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私が愛した復讐の相手(ヒト)
02 それだけのために生きているのだから。
微エロです…。具体的ではないので…
苦手な方はご遠慮ください。


すみれは車の中でさっきの男たちとにらみ合っていた。
「こんなことしてただで済むと思ってるの?」
すみれはとても冷たい言い放つが、さっきのリーダーの男は不敵な笑みを浮かべていた。
「誰も森家に立ち向かうヤツなどいない。お前はただおとなしくしてればいい」
そのリーダーの男はすみれを上から下までいやらしい目つきで見回した。
「あっはははは!!」
すみれはいきなり大笑いし始めた。
それにまわりの男たちはもちろん、リーダーも探るような視線を送ってきた。
「おかしい!! おとなしく? 私が? 連れ去られておとなしくするなんて。私がすると思ってるの?」
すみれはリーダーに挑発的なうえ、魅力的なほほえみを向けた。
「あなたは1番になれないただの犬よ」
静かだけどゆっくり聞かせるように言うとそのリーダーはすみれの顎をつかんできた。
「女だからと言って手加減をするつもりなどない。お前は駿介様が連れて来いと言った女だから多めに見てるだけだ。それを忘れるな」
すみれはその手を払いのけた。
「触んないで」
すみれとそのリーダーらしき男はしばらくにらみ合っていたが、周りの男たちが姿勢を変えたのでリーダーらしき男もすみれから視線をそらした。

森家についたのだった。


「駿介様。お連れしました」
リーダーたちはすみれを無理やり引っ張るように連れてきた。
「お前たちは下がっていい」
駿介はすみれの腕を強くつかみ、リーダーたちを下がらせた。

「こんなことしてただで済むと思ってるの?」
すみれは駿介を睨みながら見上げた。
駿介はそんなすみれが愛おしくて思わず抱きしめていた。
「やめて!!」
すみれは駿介の腕を逃れた。
「警察を呼ぶわよ!!」
すみれはケータイを出して握りしめていた。
「呼べばいい。すみれ、俺に逆らう警察なんていないんだよ」
駿介は不敵に笑い、すみれをじわじわ追い詰めるように近づいてくる。
「嘘よ!! あなたのような犯罪者が許されるはずないわ!!」
すみれは身体の奥から這い上がる恐怖をひたすら抑え込みながら後ろへ下がる。
17歳からつけられた恐怖とは簡単に消えない。
どんなに隠しておいても、またいつでも這い上がってくる。
「権力でできないことなんてないんだよ」
駿介はすみれにさらに近づきながら両手を広げるようにしながら言った。

権力

それは、すべてを狂わせたもの。

それは、いとも簡単に死を許すもの。

それは、強者だけが持てる者。

すみれは恐怖よりも怒りと言うものがこみ上げてきていた。

「ふざけないで!!」
すみれ自身自分が何をやったか、分からなかった。

そのあとにきた、右手の痛みにやっと駿介の頬にビンタを食らわせたことが分かった。
彼も予想外だったみたいで少し驚いた顔をしながらすみれを見た。
「ふざける? すみれ、権力に身をゆだねろよ。お前は俺のものなんだよ」
駿介は頬を赤くしながらすみれの腕を強くつかんだ。
「放して!! 私は権力なんて嫌いよ!!」
すみれは怒りと恐怖で身体のそこから震えていたが駿介から目を離すことはしなかった。
「権力で何でも思いどおりになるなんて考えないで!! 私はあなたを好きになったり…!!」
すみれの最後は駿介に唇を奪われて言うことがかなわなかった。
奪うというより、何もかも奪い取ってしまうような、キス。
すみれは生理的な涙で、口の端から唾液がたれて、立っていられなくなった。
だけど、しっかり駿介の手が腰を支えている。
すみれの意識が遠のいかけたとき、駿介は唇を放した。

「すみれ。 俺だけのものになれ」

駿介は意識がぼんやりしてるすみれの服を一気に引き裂いた。
「嫌!!」
すみれは逃れようとするが、駿介はそれを利用して下着姿のすみれを抱きかかえた。
「きれいだな…」
駿介はすみれのブラのホックをはずしながらすみれにささやく。
すみれは首を横に振り、必死に抵抗していたがベッドに投げられるように押し倒されていた。

「私はあなたのものになんてならないわ」

すみれは駿介に向って冷たく言い放った。
そのとき、駿介はすみれの顔をじっと見ながらにやりと笑った。
「それなら、こうするまでだ」
すみれの瞳はそこで恐怖へと移るがそれを必死で抑え込む。

「社長代理!!」

愛子の声がして駿介も動きを止めた。
社長代理と言うときは仕事、それも家まで来るとはよほどの緊急なのだろう。
愛子は言うまでもなく、寝室へと入ってきた。

「!!」
愛子が見たのは、ベッドに押し倒されて震えるすみれと熱い目をしてる駿介だった。

「早く要件を言え。どうした?」
駿介はあくまで冷静に愛子に聞く。
愛子はすみれのことをどうにかさせてあげたいと思ったが、これを伝えればいいのかもしれないと思い口を開いた。

「社長がもうじきこちらへお帰りになられます。今日は緊急会議をなさるそうです」

社長と言う言葉で駿介のまとう空気が変わった。
欲望から仕事へと。
父親と言えどもこの家は父親なんていない。社長でしかない。

「この部屋にすみれを閉じ込めておけ」
リーダーらきし男に内線を入れ、寝室のドアへ向かう駿介に愛子は何かを言おうとしたが駿介ににらまれて終わった。
今の彼はヤバイ。
これは下手すると愛子のせいですみれの欲望へ向かう可能性がある。
すみれのことを気にしながらも駿介とともに愛子は出て行った。

すみれは震える身体を抱きながら、部屋を見渡していた。
花瓶がある、これならここで死ぬこともできるだろう。

ううん、バカね…

すみれはふふっと声を出して笑った。

死ぬなんて言葉、もう二度と言わないって誓ったのだから。

あの男を殺すまで死ねない。

ただ、駿介は私にかかわりすぎた。
邪魔なのよ。

私の中の私が冷たく言い放つ。

あなたは何のために生きてるの?

すみれは自らに質問して本来の目的を忘れないように唇をかみしめた。

そう、私はあの男を殺すためだけに生きてるのよ…。

それだけのために生きているのだから

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