希菜の恋
希菜の恋
……あなたは……
…奇蹟の子…
小さい頃、母に良く聞かされた。
まだ私が小さかったから、意味分からなかった。
でも…今少しずつ分かってきた。
現在、私は15歳。希菜(きな)と言う。普通は受験生。でも私は違う。『奇蹟の子』と周りは呼ばれている。
なぜなら…小学生で難大学に入ったんだから。
日本は足りなく、ついにアメリカの大学に。
私は普通の女の子ではない。特別な奇蹟の女の子なのだ。
私は普通の子を見て、普通の子になりたかったと数え切れないぐらい思ったことが。普通の子が羨ましかった事も。
それに、私は恋したことがない。恋したことは勉強だけ。
でもこんな私がある人を……。
私だって普通の子よー…!
「キイ、コノモンダイヲトイテミヨ」
「2√3 」
「スバラシイ」
みんなは私を拍手してくれた。
「Thank you」
私の周りはもちろん若者。時々
「バカじゃないの」
悪口など聞こえる。そんな悪口は自分が頭悪いから言ういい訳だ。私はどうでもいい。
ただ…「普通の子」になりたい。
大学だって親に無理やり入らせた。私は親にとって「自慢の子」に過ぎない。愛情なんて一度もしてくれなかった。
こんな苦しい人生を歩むのか。私は。絶対嫌だ!
私は大学をやめ、普通の学校に。
当然、親に反対された。
私が親に説明しても意味がないので家出した。
現在の自宅はアメリカにあるが、日本がいいので日本にある別荘に行った。
飛行機で日本に着いた。変装してある。日本も私を良く知っている。簡単に言えば、有名人だ。
タクシーを呼び、日本の別荘に向かった。
別荘のカギを取り出し、ドアを開けた。
「ばあや、ばあや!」
「まさかこの声は……」
「お嬢様!」
ばあやは私の頬を触り、懐かしい顔をして泣きそうになっていた。
「お久しぶり。ここから学校に通うわ」
「奥様は…?主人様は…」
「……家出したのよ。連絡しないで」
「しかしながら、私は連絡致します」
電話を取ろうとすると、希菜が止めた。
「お願い。ばあやなら私の心が分かるんでしょう?」
ばあやの手を握りしめてばあやを見つめていた。
「お嬢様……入学はどういたしますか」
「一発OKにしてくれたわ」
「そうですか…明日から?」
「そうね、準備して頂ける?」
「はい」
「じゃ部屋に戻るわ。夕食出来たら呼んでね」
「承知致しました」
希菜は2階に行き、部屋に入った。
「はぁ…」
ため息を吐いた。
ここは親もないし…気楽に生活出来る……。
いつの間にか寝ていた。
「希菜…好きだよ」
顔はあまり見えないが…背が高い男の子がいた。
私が好き……?
私が………
「はっ…!」
突然起き出した。
「お嬢様…夕食の準備が終わりました」
「ばあや……」
「はい、何でしょう」
「……ううん、何でも…」
静かに階段を下りた。
あの夢はいったい何だったの…?
夕食を食べながら、考えていた。
「……お嬢様、食べる時は何にも考えていないで下さいませ。おいしく召し上げて下さいませ」
「あっ…ばあや。そうね、料理長に悪いもんね」
希菜はおいしく召し上げるように食べていた。
食べ終わると
「ご馳走様〜ばあや、準備お願いね」
「はい。お嬢様、風呂は沸いていますので……」
「分かったわ。自分で入るわ」
希菜は風呂に向かい、タオルを巻き、入ろうとすると、またあの夢…。
「…い」
「お前なんか大嫌い!」
「親友だと思ったのに…!」
首を絞められそうになり、大きな悲鳴を上げた。
ばあやにも気が付き、
「お嬢様…!大丈夫ですか?」
「あっ…」
夢はまた消えた。
「ひっ…」
「どうしたの…」
「あっ…お嬢様の首が…絞められたあとが…」
「!!」
夢が現実になった……!?
希菜は驚くしかいられなかった。
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