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天地無用! 魎皇鬼【魔を滅する転生樹】
第3話:仁義無き父娘の闘い
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 その日、清音と勝仁による仁義無き血で血を洗う様な戦いが勃発した。

「お父さぁぁぁんっ!」

「清音ぇぇぇぇっ!」

 二人は態々、樹雷の戦闘衣装に身を包んでエネルギー剣を展開しての戦闘。

 ガキン! ガキン!

 鍔迫り合いの音が眩しい訳だが、清音は正に本気で勝仁に剣を向けている。

 実の父親であろうと関係無く、清音の剣は勝仁の頭を心臓を容赦無く狙う。

「くっ! 血迷うでないわ清音ぇっ!」

 純粋な剣の腕前は当たり前だがきちんとした修業をしていた勝仁の方が上で、本来ならば清音では勝ち目など一%も無いだろう。

 だが然し、清音は正しく武人たる勝仁――柾木遙照に互する力量を見せ付け、勝仁も冷や汗を流す。

 血を分けた実の親と娘が本格的に斬り合うという、明らかにどうかしていると云える訳だが、勝仁からすれば行き成り斬り掛かられたから意味が解らない。

 已むを得ず応戦するより他に無く、しかも腕前的に上の筈の勝仁が押されているから余計に混乱する。

「いったい何なんじゃ!」

 受け止めつつ訊ねた。

「何で優斗をお母さんに売ったの!?」

「って、人聞きの悪い! 別に売った訳ではないわ! あの子には地球が狭い、なれば銀河アカデミーの方で勉強をさせようと思っただけじゃ!」

「母親の私に断りも無く、あの子を引き離すなんて! お父さんでも許さない! 今すぐ取り消して!」

「アイリも随分と楽しみにしておるから今更無理じゃ!」

「取り消して!」

「無理じゃと言うにっ!」

 柾木神社の境内で行われた二人の仁義無き戦いは終わりを告げない。

「分からず屋!」

「どっちがじゃあ!?」

 再び振り降ろされる清音の光剣、迎撃に回る勝仁の光剣が振り上げられ……

 ガキィィィッ!

「「なっ!?」」

 真ん中に第三者が現れ、二人の光剣を受け止めた。

 偽・瞬撃槍ラグドメゼギス・レプリカ偽・毒牙爪ネザード・レプリカの二刀流、槍が勝仁の光剣を受け止めており爪が清音の光剣を受け止めている。

「「優斗!」」

 勿論、この武器を持つのは渦中の柾木優斗その人であった。

「二人して模擬戦――には見えないね。まさか父娘おやこで殺し合いは笑えないよ?」

 光剣とはエネルギーを別にする光の武器……それは遥か古に存在した【闇を撒くものダークスター】デュグラ・ディグドゥが生み出した五つの武器。

 然してその実態は魔王の武器にして魔族そのもの、原典では烈光の剣ゴルン・ノヴァが光の剣という名前と姿を変えたモノが、赤の竜神スィーフィードの世界に齎らされており、カブリエフ家へと子々孫々に伝わっていた。

 アニメ版では颶風弓ガルヴェイラも同じく存在していて、古竜族がひた隠しにしていたのが確認をされている。

 ユートはそんな【闇を撒くもの】の五つの武器の、精神力を抽出増幅して光の刃に変換する機能に特化をしたレプリカを造った。

 即ち――偽・烈光の剣、偽・毒牙爪、偽・破神鎚、偽・颶風弓、偽・瞬撃槍の五つである。

 偽・瞬撃槍はハルケギニア時代にタバサへ与えていたけど、現在は別の杖を持たせているので返還され、偽・烈光の剣は【デルフリンガー】を魔改造した物ではなく、改めて造った代物となっていた。

「で、二人は何をしていた訳?」

「だって、優斗をお父さんがお母さんに売ったって」

「じゃから、人聞きの悪い……」

 ユートの質問に清音が答えるが、勝仁からすれば余りにも余りなもの。

「若しかして僕が婆さんの……アイリさんの所に行く話? 母さんは反対な訳?」

「当たり前でしょう!? 私の優斗が汚されちゃう」

「いや、僕はアイリさんの所でナニをするんだよ? いったいさ」

 況してや祖母アイリを相手に。

 確かに柾木アイリ――旧姓マグマは美人かも知れないけど、ユートだって真性の人妻などを相手に手を出したりはしない。

 清音? 彼女は母親なのだからまだ一桁歳なユートが甘えて何が悪いというのか?

 因みに、そうはいっても可成り昔にドラクエ的世界に渡った際、天空シリーズDQWの時代に名前持ち、イラスト有りな連中を美味しく『戴きます』してて、その中には武器屋の奥さん――二六歳――も入っていた。

 原作的には知らないが、彼女は一六歳くらいですぐに彼へと嫁ぎ、一年後には息子を生んでいた訳で……

 息子は九歳だから二十代半ばという若さ。

 別口のゲームのイラストの侭、可成りの美人だったのでハッスルしてしまう。

 理由は武器屋が死亡し、それを蘇生する為の対価というやつだ。

 思った以上に使え……弱くて、ボンモールに行こうとしたらモンスターに囲まれてしまい、敢えなく死亡した武器屋を発見してしまったユートは、見なかった事にして彼女をモノにするなんて外道な事を考えたりはしなかったが、生き返らせる対価は必要だろうなと交渉をしたのである。

 勿論、十年来の夫を持つ人妻だから簡単に頷いたりはしなかったけど、実際に死んだ武器屋を見せたら涙ながらに頷いた。

 当時は権能も無かった頃だし、ユートが持つ蘇生の術は【世界樹の葉】だ。

 それ一枚切りだったし、貴重過ぎるアイテムをタダで渡す程、ユートも甘ったれた性格ではない。

 尚、彼女との関係は実に女としての性欲が落ち着く頃――三十代後半――まで続いた上に、娘まで宿してしまったのは誤算だった。

 娘は武器屋の子供として――武器屋は本当に自分の子供だと思い込んでる――育て上げられ、結婚を期に旅立った娘はユートの商売人的な教えを子々孫々にまで遺し、最終的には彼女の子孫が数百年後にサラボナ商人連合を創り、ルドマンの屋敷にその教えが額縁に入って飾られていたのを、ユートがフローラに連れられて来た時に発見。

 フローラと結ばれた為、血の繋がりこそ持たなかったにしろ、娘が先祖という意味不明な状況に。

 寧ろ、数百年のスパンは有れどルドマンとユートが遠い血縁だったり。

 勘違いが無い様に敢えて記述しておくと、ユートには決して人妻萌えな趣味などは一切合切存在していない。

 していないったらしていない!



 閑話休題



「母さん、僕が宇宙に上がるの反対?」

「当たり前でしょう!? 本来は成人するまで内緒の掟な筈なのに、お父さんってば何で教えたの?」

「う〜む、じゃがのぉ? 優斗は既に知っておったぞ」

「――え゛?」

 驚いた表情でユートの方を見遣る清音。

「本来、柾木――分家筋の正木に至っても宇宙だとか樹雷だとかの話は成人後、教えられるってのは理解をしているよ。柾木家の先祖である柾木遙照が樹雷星の人間で皇族だって事もね。それ処か爺さんこそが樹雷皇国第一皇位継承者の遙照本人だってのも知ってる」

「ぬおっ!? な、何とぉぉ!」

 それは聞かされてなかったからか、勝仁はやっぱり驚愕に目を見開く。

 プルプルと手が震えている辺りから可成り衝撃的事実だったのだろう、ユートが勝仁の正体を知っていると云うのは。

「その老人の姿が擬態だってのも知ってる。折角だし本来の――遙照の姿に戻ってよ」

「ハァ……」

 諦めたのか、勝仁は擬態を解除して若々しい姿――遙照としての姿に戻る。

「まったく、天地には内緒だぞ?」

「ま、少なくとも知る機会が訪れるまでは言わないよ」

「そうしてくれ」

 誰かに見られても事だと姿を老人に戻す。

「然し、何故に知っておったのじゃ?」

「そうね、私も流石にこの秘密は教えてないのに」

 二人からすれば不思議なのか、やはりそこを訊かずには居れないらしい。

「銀河アカデミーに於いて魂の研究は普通に進んでいたよね? 正確に云うならアストラルについて」

「うむ、そうじゃな」

「魂が存在すると確定するなら、輪廻転生だって在る筈だよね? 事実、そうやって転生した者もこの世界には居る筈」

「ううむ、確かにのぅ……って、転生した者とは誰の事じゃ?」

「神木・瀬戸・樹雷」

「ぬあっ!?」

「確か――朱螺凪耶という人物の転生体でさ、記憶封鎖はもう解けている筈だね。第一世代の樹と契約している者には教えてるらしい。尤も、爺さん……柾木・遙照・樹雷は知る必要が無い立場だから教えられなかったみたいだけどね」

「ぐぬぬ!」

 樹雷の人間なら誰しもが苦手意識を持つ存在こそ、件の神木・瀬戸・樹雷という女傑である。

 樹雷皇国の四大皇家の一つ、神木家の者だが既に皇位継承権は放棄していた。

 だけど、彼女こそ樹雷星の真なる支配者と言っても過言ではないだろう。

 それだけ恐れられている存在であり、特に宇宙海賊からは恐怖の対象として悪鬼羅刹の如く呼ばれる。

 【ZZZ】――撃滅宣言信号が発信されるとは即ち鬼姫のジェノサイドダンスが発令されるという事で、そうなれば海賊艦は文字通り殲滅をしろとの合図だった。

 神木・瀬戸・樹雷の存在こそがイコール、転生体の存在の肯定とも云える。

 正しく魂の肯定だった。

 まあ、神木・瀬戸・樹雷はあらゆる意味で鬼門となる人物――愉快犯――だから遙照も苦手なのかも知れない……唸ってるし。

 樹雷皇たる柾木・阿主沙・樹雷すら頭を上げられない辺り、正しく【樹雷の鬼姫】たる二つ名の面目躍如であろうか?

 とはいえ、ユートはそれなりに楽しみにしている。

 見た目は美人な訳だし、決して無意味な理不尽などは与えない。

 無意味≠ネ理不尽は。

 彼女が与えるのは理不尽という名の試練なのだから。

 試練を受けさせられる側からすれば巨大なお世話でしかないけど……

 だが然し相手が相手なだけにそう簡単には会えないのも事実。

 幾らユートが遙照の孫に当たるとはいえ、樹雷星からすれば身元不明の子供に過ぎないのだし。

「僕も瀬戸様と同じく転生をした者。但し、この世界の人間ではなかったし様々な世界を渡り歩いた事すらもある特殊な……ね」

「違う世界じゃと? ならば何故、この世界に転生をしたのじゃ?」

「津名魅に呼ばれて」

「なっ!?」

「津名魅様に!?」

 勝仁も清音も驚愕する。

「僕が世界を渡って本来の世界に回帰しようとしていた時だ、この世界の恐らく今より未来に呼ばれた」

「今より未来じゃと!? 何故、そう思う?」

「現代に存在しない人物と会ったから。その人物は、少なくとも僕と天地が高校生になる頃まで封印されていたからね」

「ま、まさか! 魎呼……なのか?」

「ハズレ。魎呼もその頃には復活を遂げていて家族の一員だけど、会ったのは別に魎呼って訳じゃないよ」

「か、家族……」

「甚く天地を気に入ったらしいからね」

「……そうか」

 神我人のお人形さんに過ぎなかった魎呼だったが、その呪縛から解き放たれてアストラル体の状態で天地と過ごし、愛情を持つ様になったのだから驚きだ。

「ま、オフレコでお願い。万が一にも歴史がずれたら大変だし」

「判ったわい」

「コクリ」

 二人は了承した。

「そういや、母さんってさ年齢は幾つ?」

「? 二四五歳だけど」

「げっ!」

 見た目には二十歳前後にしか見えないが、実の処は延命調整を怠っていたから天地が幼い内に死んでいる訳だし、享年が二四八歳だったから再来年には老衰にて亡くなる筈である。

 だが、ユートはそれを敢えて教えない。

 腹違いの弟となるであろう柾木剣士の誕生の為に、正木玲亜が柾木信幸と結婚して貰わないと困る。

 その為には言い方は悪いのだが、清音はお邪魔虫という事になる訳で……

(まあ、原作と違って生き返らせる事は出来るんだし、後はエリシオンででも暮らして貰えば良いかな?)

 天地や、何より父である信幸には悪いが暫く独り占めさせて貰おうと、ユートは悪い笑みを心の中で浮かべていた。

 どうにも、ユートは若干ながらマザコンな部分でもあるのか、アリカの時といい清音の事といい母親への甘えが過ぎる。

 まあ、前々世では母親のユリアナ・オガタ・ラ・アウローラ・ド・オルニエールに余り甘えられなかった事もあり、ちょっと歳上な女性に甘えたいのだろう。

 実際、カトレアやネカネや玲亜には可成り甘えているのだから。

 お母さんやお姉ちゃん、そんな歳上な女性に甘えるユートだが、どうして謂わばマザコンやシスコン的な状態になるのか?

 実は訳がある。

 ハルケギニア時代には、カトレアを嫁に選んだ辺り歳上好きな部分があるかの様に思えるが、実はそういう訳では無い。

 ユートの歳上好きな部分というのは、前世――スプリングフィールドだった頃に三歳のユート・スプリングフィールドと融合したのが切っ掛けである。

 いっそ不自然なくらいにネカネにモーションを掛けたのも、三歳児ユートとの融合を果たした後だ。

 融合したからどうしても人格に影響が出てしまう。

 ピッコロがネイルと融合した後、ベースは間違いなくピッコロだけどネイルの影響が出ていた様に。

 だから実姉である天女が清音の代わりに来た際に、それこそユートは思いっきり甘えて魅せている。

 その所為か実の姉ながらも天女がちょっとブラコン気味だ。

「母さん、僕には種々様々な知識が在るけど主な知識はファンタジーに属しているものなんだ。銀河アカデミーでサイエンスに属する知識を少しでも増やしたい……それが僕の願いなんだよ」

「優斗は……行きたいの?」

「爺さんだけの独り善がりじゃない。僕も行きたいと思っている」

 こうもはっきりと言われてしまっては、清音だって可愛い息子の一人の達ての願いを無碍に出来ない。

「解ったわ。不本意だけど……ほんっとーに! 不本意なんだけど! 優斗……貴方をお母さんに預ける」

 本当にスゴい不満そうな表情で搾り出す様に言う。

「ありがとう、母さん! 大好きだよ!」

 ユートがそう言いながら抱き着くと……

「ブフーッ! 我が生涯に一片の悔い無しぃぃっ!」

 鼻血を噴いたと云う。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 話はついたし勝仁とは先の事を話し合う。

「さて、妻――アイリには話を通しておくぞ。じゃが、船の方はどうするかのぅ? 何ならアイリに迎えに来て貰おうか?」

「ん、大丈夫。宇宙船なら持っているから」

「な、何じゃと!?」

 驚愕するのも無理からぬ事だろう、三歳児が宇宙船を持っているなどと誰も思いもよらない。

 転生の事実を勝仁が知らなければ、絶対に信じられない話なのだから。

 ユートが持つ宇宙船――アウローラというキレイな名前が付けられているが、その真実は【神魔因子保有艦シャブラニグドゥ】という異世界の魔王の名前を冠していた。

 そして、同じ様な魔王の名前を持った艦船がユートの識る中に存在する。

 即ち、遺失宇宙船【生体殲滅艦ダークスターデュグラ・ディグドゥ】だ。

 その艦船を産み出したであろう先史文明の人間達、彼らからしても更に大昔の神代に存在してたとされ、神々や天使と相争ったのがつまり魔王。

 【闇を撒くものダークスター】の二つ名を持つデュグラ・ディグドゥは、【漆黒の竜神ナイトドラゴン】ヴォルフィードと世界の覇権を賭けて戦う。

 その最中、彼の魔王が自ら生み出した五つの武器は魔王の手から離れ、その後に烈光の剣ゴルンノヴァ】は復帰。

 そいつを天使キャナルが使用、デュグラ・ディグドゥを討ち果たしたとのだと神話には語られている。

 先史文明人はその神話に伝わる魔王とその武器――【烈光の剣】【瞬撃槍】【毒牙爪】【破神鎚】【颶風弓】の名前を与えた。

 結果、六つの艦船は闇に堕ちて先ず最初に生み出した連中を抹殺する。

 その後、敵対をする勢力が造った艦船――【戦闘封印艦ソードブレイカーヴォルフィード】と相討ちの形で眠りに就いた。

 それを承知でユートは敢えて神ではなく魔王の名を艦船に与え、今もこの艦船を使って活動をしている。

 技術的には魔王や神の名を冠した先史文明時代による艦船と同格、即ちユートが持つ艦船とは少なくとも遺失宇宙船ロスト・シップと性能面的に互角以上だという事。

 まあ、その程度≠ナは第三世代の樹を持つ皇家の船にすら敵わないが……

 デュグラ・ディグドゥの生体殲滅能力――システム・ダークスターをキャンセル出来るかどうかは兎も角としても、単純な艦船としての機能面で云うのなら、遺失宇宙船と皇家の船では後者の方が強い。

 強力な能力を付与された遺失宇宙船ではあるけど、所詮は人間が造った艦船でしかないからだ。

 対して、皇家の船というのはガワだけなら人間が造った代物だが、心臓部たる皇家の樹は超越存在オーバーロードの一部と言っても過言ではない。

 それも自らを全知全能と謳う創成神級。

 とはいえ、そんな自らより高位存在が在ると自覚、全知全能に矛盾するそれの解消の為に奔走しており、ある意味で人間臭い。

 そんな神と呼ばれている彼女ら――長女たる鷲羽、次女の津名魅、三女である訪希深の力は光鷹翼と名付けられたエネルギーが力の源だとされており、津名魅の分け身たる皇家の樹にもこれを発生させる事が可能となっている。

 但し、独力による発生は第一世代と第二世代まで、第三世代は複数が集まって可能となり、第四世代以降は御察し下さい。

 兎も角、皇家の船はこの皇家の樹と契約した者しか扱えず、しかも第一世代は銀河すら破壊が出来るのだとデータ上では云われる。

 そんな船と人間が造った遺失宇宙船、第四世代以降はどうか判らないのだが、少なくとも第三世代までなら間違いなく皇家の船の方が勝つだろう。

 そう、世二我の技術の粋を凝らして造り上げられたという惑星規模艦ちょび丸が魎皇鬼には、成す術も無く蹂躙された様に……だ。

 だから、ユートが持っているシャブラニグドゥも、皇家の船の何世代までなら抗し得るのか? それは、ユートにも未知数だ。

 尤も、この世界に転生するに当たり津名魅から貰った特典ならば、間違いなく第一世代にも勝てるが……

 数日後、漆黒で生物的なフォルム――竜に近い――をした先端に赤い眼みたいなモノが不気味に輝く艦船【神魔因子保有艦シャブラニグドゥ】が、銀河アカデミーに向けてフェイズシフトをしたと云う。

 見送りの清音は滂沱の如く涙を流しながら、大きく手を降っていたらしい。


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