小説置場 6 咄嗟に雪は指から逃れようと体を捻るが、次の一声で阻止させられる。 「足を閉じるな。開いたままで腰を突き出していろ」 「……ッ、はぅ…っ」 無情な命令に雪は従うしかなかった。 逃げようとする体を無理矢理開き、M字開脚の姿勢を取り続けた。 緊張と羞恥と畏怖で縮こまっている陰茎を、指先が何度もなぞっている。 「…くぅ…、ふぁっ…」 黒目がちの大きな目を伏せた睫毛は震え、下唇を噛んで堪え忍ぶ雪の姿は扇情的で、須藤は内心ほくそ笑んだ。 気紛れで買ってしまったが充分楽しめそうだ、と。 「あ…ぁ、ふっ…ん」 与えられる未知の刺激に全身をビクつかせながら、雪は自然と声を洩らしていた。 体の奥底から沸き上がってくる形容しがたい不思議な感覚が、雪を襲いつつあった。 初めて体験する、他人からの愛撫の快感だった。 「早いな。見てみろ、勃ってきた」 「…え…?…やっ…」 その須藤の言葉に、思わず雪は自分の股間に目を向け驚愕した。 ただ指でなぞられただけなのに、陰茎は形を変えていた。 薄い陰毛の生える中心にある小ぶりのそれは勃起し、天を向いている。 しかも先端の窪みには先走りの液体が滲みでていた。 「なぞっただけでこんなに勃てるとは。コレ、使い込んでないだろう?」 初々しい反応を示す陰茎をからかうように、須藤が指で弾く。 「ひっ…あぁっ!」 雪は思わず悲鳴をあげ、仰け反った。 内股が引きつり、ブルブルと震える。 痛いというよりも、電流が流れるようなビリビリとした疼きが、腰から全身へ走り抜けた。 陰茎の先端からトロリと透明な蜜が零れ落ちる。 「ふ、あっ…あ…ぁっ」 抑えきれない雪の声が段々と高く大きくなっていく。 先走りは止まる事を知らず、後から後から溢れるばかりで、雪を辱めた。 扱いたり擦ったりしていないのに、流れ出る先走りが止まらない。 下半身から立ち上ってくる熱の火照りが、全身を痺れさせた。 ただ須藤の蔑むような鋭い視線となぞる指先だけが、雪の陰茎を凌辱していた。 「い…や…っ、なんで…っ」 雪は自分の状態が信じられなかった。 どちらかというと淡泊な性質で、自慰さえあまりしなかった。 それが同性相手に股間を曝け出して、ただ指先でなぞられているだけでこんなになってしまう事が信じられない。 「本当のお前を曝け出せ」 そう呟いた須藤の目が細められた。 「あっ…、ああーっ…!」 須藤の指先が濡れてヒクつく尿道口を数回擦ると、雪は悲鳴をあげながら大きく跳ねた。 [前へ][次へ] [戻る] |