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小松の一日(↑微妙にリンクしてます)
夏休みのある日、ケン黒やん坂本が「キムラ」の熱さに堪え凌いでいる頃、あの男は後輩からのおはようコールで起床していた。



「あ、らんさん!はよざいます!らんさんが起きたがってた時間になったっす」


らん、小松蘭太郎は本日午後1時30分の起床を希望して事前に後輩にメールを入れていた。
稀にちゃんとプランを立てたくな時があるらしい。



「田所〜、さっすが〜。じゃあオレ今からスタバ行くからオレんちの前に車(タクシー)置いといて」



「ういっす」



その後、らんはまた30分寝て、ガンガン車の通るランの家のマンションの前で田所を20分程待たせる事になる


「あんちゃん!!ダンさんって奴あ、いつ来るんだい?!」

「ダンさんじゃなくて、らんさんですって!もうちょっとですから!」



田所はタクシーの運転手(ヤクザ上がり)に怒られていた。






【小松の一日】




朝(場合によっては昼)、らんはとりあえずアイスコーヒーを飲みながら体にニコチン注入をしないと決して行動しない



「ハリウッドスターの赤っ恥激写・・」



日当たりのいいオープン席で読むのは、もっぱら海外のゴシップ系週刊誌。
割とミーハーだった。


目線は週刊誌に釘付けのまま、またも後輩にマルメン買ってきて欲しいとメールを打つ。

一体この男は何様なのだ。



実は、あの幼なじみ三人の中でこの小松蘭太郎は一番後輩使いが荒かった。


あの我がまま一直線の坂本は、そういう事は主に兄などの年上にたかるので、意外と後輩は使わない。嫌な絡み方はするけど。




【その頃の後輩チーム】



「だからさー、あメールだ。」


「誰から?」


「あーあ、らんさんだよ」

「っしゃ!次のらんさん係は、智也〜」




小松はちょっと知ってる後輩なら無差別に使った。


中学の頃の修学旅行、その時の小松も自分が京都にきてることを忘れて後輩に電話した



「あ、もしもし〜、瀬川〜?」


「らんさん?あなた今京都に居るじゃないっすか。行けないですよ」



「・・・(らん、後に寺を発見する)。・・おいでやす〜」



「さすがに行けないっすよ!!京都には!」




小松はマイペースである。でも坂本ほどわがままでもないのでその時は諦めた(でも普通の人よりは遥かにわがまま)。


しかし、これからは出来るだけ後輩が自分の所に来れない場所には行かないでおこうと、反省した。考え直す所がおかしい。




数十分後、小松の元にしっかりマルメン三箱が届けられる。




「智也〜、ラブミーテンダ〜」


「らんさん、ちゃんとスタバに居て下さいよ!スタバん中探し回ってすげー恥ずかしかったじゃないですか!!」



小松は、人に場所を指定してお使いを頼んでおきながら、さっさと移動して四軒先のスロット専門店に居た。
本人悪気は無いが、ひどい男である。



そんなひどい先輩に苛立ちが募り、過去に、本人の知らない所でストライキが起こった事もあった。


小松は視力が弱いので、常にコンタクトだが、その日たまたま気まぐれで掛けてきた眼鏡を案の定無くしてしまった。

突然誰も電話にでなくなった中学三年生の小松少年は、後輩に使い捨てコンタクトを買ってきてもらうのを諦め、一人でふらふら芝生の上で眼鏡を探していた。


「おい!見んな!ここで諦めたら、またハードなパシリ生活だぞ」


「うん、分かってる」



後輩達は普段見る事の無い小松の姿が、途方に暮れてるようで可哀相だったが、パシリパシリ、と呪文を唱えて見て見ぬ振りをしていた。


だが、30分以上探してるのに、全然眼鏡が見つからない小松が、タバコに火を付けた後、悲しげに目を閉じて(裸眼で煙が目に痛いから)呟いた言葉で、このストライキは本人が自覚する事もなく終了した




「あーあ、何もみえね〜。誰もこね〜。」



小松が特に何も考えずに言ったこの言葉で、後輩達は物凄い悪い事をしてるような気分になった(雨の中、飛べない矢鴨を見捨てるよーな)



「あー!!もう、らんさんは一人じゃなんにも出来ねーんだから!!」


「チキショー!なんかずりいよあの人!」



すぐさま駆け寄って、もう心の中で完全に眼鏡を諦めた、小松をやはり彼らは助けてしまったのだった。



「らんさん!らんさん!眼鏡頭の上にあるじゃないですか!最初っからよー!!」




そして、今に至る。




「智也〜ごめんって。勝ったららんさんがメチャメチャ奢ってやるから」



「あんたスロットすげー下手じゃないですか!!」





その日、ボロ負けしたらんは、カード以外の手持ち金がすっからかんになって、暇になったため、たまたま数百メートル先の場所に居た、ケン坂本黒やんと合流した。



「ういっす!ここまで歩いて来たで〜」



黒やん「だからなんだよ」

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