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私が愛した復讐の相手(ヒト)
05 こんなことでは屈しないわ
私はこんなことでは屈しない。あの男を殺すためならあんなヤツに抱かれてもそれを糧にしてみせるから。


すみれはギュッと唇を噛みながら駿介に肩を抱かれ、歩いていた。これから、駿介の家に連れていかれるのだろう。逃げたくても歩くのも支えられてないと無理だった。
「すみれ。逃げようなんて考えるなよ??逃げようとしたら寝る暇もないほど相手してやるから。」
駿介はにやりと笑い、車の中へ入った。

すみれはひたすら逃げることを考えていた。駿介には寝た振りでごまかしていた。この男のものになるわけにはいかない。同窓会でもう一度会うはめになるけどそれはある目的のためだから。身体が表現悪いけどネチョネチョしている感じ。気持ち悪い。すみれは心の中で溜息をついたがそれは表に出すことはしなかった。
「トイレ行きたい。」
すみれはふと言った。駿介は起きていることには驚いたようだけど、さすがにこの車にトイレはついていない。駿介は逃げる気がないか見ようとしたらすみれは不敵に笑った。
「歩くのも支えてもらわないといけない私が逃げられると思う??」
それにはさすがに駿介も思ったから、女子トイレの入口付近で待ってることにした。

すみれはバッグの中にあるギャルの服に着替えて、厚化粧をささっとしてキンパツの桂をかぶった。
まわりから見れば怖いギャルにしか見えない。すみれはバッグさえも変えて、トイレから出た。かかった時間1分だった。
駿介がこっちをちらっと見たがまたすぐケータイに目を伏せていた。すみれは悟られないようにエレベーターに乗り、タクシーを止めて帰った。そのとき、生きた心地がしなかった。

駿介は歯をギリギリさせていた。すみれにまんまと逃げられた。すみれらしき女は見てないけど絶対に逃げられた。駿介はすみれがどこにいるかとかどこの大学だとかを知らない。調べてもその資料はウィルスのせいで見れなかった。
「水川 すみれについて調べられたか??」
家に帰るとすぐそばにいた秘書に聞く。秘書は困惑気味の顔で駿介を見た。
「社長代理。それが、彼女の情報がウィルスにより見れないのです。」
こうなるとすみれ自身がウィルスを作ったとしか思えない。彼女にそんな技術があったのか。それでも、この身体によみがえった熱はその熱をさらに求める。彼女がいないと仕事すらままならないかもしれないな、と駿介は思いながら自分の部屋に戻った。すみれのことを詳しくもっとほかの方法で調べるようにということを忘れずに。

すみれはマンションに戻るとさっそくシャワーを浴びた。だけど、首にもキスマークだらけ。これでは大学にもいけない。
「私は大丈夫。すべて糧にしてみせるわ。」
すみれは自分の身体を抱きしめた。



この身体は彼女の熱を求めるのだから

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