夜の銃弾
夜の銃弾 C
ここは2008年12月23日、東京、赤坂午後11時37分。
道路の真ん中に綾とレイが現れる。回りには人がいるけど私の事なんか気にしてない。
「レイ、さっきの小太りじいさんを見てなんで怯えていたの?てゆうかNo.4って?お父さんって?」
「質問攻めかよ。No.4はオレの親父のコードネーム。小太りじいさんは失礼だな(笑)創造者に最も近い人物だな。そして一番危険なのが創造者だとすると、二番目が小太りじいさんだな(笑)あ、小太りじいさんじゃなくて、オレ達は「ブレッド」つまり「B」と呼んでる。」
「B?ブレッドて弾?レイのお父さんもレイと同じ仕事をしていたんだ。レイはお父さんの後を継いでいたの?」
「そうだ。Bは親父のボスだった、親父は2000年に殺された。あいつにな。Bに」
綾は心底驚いた。レイの過去を知ることが出来た。あの小太りじいさんは創造者に一番近いということも知ることが出来た。
「ねえ・・・これからどうするの?ジョンのところにいこ?」
「仕方ないな。あのおんぼろビルに入れ。入ったらこう言うんだ「ブレッドのバカやろー」てな。それで名前は?と聞かれる。レイのしもべと言え。入れてくれるはずだから安心しろ。」
綾はレイの言う通りにして、おんぼろビルに入って「ブレッドのバカやろー」と言った。すると重々しい鋼鉄のドアが開いた。だが、開いた後にあったのはまた鋼鉄のドアがあった。そこからスピーカーで名前を聞かれた。もちろんレイのしもべと言っておいた。
「入ってもいいが、レイを先に入らせる。いいな?」
「ええ。レイ来て。」
レイはスッと鋼鉄のドアの中に入った。綾もそれに続いてはいる。むわ〜んと汗臭い匂いがした。レイも臭いのだろう、鼻をしきりにつまんでいた。
「ごめんね綾ちゃん。汗臭くて。僕はマサ。あっ、本名で木村真己でして28歳です」
「あぁ綾と言います。」
ガッシャーン!
隣の部屋から何かが割れる音がした。皆駆けつけてそこで見たものは・・・死体だった。無数の針が顔中に突き刺さり心臓があるところには大きなナイフがグサリと突き刺さっていた。
部屋には荒らされたあとがあった。
「あ、リカルドじゃないか?!スパイの仕事で創造者のとこに・・・。」
マサが言った。レイが、
「創造者?だったらなぜここにいるんだ?なんか悪い予感がするので帰る。綾もこい!急げ!」
「何急いでんの?ここは安全でしょ。」
「オレの言うこと聞けよ!」
レイの形相にびっくりして結局何も言えずにアジトを出た。
「レイ!何で!?」
「創造者のスパイに行ったと言ってたよな?創造者のしもべを辞める道は・・・死だ。
あのリカルドというやつは多分創造者に殺された。ほれ、考えられる事は?」
「あ・・・!アジトを突き止めるため?創造者が今アジトにいるの?」
「正解。今創造者に会いたくないんで、急ぐぞ。」
「マサが危ない。助けにいくっ!」
綾がアジトに向かって走り始めたとたんアジトがぶっ飛んだ。綾は呆然した。
「ほらな。行くぞ!」
「うん・・・。あ、待って!そこに誰かいる!生き残りだわ!」
アジトの近くにいたのはマサだった。
「ごめんね綾ちゃん。気づかなくて。リカルドの死体が突然爆発して創造者が現れたんだ。そしてまた大爆発・・・。ケガなかったかい?」
マサは全身に大火傷を負っていた。それなのにまだ私の心配をしてくれている。
「ううっ。私は平気よ。マサも頑張れ。生き残るから。」
「いや、多分オレは死ぬよ。ありがとう。絶対に女王になってオレの恨みをはらしてくれ・・・。あの世で会おうね・・・」
マサは綾の腕の中で息絶えた。綾は自分の力の無さを呪った。絶対に女王になるとこの日誓った。
「うぉ―ー!レイ!特訓よ!」
「女王が本気になったか。フッ・・・」
綾の手をレイが握り北へと進んでいくのを創造者は見逃さなかった。
「レイが人間を信じた・・・。」
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