小説置場 12 暫らく放心状態の僕に、 「…合格だ。月に一度、会わせてやる。」 そう告げ、イアンは水浴び場へと去って行った。 横たわる僕の秘孔からトロリと白濁した液が流れ出、自分の痴態を思い出し、驚愕した。 僕の体、どうなっちゃったんだろう… 憎むべき相手に犯されているのに、イアンから与えられる快楽を受けとめて、さらに歓喜するなんて… 確実にイアンに作り替えられた浅ましい体にゾッとした。 一ヵ月が過ぎ、何日か前から急に城が慌ただしくなった。 なにやら人がバタバタとしている気配が城中を漂っていた。 イアンが何日か姿を現さない時が幾度となくあり、一昨日から部屋に帰って来ないので不安になる。 昼食を運んで来たジゼルに、 「何かあったんですか?」 と聞いてみた。 ジゼルは困った顔をしていたが、実は…と話してくれた。 「リューシェ様達を処刑しなかった事で、イアン様が他の一部の国々から非難を浴びていまして。その為に外交などが上手くいってないんです。それでイアン様自ら奔走為されてて…」 僕はビックリした。 「僕達のせいで…」 落ち込む僕を見てジゼルは、 「イアン様の考えがあってそう為さったのですから、リューシェ様が気に病む事はありません」 励ましと取れる事を言ってくれた。 「ありがとう。…イアン様は元気なんですか?」 イアンの心配をする僕を見て、 「はい、イアン様なら元気ですよ。…イアン様が居ないと寂しいのですか?」 からかうように言う。 「さっ、寂しくなんか、ないですっ!」 顔を真っ赤にして、激しくジゼルに反論した。 「多分、今日の夜はこちらに戻られる筈です。さっ、早く冷めないうちに召し上がって下さい」 ジゼルの言う通り、夜遅くイアンが現われた。 僕は起きてイアンが帰って来るのを待っていた。 疲れた様子で長椅子に座ったイアンは、手招きして僕を呼んだ。 イアンの前の床にペタンと裸のまま座り込む。 そしてイアンは無言で僕の髪を撫でる。 「あの、イアン様…」 「なんだ?」 昼間ジゼルに聞いた事を、思い切ってイアンに聞いてみた。 「僕達を処刑しなかったせいで国が…」 「…ジゼルが喋ったな」 眉を寄せて苦々しい顔になる。 「いえ私が、ジゼルさんに無理矢理聞いたんです。最近お城の中が慌ただしく感じたので…」 「…そうか」 髪を撫でていた手が下りて頬を撫でた。 その優しい仕草が気持ち良くて… [前へ][次へ] [戻る] |