夜の銃弾 夜の銃弾 A リビングのドアの中にいたのはまぎれもなく魔物だった。格のたかい魔物と見える。 レイと同じように黒いコートを着てるし、頭は・・・丸坊主で耳があるところには黒い穴。肩に二匹の魔物が乗っかっている。 「へぇ。お前が女王なのか。そう見えん。お前の体の定めは・・・見える見える。フッ・・・。10年後はどうなるかな?」 「え?女王って何?体の定め?!知らない!この変態やろう!」 綾は魔物に殴りかかった。すると、レイが綾をがっしりと抱き耳元でささやいた。 「あいつは魔物の創造者だ。関わるとろくなことがない。行くぞ。」 「創造者・・・?元は人だったの?!それに行くってどこに?!」 レイはだんまりとして、綾を抱いたまま壁に激突した。綾は死ぬと思った。が、違うところに出た。 どうやら、アメリカのニューヨークらしい。 「レイ!ここはニューヨークなの?私の学校生活はどうなるの?友達は?」 綾は泣き出した。レイはその様子を綾が泣き止むまで見ていた。 やっと綾が泣き止むと、レイは重い口を開いた。 「すまない。確かにお前の人生を壊したのはオレだ。だが、お前は女王だ。オレの仕事は女王を探して、見つけたら護衛&教育をすることだ。お前が女王なのは体の定めで決まってるんだ。仕方ない。」 「そ・・・そんな。私が女王・・・?体の定め?待って・・・体の定めって何?」 「体の定めが見える人がいる。まあ、その人の人生、運命みたいのが見えるんだ。オレは見える。お前の定めは女王になることだ。」 「運命・・・。私は10年後にどうなるの?さっき創造者が言ってたよ。」 「それは言えない。すまない。言っても世界が壊れるわけじゃないが、あんまり言うとその人の人生がわかってしまうだろ?そういう人生はつまらない。だからオレは言わない主義なんだ。」 「そうか・・・。分かった。私は運命を受け入れる。」 受け入れると綾が言ったら道からもぞもぞと影が出た。 「ありがたい。」 「えっ・・・?何者?」 レイが大笑いしてる。影の正体は何なの?! 「綾、心配しなくていい。そいつはオレの仲間だ。情報交換の時間だ。 すまない、待たせたなジョン。」 影がむくむくと大きくなって人の形になっていく。ブロンドの外国人。目が大きくてなかなかのイケメンだ。 「初めてだね。綾。カワイイ」 「は、はい初めましてジョン。」 「おい!ジョン!情報交換はどうなる?!タイムボーイなんとかは20分しかないからな。早くしろ。」 「はいはい。今は西暦2008年12月23日です。レイは?」 「西暦1999年12月23日。九年ぶっとんだ。」 綾はビックリ仰天した。九年も時間を超えて?!ありえない。 「レイってバカじゃない?あ、これは夢なんだ(笑)」 バシッ! 「い・・・痛い。」 レイが綾を平手打ちした。 [*前へ][次へ#] [戻る] |