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夜の銃弾
夜の銃弾 E
角が綾の顔にブスブスと突き刺さる。綾は血まみれになる。そして死ぬ。

綾はこう想像していた。
が、綾が想像していたのと違った現実になった。

リョッカが綾の顔に張り付いたまましっぽにある角の塊から2本でかいしっぽを放った。

放った先は ジョンだった。

「ぎゃああああ!腹にー腹にー刺さった!」

リョッカが綾の顔から離れてジョンのところに行く。
ジョンが床に仰向けになる。震える手を伸ばし、創造者に助けを求める。

「創造者さま・・・!助けてください!助けてください!」

レイがさっき向けた銃をもう一度リョッカに向けた。そして撃った。リョッカは木っ端みじんに砕け散った。リョッカの青白い血がそこら中に飛び散っている。

「ジョン。お前はよくやった。が、任務はレイと綾を連れてくること。任務が終わったら、お前の用はない。つまり、要らないんだ。」

創造者がそう言うと足でジョンの腹に刺さった角をもっと深く刺さるように踏んだ。

ジョンのまわりにはジョンの血でぬれていた。



そしてジョンは動かなくなった。

綾は何も言えなかった。ただ、がくがくと震えているだけ。


ゆっくりと創造者が綾のところに顔を向ける。

「誰も俺の名前を呼んでくれない・・・。だれもかしこも創造者さま創造者さまって言う・・・。綾、お前もか・・・?」

「・・・!名前は何なの?」

「名前すらも忘れてしまったよ。綾、助けてくれ」

「分かっ・・・!」

レイが綾の口を塞ぎ赤い缶を開けた。煙がそこら中に広がる。消える前に創造者を一目みると、寂しい表情で綾を見ていた。


戻った綾はすぐにレイに、殴りかかった。

「何で・・・?もう少しで創造者の心に触れられたのに!「B」だったら創造者を止めてみなさいよ!止めるには心に触れるしかないわ。」

「綾・・・。すまない!しかし、もしかしたら、情を誘って相手が同情して近付いてきたのを・・・殺す手もあるだろ?特にブレッドはそうだった。オレの父を殺した手はそういう手だった。」

ブレッドがレイの父を殺した手は卑怯な手・・・。
苦い顔をして、レイに話しかける
「ごめん・・・。でも、あの顔はホントだった。一年後に私は女王になるんでしょう?その時に創造者は来るよ。必ず助けるからね。」

砂漠の向こうに朝日が昇る。綺麗。


でも、これから綾を待ち受ける日々は泥のように地獄の日々だろう・・・。



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