですか?」

「うん、幸せよ?」


「……お邪魔致しました」

希菜がドアを開けて出そうとすると、綾は何か言っていた。

「悠基はあなたを本当に愛しているから」

「………そうですか」



希菜が玄関を出ると、悠基が待っていた。

「一緒に帰ろ」

「うんっ」

悠基と一緒に帰った。
悠基と希菜の姿をずっと見た綾がいた。

「……幸せになるのよー…」


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