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希菜の恋
希菜の恋 10

今、朝だ。
太陽がまぶしい。
青空。
今日はなんかよいことがあるんだろうか。

希菜はウキウキしながら学校に向かった。
学校に着くと、校門に誰がいた。
悠基と同じぐらいのちょっと高めの男がいた。

「あっ希菜さん?」

「えっ…はい、そうですけど」

戸惑いながら答えると、男は笑顔で返した。

「僕の名前は悠人です。」

「悠人さん…私になんかご用が?」

「………ちょっと部活の件で。ぜひ入ってくればなと思いまして」

「部活?何の部活なんですか?」

「剣道部です」


悠人は剣道の紹介紙、入部書を希菜に渡し、ささっと去った。

「悠人さん!」

希菜が一生懸命呼んでも、悠人は一回も振ってくれなかった。


ブツブツと言いながら、紹介紙を見ると、激弱部だった。
県大会に出るとき予選大会があるが、いつもビリ。
今年で廃部するらしい。
だから希菜に入部させ、廃部を取り消しにしたいらしい。

まあ私は剣道をやったことがあるし…

とにかく、入部のことはしばらく忘れることにした。
いつも通り、悠基と話をすると、なんか向こうが騒がしい。

「ちょっと見てくるね」

希菜が向こうに行くと、悠人がいた。

「悠人さん!?」

「あっ希菜さん」

悠人は囲まれた女子をどけ、希菜の所に行った。


「何の用だ」

希菜を抱きしめ、悠人に聞くと、急に悠人は土手座をした。

「お願いします!希菜さんが入ってもらいたいんです。弱くても、みんなは剣道が好きなんです」

「……ちょっと考えさせて」

悠人は分かりましたと去った。


「希菜、どういうことだ?」

悠基が少し機嫌が悪くしながら、希菜に聞いた。
希菜は何にも言わずに紹介紙を渡した。
悠基が読み終わると、

「ふーん。廃部に。で、入んの?」

「迷っている」




放課後。
部活の人はすばやく準備をしていた。
希菜は剣道の様子を見るために、体育館に行くと、剣道の様子はなかった。
部活の人に聞くと、外でやっているらしい。

探してみると、剣道の様子があった。

「希菜さん!?入る気になったんですか?」

「ううん…ちょっと見るだけ」

悠人は残念な顔をして練習を続けていた。

「ねぇ。何で体育館を使わないの?」

「ああ…私たちは弱いから。使わせてもらえないんです」

「…そう。あっ監督は?」

「いません、顧問はいますが」

いないことがびっくりした。


希菜はもう迷わず、監督になると発言した。

「監督になるわ」

意外なことになり、悠人はパニックになっていた。

「しかし…許可が必要…」

「大丈夫よ、絶対監督になる」


希菜はこう言い、職員室に向かった。


悠人は髪をぐちゃぐちゃかきむしった。

「あははは…意外なことになったな。まさか監督になるなんて」





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