地獄の裁判
地獄の裁判 B
「……嘘に決まっている」
「…信じないんですね。未来どうなっても知りませんよ」
カオンは何にも言わないで廊下を歩いた。
サタナはふんと部屋に戻ろうとすると、カオンが呟いたのが聞こえた。
『あなただけ言いますよ。
ここの未来は操れたエンジェが破壊する。ここを守るのはあなたしか出来ないー…』
「うるさいわね!!」
サタナはエンジェの悪口が許さなく、カオンの顔をぶった。
「はぁはぁ…」
「……なぜあなたは未来よりエンジェが大事なんですか?」
「友達だからよ!人々より…!」
「人々より?何ですか?人々よりエンジェ?
では、たった一人エンジェと100人以上の人々、どっちが大事なんですか?」
サタナは部下のカオンっていうのに、カオンが怖かった。カオンの目が……。
「どっちを選びますか?あなたが一歩間違えますと世界は変わるんですよ」
……試練?これは試練なのー…?
私だったら…!
「私は!両方やる!」
「…無理に決まっていますよ」
「両方も助ける!両方も助ける方法はあるはずよっ!」
「……欲張りですね」
カオンはククッと笑っていた。
カオンの笑顔を見るなんて初めてだった。
「あっ…笑っているじゃん」
「!」
すぐにカオンの笑顔はなくなった。
「…では、自分で調べて下さい。私は何にも出来ません」
カオンは沈黙していた。
私は友達なんかいらない。
カオンの小さい頃ー…
「あなたが好きな人と…両想い。告白しても大丈夫!」
小さい頃から人の未来が見えた。人を助けたくて、占いを始めた。あっという間に人気だった。
でも…
「…!?事故…?」
頭に、人が車に引かれている。その人は……
「そんな!友達の…!」
私はその友達に注意を言った。
「今日事故に合う!○×の所には行かないで!」
「はぁ…?大丈夫だって!用事あるもん」
そんなー…!
「だったら私も行ってもいいんでしょ?」
「いいけど」
私が守ってあげる!
そう思って……放課後、2人は○×の所に行った。
あっ、ここね!
「この所は気をつけて!」
「はいはいー」
その友達は先に行った…!
「あーっ!」
カオンはしゃがみこんだ。
「……何してんの?」
その友達はいた。
あれ…?見間違いだったかな…?
まあいいかと思い、歩くと突然車が来た。
「あぶない!!」
友達は私を押した。
「!」
………友達は倒れていた。血が流れているー…
そんな…私が行かなければ…!私のせい!
謝りと悲しみの涙を流した。
カオンが葬式に行くと、友達の母が私の所に来て… 突然私の頬をぶたれた。
「あなたのせいよっ!あなたが死なれば私の子は…!」
「やめなさい。あなたらしくないよ。失礼だろう」
「でもー…!!」
母は涙を流していた。父は
「カオンっていうよね?カオンさん、私の子がせっかくカオンさんを守ったんだから、悔やみがない人生を送って欲しいな…」
……はいー…
でも私が友達を殺したのは真実…。その日からはみんなの目が冷たかった。
『友達を殺したってー…』
やっぱり友達を作らなければ良かった。
その日から友達を作らないと誓った。友達が出来てしまうと余計な予言を言ってしまうからー…。
でもカオンの心の奥は友達が欲しかった。能力を憎んでいた。
「…サタナ…。私は何にも出来ません……」
目を潤んでいながらサタナを見ていた。
サタナは両方を助ける方法を調べる中だった。
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