希菜の恋
希菜の恋 4
「希菜……」
悠乃は希菜の写真を見ていた。
希菜と悠基の2ショットの写真を見た時の悠乃は鬼のように怖かった。
悠乃の部下みたいな人も怖がっている。
「許せない…!!」
希菜の写真の顔をハサミで刺した。
「悠基…あの女、復活するらしい」
「……はぁ…またかよ」
友達と悠基の話を聞いた希菜は気になった。
「悠基…あの女って?」
「あっ…何でもねぇ…」
「そうだ、あの映画は見た?」
「見たよ!良かったよね」
悠基は話をそらして話していた。
……やっぱり気になった。あの女は誰なの…?
「悠基」
悠基を呼んだ声だけで気味悪い雰囲気になった。
「悠基…なんで?」
「だからさ…お前は彼女じゃないって」
「いいえっ彼女よ!」
「はぁ…」
悠基がため息を吐いていた。
「あの……どなた様…?」
「……私?悠乃。悠基の彼女よ」
悠乃は悠基の腕に胸をムニムニッと揺らしていた。
「気持ち悪い!」
「やだよぉー彼女だもぉん」
希菜は悠乃と悠基の話を聞いているとなんかムカムカとする。ヤキモチしている。
これ以上に見たくなかった。
「トイレに行くね」
希菜はすぐに教室を出た。
「…ふっ…ささっと消えてありがと」
小声で言った。
「お前なぁ…」
「なぁに?」
「マジでウザい」
悠基も教室を出た。
「……ウザい…ウザいのは希菜よ!」
希菜はまだトイレにいた。
「何してんの…私は奇跡の希菜よ…」
ため息を吐いた時、悠基の声が聞こえた。
「希菜?そこにいるんだろ?」
悠基の声に希菜は驚き、何も声を上げなかった。
「希菜…あの女は何にも思っていないから。ただ………」
続きの声があまり聞こえなかった。
「まぁ…出てこいよ。俺は男子だからさ〜」
希菜は少しドアを開けた。
「……私、何にも気にしていないから」
また閉めようとすると、悠基は止めた。
「なんで逃げるの?」
「だって……奇跡の希菜だもの…」
「はぁ…?」
悠基は意味分からない顔をしていた。
「何にも思ってないっ!恋愛は園外よ!」
希菜は強くドアを閉めた。
「あいたっ!」
手は真っ赤になり、少し腫れた。
「あっ!ごめんなさい!!」
希菜はすぐにドアを開けて、悠基の手の様子を見ると、突然抱かされた。
希菜はもう心臓が壊れそうになった。
「離し……っ」
悠基は何にも言わないまま、希菜をずっと抱いた。
「……………悠基」
「なんだよ」
「離して…手当てをしたい…」
「いらない」
時間が過ぎると、悠基の友達が来た。
「悠基?何してんの」
「抱いているんだよ」
「助けてください」
「やだね。熱いねぇ」
友達は行ってしまった。
「あーっ…」
希菜がどきようとすると、また悠基が希菜を抱きしめる。
それを繰り返している。
もう何時を過ぎたのか…良く分からない。しかも、トイレの前……。
ついにあの女にも来た。
「希菜…!悠基と離れてよ!」
「…悠乃。お前は彼女じゃない。彼女はこの人だ」
「えっ、私…!?」
「………っ女狐め!平気に取りやがって!」
悠乃は鉄の棒を取り、希菜に殴ろうとした。
「死ね!!」
悠基が鉄の棒を受け止めた。
悠乃が強く叩いたため、悠基の手から血が出てきた。
「悠基…!!」
希菜が急いで血を止めていた。
「あっ…あぁ………」
「やめろ…そこまでする人になったのか、お前……」
「だって……お兄ちゃん…」
お兄ちゃん!?
希菜は悠乃の言葉にびっくりした。
悠乃と悠基は兄妹だった!?
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