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希菜の恋
希菜の恋 5

「お兄ちゃん…なんでよ、お兄ちゃんは私の婚約者でしょ」

「婚約者…?いつ言ったんだ。小さい頃は忘れたからな」

「えっ…なんでよ!私はずっと信じていたんだよ!なのに…お前なんか」

希菜を睨んでいた。


「私…?いや…悠基は友達…」

「彼女だろ」

悠基は勝手に話を進んだ。


「じゃテストやろうか」

「テスト?」

「テストに勝った人は俺の彼女にする」

「いや友達でしょ。彼女は無理…」


悠基はこっそり希菜の手をつないだ。

「頼む…テストが終わったら話がある」


悠基は向こうに行った。

「………っ」

急に真っ赤になった。


「……」

悠乃は真っ赤になった希菜をずっと見つめている。

「絶対勝つんだから」


悠基がやって来て、

「テストは簡単だ。ただあの旗を取って俺の所に来ればいい」

あの旗がある所は近いと思われる所。

「簡単じゃん…」

「……罠があるかも…」

希菜の声に悠基はニャッと笑った。

「始め!」

悠乃は真っすぐ走った。希菜は遠回りしていた。
すると悠乃の悲鳴声が聞こえた。

「悠乃さん!」

希菜は悠乃を探すと、悠乃は深い落とし穴に落ちていた。自分で脱出するのは難しい。

「助けますからね!」

木のつるを取り、落とし穴に投げた。悠乃はつるで登り、脱出出来た。

「なんで助けたの?」

悠乃の一言に希菜は

「友達だから」


希菜の言葉は悠乃の心を刺した。

「友達……」

「さあ行きましょう」

希菜は悠乃に手を出した。
悠乃は手を伸ばし、希菜の手に触った。

手をつないで旗の所に行った。

「悠乃さん、どうぞ」

「…希菜さん、取って」

「いいえ…悠乃さんは誰でも悠基が好きんでしょう?私は友達でいいんです」


悠乃は希菜を悠基の彼女にしてもいいと思った。

「そう…だったら私はリタイアする」

「お兄ちゃん!!リタイアするよ!」


悠乃はささっと消えて行った。

「悠乃さん…!?」

希菜は悠乃の後をついて行こうとするが、悠乃はもう消えてしまったため、諦めた。


翌日…
最近、悠乃が見かけない。

げた箱を開けると一つの手紙があった。
悠乃からだ。
希菜は急いで手紙を開け、見た。


『希菜さんへ
おはようございます。悠基の妹、悠乃です。

この前は誠に申し訳ありませんでした。
幼い頃、遊びで悠基と結婚約束をしました。私は今まで本当の約束だと思っていました。
なので彼女が出来たという噂が出た時、恨んで、彼女に悪い事をしてしまいました。ファンクラブみたいに悠基に女が集まらないよう、悪い事を沢山しました。

でも私は気がついたのです。やった事は私情であることを……
昨日、お兄様から謝れたのです。
「ふざけて約束してごめん」
と……。もう終わりたいと思います。

私は希菜さんこそ、悠基の彼女に合うと思うんです。
これからもお兄様をよろしくお願い致します』


と書いてあった。

「いやいや…!」

真っ赤になった。


「どうしたー?」

ニョコッと悠基がやってきた。希菜はすぐに手紙を隠した。

「ううん…何にもないよ」

「そう?一緒に教室に向かおうぜ」


悠基と悠乃は教室に向かうと、悠基の友達から

「ヒューヒュー!カップル〜」

その言葉に希菜は反応した。
悠基の言葉を思い出した。

『頼む…テストが終わったら話がある』


今は何にも言わない。
昼休みになると、希菜は悠基に聞いてみた。


「この前…話があると言ったよね…話ってなに……?」

「あっ…」

悠基の顔を見るとすっかり忘れていたみたいだ。

「あれね…」
「えーっと……」

悠基は何とかごまかした。


「悠基!はっきり言って!」

「……希菜…ちょっと来い」


悠基は希菜をあまり人が通らない中庭に連れ出した。

「………希菜」

「うん」

「希菜…好きだよ」


突然の言葉に希菜は驚いた。

「……えっ…」

「………」

悠基は真っ赤になった。


「断ります…」

希菜は悠基の告白を断った。

「私は奇跡の子なのに……」


悠基はバサッと希菜を抱いた。

「奇跡の子だから好きじゃない…希菜本人が好きなんだ」

悠基の言葉がとても嬉しかった。今まで言われていなかったからー…

「……ありがとう」

抱きしめている中に悠基の体温が感じる。
とても優しい体温だった。
こんな私を好きになってくれて…本当にありがとう……


「……いいよ」

「えっ?」

「悠基の彼女になってもいい…」

希菜は小涙を流した。


「なんで泣くんだよ?」

「嬉しくって…」

「俺も嬉しいぜ」

「なぁキスしてもいい?」

「うん…」


ゆっくり悠基の唇が希菜の唇に触れる。


「……これからよろしくな」

「よろしく……っ」



奇跡の希菜は彼氏が出来た。
…希菜がとても驚く出来事が待っているのだった……




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あきゅろす。
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