魔法科高校の劣等生【魔を滅する転生劣】っぽい噺――墜ちて堕ちるヨルのヤミ . 長く艶やかな黒髪が謂わば姫カットな前髪にドリルなヘアスタイルな少女が、うっすら目を開き朱に頬を染めて艶やかな裸体を夜の月の下に晒していた。 肩で息を吐きながらも、年齢からすればそれなりに大きな胸が上下する。 股間からは何やら混じった液体で濡れ、全身からは細かな汗でビショビショ。 そしてもう一人。 顔立ちはとてもよく似た少女が、男により性的蹂躙をされていた。 「ヤ、ヤミちゃん……」 有り得ない光景だけど、こんな事になる前にされたアレ――それが可能とする荒業であった。 『ヤミちゃん』が苦悶の表情で初めてを貫かれて、暫くは初めてを喪う痛みから辛そうな声を上げていたのだが、数分間も抉られ続けると声に甘いモノが宿り始め、遂には悲鳴が嬌声に変化して男が欲望を解放した瞬間、『ヤミちゃん』も同じくイッたらしい絶叫を上げていた。 ズルリと分身が引き抜かれると、『ヤミちゃん』の愛液と処女の血と男の欲望が混じり合う液体が糸を引いて、数秒後に『ヤミちゃん』の拓かれた秘裂からは同じ液体がゴポッと流れ、地面を濡らしていった。 『ヤミちゃん』の自分より小さなおっぱいが上下、先程までの自分と同じ疲労から出る息遣いと吐息。 あんな顔の弟≠見るのは十数年、一緒に暮らしてきて初めて見た。 そう、弟なのだ。 彼女の言う『ヤミちゃん』とは実は任務中に使っているコードネームであり、自分自身も本名に使われている一字から『ヨル』と呼ばれている。 二卵性の双生児であり、姉の『ヨル』と似た顔の作りな弟――『ヤミ』は女装させられ、裏の仕事に携わってきたのである。 勿論、父親の命令で。 彼女らが所属する組織、その名は【四葉】という。 四葉家というこの世界に於ける魔法師の中に在り、日本の最高峰な【十師族】の一つにして、その中でも最強の名高い家名だ。 百年前より世界に発表された【魔法】と呼ばれる力とは、元々はサイオンを操る超能力であった。 其処から幾多幾重に派生をして発展してきた魔法、四葉家は精神操作を主軸にして開発されている。 そう、開発だ。 経緯は省くが現在の日本の魔法師は、数字付き――ナンバーズが上に立つ。 故に【百家】やその中の【師補十八家】や【十師族】の名字は、基本的に数字を冠して名付けられる。 まあ、他にも【古式魔法師】や【エレメンツ】という例外や、それ以外の家からも優秀な魔法師は輩出されているのだが…… 古式魔法は日本であれば【陰陽術】や【忍術】で、エレメンツとは光や水などに干渉する魔法に強い影響を持つ家で、これも開発によるものである。 また、十師族は師補十八家から四年に一度の割合で選ばれるが、四葉家が落ちた事はまず無かった。 それだけ優秀な家系だ。 男が曰く、所詮は百年の歴史でしかないらしいが、それでも今までは誇りと共にその名前は存在した。 とはいえ、自分にとっても『ヤミちゃん』にとっても誇りは汚され、自信なぞ処女と共に木端微塵に破壊されている。 「ヤミ……ちゃん、文弥」 童貞を喪失する前に処女を喪失した弟、それは自分――四葉の分家たる黒羽家の長女である黒羽亜夜子の大切な家族、黒羽文弥。 正真正銘の少年であり、然しながら中学三年生にもなりながら、一向に女装が似合わなくならない男の娘気質を嘆いていた。 それが遂に処女喪失。 文弥の精神的なショックは如何ばかりか。 自分より大きな分身を口にねじ込まれ、茫然自失で使われている弟の姿。 それは本当に女の子である自分が嫉妬したくなる程可憐で、男に汚される姿はある意味で美しく見えた。 それにさっきまで自分の内部を蹂躙していたナニ、それが今は『ヤミちゃん』を汚していると考えると、ゾクリと何か感じてはいけないナニかが、背筋を奔り駆け抜けていって御股を更に濡らしてしまう。 それにしても、いったい彼は何発射精すれば終わるのだろうか? 先程まで自分を相手にして数発、そして『ヤミちゃん』を相手に同じ回数。 既に十回は射精した。 男なんてその半分も出せば勢いも無くなり、それこそ射精するだけで精一杯というのが知識上にある。 事実、弟がこっそり――と本人は思い込んでる――一人遊びをしても二発も出せば終わっていた。 涙も乾いて涎も拭いて、女の子座りでペタンと座り込み、『何故、こんな事に?』とある意味で身の程知らずな思考を巡らせる。 否、原因は解り切っているではないか? 彼に手出しした事。 それ自体が間違いだったのだろう。 黒羽家は四葉家の裏側を取り仕切る分家、父親たる黒羽 貢という男も二人と同じく裏で動く諜報や暗殺をする仕事人である。 数日前、その父親からの命令が二人に下った。 宗家たる四葉家の姫君、四葉深雪の婚約者候補に収まった男、緒方優斗を闇へと葬れ……と。 まあ、実際に葬るのは貢が情報を聞き出した後で、貢自身が彼を殺るのであって二人は拉致るのが仕事。 部下を付けられて準備を数日間、入念に進めてからの仕事は上手くいく筈。 そんな風に、考えていた時期が二人にもあった。 蓋を開ければ尾行はすぐに見付かるわ、部下は息子を喪うわ、自分は処女喪失するわ、文弥は弟から妹にされて処女喪失するわと、散々な目に遭ってしまう。 はっきり云えば一番納得がいかないのが、どうやって弟――男である筈の文弥を女の子に変化させたか。 見た限りでは精神操作の類いではなく、フィジカルに変化していたみたいだ。 大きかった訳でも小さかった訳でもない、年齢相応なサイズの文弥の分身ではあったが、彼――緒方優斗がカードを文弥の胸に宛がうと、そのカードがズブズブと入り込んで光を放った瞬間に変化が生じて男だった時より背が縮み、胸も薄くはあっても僅かに脹らみを持ち、男の子の象徴たるムスコが無くなって女の子の秘裂に変わった。 元々の顔立ちは自分と比べて変わらなかったから、完全に『ヤミちゃん』に成ってしまっていたのだ。 『う、嘘!?』 男の子としては高めで、女の子としては低い声だったけど、女の子に変化して声も高くなっている。 そもそも、女の子にされたのは戦いに敗れた彼女らが部下の助命の為、彼へと降る決断をしたからだ。 男である文弥までもと言われ、まさかソッチの気でもあるのかと思ったけど、よもや女の子にしてしまえるとは思いも寄らない。 見た限り顔の作りまでは大きな変化がない事から、中性的か女の子寄りな顔でないと気持ち悪い話になりそうだが、男の娘に片足を突っ込んだ文弥なら間違いなく美少女だろう。 同じ顔の作りな亜夜子が言うと手前味噌だが…… 女の子に変化させられ、完全な『ヤミちゃん』と化した文弥は、亜夜子が犯されている間に強烈な媚薬を口移しに飲まされ、後ろ手に縛られた挙げ句に開脚をさせられてしまい、熱く火照る肢体を慰める事すらも叶わず、自分と同じ顔立ちな姉の犯される姿を見せ付けられ、亜夜子が数回もの絶頂で思考を蕩けさせた頃にはすっかりデキ上がり、ボーッとした顔で涙と涎を 零れ落としていた。 しかも御丁寧に耳許で、『お姉さんの処女を貫いた僕のモノが入るよ?』などと囁き文弥――否、ヤミちゃんの脳内を刺激してから挿入したからか、入れただけでヤミちゃんはイッてしまったらしく絶頂の絶叫を上げて気絶した。 「年齢からして童貞なんだろうにな、初めての絶頂が女の子の快楽とはねぇ……貴重な体験したよな?」 今もビクビクッと絶頂の余韻に浸るヤミちゃんは、もう自分が男の子なのは忘れたかの如く蕩けた表情を作り、気絶をしている間に緒方優斗は自分の普通より大きなサイズの分身を彼? 彼女? の口へとねじ込んで無理矢理に動かす。 気絶から我に返った瞬間に白くて熱い欲望の塊を、ヤミちゃんの口の中へ発射してしまう。 量が有り得ないから大量のそれを口の中へ注がれ、溢せないくらい口に蓋をされた状態だから飲まざるを得ないヤミちゃんは、ヨルの見ている前で美味しいとはいえないそれを飲み干していった。 更に数回の情交の後で、エロゲなら外せないシチュエーション、双子同時挿入をも体験させられる。 朝日が昇る頃になって、漸く解放された二人。 しかもヤミちゃんは今も『ヤミちゃん』である。 緒方優斗が言うには……ヤミちゃんをヤミちゃん足らしめたあのカード、あれはサイオンを籠めなければ力を本来は発しないけど、改良型で常に必要なサイオンを搾取しており、自動的に変身≠二十四時間で更新しているから、文弥の意志で解除は出来ないのだとか説明を受けた。 つまり、黒羽文弥は今後は常に『ヤミちゃん』状態なのを男装≠ナ誤魔化しつつ、女の子なのをバレない様に学生生活もしなければならなくなる。 元々の機能を拡張しただけだと言うが、女の子状態になると普通に妊娠もするらしいから、その場合だと出産まで【女体化】が維持される機能を常態化したのだと云う。 身震いするくらい恐ろしい相手だった。 四葉家の執事が一人たる青木から情報を得たけど、全く意味が無い情報ばかりでしかない。 そして亜夜子と文弥には精神に変化さが起きた。 四葉家や黒羽家の柵より彼を優先するという。 これは権能とやらを使われた結果らしいが、本来は男である文弥には使えなかったらしく、ヤミちゃんに変えたのはその制限を取り払うのが主目的だとか。 何より、権能云々以前に西暦二〇四二年頃までの、謂わばフリーセックス時代とは異なり、現代は結婚まで純潔でいるのが普通だというのに、亜夜子は純潔を奪われた形となる筈だが、事が始まったばかりの時にはまだしも、終わった今は嫌悪感も懐いてはいない。 言ってみれば緒方優斗だけが得をした形だ。 緒方優斗の暗殺は恥を掻かされた青木が、黒羽家をある意味で利用しようとして行われたのを、まんまと逆用されて亜夜子と文弥は彼の手の内に納まった。 しかも、黒羽家の部下が何人か『ニューハーフになります、捜さないで下さい』と訳の解らない書き置きを残して失踪してしまい、黒羽家延いては四葉家にとっては何も得るモノの無い仕事となったのである。 これが緒方優斗の暗殺の顛末となった。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |