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私が愛した復讐の相手(ヒト)
02 悪夢でしかないのだから。
「逃げて。」
なんでそんなこと言うの??一緒に逃げようよ。あんな人たちのところなんていっちゃだめだよ。ねぇ。どうして??どうしてそんなふうに笑うの??
一緒に逃げないと殺されちゃうよ!!

すみれはベッドから飛び起きた。まだ、悪夢にうなされる。心がまだあの時のままなのだから。
「私、どんなことでも糧にしてみせるから…。」
頬を伝う涙を無視しながら洗面所へ向かった。

すみれ17歳の頃…

「水川。」
同じクラスの森 駿介がすみれを呼んだ。委員会の後だからいろんな人が帰り始めている。
「なに??」
いつも口を利かないのにこの日だけは相手から言ってくるなんて思ってもなくて驚いた顔をしていただろう。駿介はかなりモテて、いわゆるギャル男さんです。すみれはギャルっていうわけじゃないからギャル男さんとはあまり口をきかない。きくとギャルさんたちも怖いしね↓
「委員会のことで先生が呼んでこいって。」
駿介がこんなこと頼まれるわけないってこのとき気が付いていればあんなこと起きなかったのに。私は気がつかずあわてて駿介の顔を見上げた。
「うそ!?どこに来いって??」
すみれは結構身長が低いから見上げる。それがどんなにかわいいことかを本人は知らずに。
「保健室の隣の部屋。」
駿介は親切に指をさすとひらひら手を振ってどこかへ行ってしまった。すみれはありがとって言ったあと、急いでそこへ向かった。駿介の顔には深い笑みがあったことを知らずに。

「先生!!遅くなりました。」
保健室の隣の部屋に行って急いでドアを開いたけどそこには先生はいなかった。
『水川。少し待ってて。』
そう先生の走り書きだけが机の上にあったからそこで待ってることにした。
1時間くらいそうしてるとドアが開けられて急いでそっちを見るとそこには駿介が立っていた。
「どうしたの??」
すみれは不思議そうに駿介を見上げた。かなりの時間を押してるはずだからこの校舎に駿介が残ってることは不思議だった。
「先生。用事あるみたいよ。」
駿介はおかしそうに笑った。それを見たらすみれはなんか気分が悪くなり、すぐ立ち上がり駿介の横にあるドアを開けようとしたらその手はつかまれ、いつの間にかドアに押し付けられていた。
「なにするの!?」
すみれはもう許さないというばかりににらんだ。それすらイキイキして異性を誘惑してることすら知らずに。
「水川。楽しもうぜ??」
駿介はそう笑い、すみれの唇を貪るように奪った。本当に荒々しく。
「!!」
すみれは目を見開いたあと、両手で抵抗したがそれはからめとられてしまい、息ができなくて開いた唇に駿介の舌が侵入してきた。逃げてもそれは駿介には少し動いているようにしか感じられずすぐにとらえられてしまう。生理的な涙が頬を伝った。息ができなくて口の端から唾液がたれる。すみれはとうとう立っていられなくなったが駿介の手がうまく腰にあてられて完全に一人では立てなかった。
長いものがやっと終わりすみれは回らない頭で駿介を睨みつけた。が、駿介はそんなすみれを抱き起こし、隣の部屋へ向かった。
そこがどこかわかったときにはもう、遅かった。
すみれは保健室のベッドに押し倒されていた。
「嫌!!」
すみれは右足をふりあげた。クリーンヒット!!どこかはもちろんわかってるよね??
駿介が驚いている間にすみれは動かない足でなんとか出口へ向かったがあと少しというところで後ろに強い力で引き寄せられた。
「水川。俺、まじ好きだから。」
駿介はすみれの両手を頭の上で押え、足は閉じられないように自分の足を滑りこます。その時、すみれの顔に恐怖というものがあらわれた。
「俺達、お似合いカップルになれるぜ??」
駿介はあいてる手ですみれのワイシャツのボタンを一気に外した。
赤いブラが彼女をさらにかわいく見せていた。白い肌には異性を許した痕すらなく純白をあらわしていた。
「すみれ。」
耳元で甘く囁く。駿介ははっきり言っていろんなギャルと付き合っていたし、かなりモテてたから相手には困らなかった。だけど、かわいいのに自分にこびないすみれを見て心を奪われていた。それでも、学年ならどんなヤツにも負けないけど、上の学年もすみれに目をつけた。だから、彼女がけがされる前に自分のものにしてしまえばいい。
「あんたに抱かれるなんて最悪よ!!」
すみれは震える声で精いっぱい駿介をにらんだ。そうすると、駿介の顔から余裕が消えた。
「すみれ。気絶するまでヤッてやるよ。」
この後は悪夢でしかなかった。


「すみれ。愛してる。」
すみれは涙を流しながら気を失っていた。駿介はそっとすみれの涙を拭いた。

夜中、すみれは目が覚めた。それと同時に下半身にものすごい激痛がはしる。涙を見せまいと唇を思いきり噛みながら、あたりを見回すとそこは見慣れた場所。孤児院の自分の部屋だった。
あれは悪夢だった。
そう思いたかった。
だけど、体がそれを否定する。だって、記憶の中もはっきりしている。すべてが真実なのだから。

ぽとり。

涙が次々とあふれ出て止まらない。手でそれを触りながらすみれは笑った。

「あはは。おかしい。こんなことで私泣いてるんだ。」
すみれはそれでも抑えられなかった嗚咽をお蒲団をかぶってこらえた。


「私は大丈夫…。あのことのためなら、このことさえも糧にしてみせるわ…。」
すみれは泣きながらも怒りに震えていた。

これは17歳の秋の頃の話。これは私が現実というものを知らなかったころのこと。


それでも彼女は優雅に微笑む

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