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小説置場

カウンターの中にはマスターの姿が無かった。
「マスターは今お客さんを迎えに行ってますよ。私は留守番です」
『伯爵』が自分の隣のスツールへ、どうぞと手招きした。
俺は素直に座る。
今日の『伯爵』は珍しくワインを飲んでいた。
「珍しいですね、ワインなんて」
ブランデー以外口にする所を見た事がない俺は驚いて言う。
「たまには、ね。それより今日この後お暇はありませんか?」
いきなりの『伯爵』の誘いに戸惑った。
「実はあなたにお見せしたい物がありまして。是非家に来て下さい」
素性の分からない男に家に来てくれと言われても困るが、『伯爵』の誘いは断れなかった。
この不思議な男がどんな所に住んでいるのか、興味があるのだ。
「見せたい物って?」
全く検討のつかない俺に『伯爵』は、
「私が作り上げた玩具をお見せしましょう」
また不思議な言葉で俺を悩ませる。
そこへ客を迎えに行ったマスターが帰ってきた。
『伯爵』はカウンターに一万円を置きスツールから立ち上がり、マスターに話かける。
「私の玩具を彼に見せるので今日は帰ります。ワイン、美味しかったです」
「特別なワインですからね。…『伯爵』の作る玩具は素晴らしいですよ」
マスターは俺に話し掛け、微笑んだ。
「さぁ、行きましょう」
『伯爵』から背中を押される感じで店を後にした。


「あの、これって…人間ですよね?」
俺は目の前の青年の姿に目を奪われながら、玩具とはどういう事だろうと考えた。
「"元人間だった"と言う方が正しいですね。今は言葉も話しませんし、ただの性玩具ですよ」
『伯爵』は淡々と答え、磔にされている青年の前に立ち、優しく頬を撫でる。
「よしよし、良い子で待ってたみたいだな」
青年は『伯爵』の言葉に嬉しそうに頷き、潤んだ目で『伯爵』だけを見ていた。
俺はこの青年が『伯爵』のSMプレイの奴隷なのかと思った。
「なんで俺を招待したんですか?」
磔台から青年を外す作業をする『伯爵』に尋ねた。
この青年が見せたい物だとは分かったが、『伯爵』が俺を家に呼んだ意図が分からなかった。
青年を床に転がすと『伯爵』は低い声で青年に命令した。
「四つん這いになりなさい」
青年は素直に従い、その体勢を取る。
乳首から垂れた分銅と、陰茎から生やしたガラス棒と、肛門に埋められた二本のバイブが痛々しい。
しかし青年の顔には興奮の色が表れていた。

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あきゅろす。
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