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けいおん!〜ネコミミ部長奮闘記〜
♯5
「はい、梓ちゃん」
「ありがとうございます」
 ミルクティーの注がれた私専用の猫のカップが机の上に置かれた。とてもいい香りがして美味しそうだ。
「ムギちゃんが持ってきてくれるケーキもお茶も美味しいね」
 唯先輩は頬に手を当て絶賛する。その表情は嘘ではなく本当に美味しい。
「部員は何とかなりそうか?」
 その味を堪能していると、澪先輩が心配そうに尋ねてきた。
「いえ、全然です。憂には何回も言ってみてるんですけど」
「だよなぁ」
 澪先輩はため息をついた。この1年は先輩達と一緒にってことで、結局新入部員の獲得には消極的だったんだけど、やっぱり後のことを考えて入ってもらった方がよかったのかな?
「どうして憂は部活に入らないんだろう?」
 ケーキを頬張りながら唯先輩が言った。多分姉思いの憂だから、唯先輩より先に帰って夕食の支度とかしてるからじゃないかと思うんだけど。
「唯先輩からも言ってみてもらえませんか?」
 ダメ元だけど唯先輩に頼んでみる。
「うん、言ってみるよ」
 口元にクリームをつけてる唯先輩は答えた。
「唯、クリームついてるぞ」
「え、どこー?」
「ほら、拭ってやるから動くな」
「ありがとう、りっちゃん」
 ダメだ、ケーキに夢中で全然聞いてないや。

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