けいおん!〜ネコミミ部長奮闘記〜 ♯19 Side Ui 「どうもー」 私が部屋に入ると、梓ちゃんは目を丸くして私を見つめた。 「あれ? 憂?」 梓ちゃんも状況が分かってないみたい。 「憂ちゃんに入部してもらうために拉致してきたのだ」 律さんが胸を張って言った。その後ろで私は小さく震えていた。 「違うだろ!」 「あいてーっ!」 澪さんのげんこつをもらった律さんの頭に大きなたんこぶがくっついた。 「憂にも音楽の楽しさを味わってもらうために連れてきたんだよ。最近憂の様子おかしかったし」 お姉ちゃんが鼻を高くして言った。私、そんなにおかしかったかな? 自分ではいつも通りにいたつもりだったんだけど……。お姉ちゃんを見ると、そんな事はお見通しだったみたいで、私のことは全て見透かしているような笑みを浮かべた。 私がうろたえていると、そのスキをついて、律さんがすかさず私の後ろに回り込み、ドアに鍵をかけた。 「な、何で鍵をかけるんですか律さん!」 私が振り返ると、律さんは鋭い視線を私に向けた。その眼差しにひるんでしまい、私は熊に狙われたウサギのようにビクビクしていた。 すると、律さんは無言で長椅子の横に立った。 「軽音楽部へようこそ!」 お姉ちゃんと組体操のようなことをしながら、私を歓迎した。 私は本当に訳が分からなくなって、混乱していた。 [*前へ][次へ#] [戻る] |