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けいおん!〜ネコミミ部長奮闘記〜
♯2
 放課後になり、部室へ向かう。足取りはとても重い。
「あずにゃ〜ん!」
「にゃあ!」
 後ろからいきなり抱きつかれて、私は大きい犬に見つかった子猫のように固まる。
「にゃあ! だって。可愛い」
 ショートヘアにどんぐり眼、よく分からない人だけど演奏すると凄い唯先輩が抱きついてきた。一緒に黄色いカチューシャで前髪を上げて、見た目はボーイッシュでかっこいいんだけど頼りない前部長の律先輩もいた。
「元気なさそうだったけどどうしたんだ? 部員のことで悩んでんなら、私が1人や2人捕まえてきてもいいぞ」
「結構です。自分で何とかしますから」
 この人が言うと本当に捕まえて来そうだから恐い。
「大丈夫。あずにゃんなら何とかなるよ」
 唯先輩は根拠のないことを言い出すし、何だか余計に疲れて来たと思ったら。
「よしよし」
 いきなり唯先輩のあったかい手で私の頭を撫でられて……ふわわ。
「梓は本当に頭を撫でられるのが好きだよな」
「そ、そんなことないです!」
 私はハッとして強がってみるものの、律先輩は勝ち誇ったようにニヤニヤしている。何か悔しい。
「今から部活か?」
「そうですけど、律先輩は受験勉強しなくていいんですか?」
「うむ、私にはそんなもの必要なーい!」
 と律先輩が腕を組んで自慢気に言った瞬間。
「んなわけあるかー!」
 と澪先輩の愛のムチを食らっていた。

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