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2坂本明男という男
坂本明男が、居る、という話は入学前から知っていた。

オレは坂本明男が入学するとなれば、赤高内もその周辺も騒がしくなるんだろうなー程度の事を思っていた。


中央中の坂本、幼なじみの黒川君、小松君の事を中学時代オレの周りの奴に知らない人など居なかった。


オレもいくつか見かけた事がある、公衆トイレや、公園の遊具に書かれた


「坂本潰ーす!」


の落書きを



【坂本明男という男】



「ちっきしょ!クラスはどこだあクラスはあッ!」


赤高は馬鹿な癖にクラス数が多かった。馬鹿を数だけ集めてマンモス高ぶりやがって


「おーいケン、何やってんだあ」


オレが色んなクラスの前をうろうろしてると、誰かに名前を呼ばれた、声の方を見ると、教室の窓の枠に手を置いてオレを見てる同中の手島が居たのだった。


「手島じゃーん、お前も赤高か〜お互い崖っぷちだな〜」


「そんな事言ってないで早く教室入っちゃえよ〜、ケン、オレと同じクラスじゃん」


ヘラついた手島の奥を見てみると、黒板の座席表に確かにオレの名前もあった。
やった〜、棚ボタラッキー(偶然な幸運の意)手島と同中で助かったオレだった。


「ケンさあー、このクラスに坂本明男の幼なじみの黒川君居るって知ってる?」

手島はオレが教室に入ってもぺらぺらお喋りをしていた。

オレは手島の話を聞きながら春の暖かさにうつらうつらなっていた。



「マジでえ、知らなかった。でもオレらあんま関係ないね。」


「だっねー、ヤンキーのノリってあんまわかんね〜」


オレも手島も中学の頃は、バンドがカッコイイって聞けばバンドもやったし、トランスが流行ればトランスばっかり聞いて、サーファーがモテると聞けばなんちゃってサーファーファッションして、海に通って、チャラチャラしてた。

ヤンキーの友達もいっぱいいたけど、基本スタイルは全く違って、坂本明男も知ってたけど、本人を見た事は無かったのだった。

その幼なじみの黒川君ももちろん知らない。

「っていうかケンケン、オレ最近ブログ始めたんだけどさ〜、送っていい?送るね!」


いつの間にか手島は全く関係ない話を始めていたので、オレはティーチャーが来るまで、手島がブログアイドルになりたいという話を聞いていたのだった。


「てか、ブログとか毎日書く事ないんだよね〜!むしろケータイ小説書き始めよっかなって、ねえケンケン、オレケータイ小説書き始めていい?」


「いいね〜」


手島の話は長かった。

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あきゅろす。
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