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現世乱武小説
 孟徳社長の陰謀3(三國)


あらすじ。


夏侯惇が曹操に命じられたことはライバル店の看板娘である大喬、小喬の誘拐。
しかしそれは歴とした犯罪行為。踏み切れずにほかの打開策を模索する夏侯惇の前に現れたのは彼の従兄弟にあたる夏侯淵だった。
夏侯惇は夏侯淵に助言を受け、早速曹操に話を持ちかけることにするが…


惇「孟徳、少しいいか」

操「夏侯惇か。入れ」

惇「…孟徳、やはり俺は二喬の誘拐には反対だ」

操「ふむ…。確かに己の年齢や分相応の域を自覚するということは素晴らしきこと。しかし夏侯惇よ、それを理由に卑屈になることはない」

惇「あ、ああいや違うんだ。…いやまあそれもなくはないがそうではなくて、」

操「自信を持て。おぬしは実年齢より若く見られることこそ少ないだろうが、それを補うだけのカラダがある。…まあ、小娘にその良さが判るかどうかが怪しくはあるが…」

惇「っ…そうではない!!俺の体がいくつから受け入れられるかなぞ知りたくもないわっ!」

操「む?なんだそうなのか…」

惇「そ、そんなにがっかりするところか!…とにかく聞け。俺が反対するのは万が一があったときお前に迷惑がかかるからだ」

操「……」

惇「もし俺が失敗して捕まったなどとあっては、スーパーモートクの評判は急落するだろう。お前ならどうにか切り抜けるだろうが、迷惑をかけることに変わりは……っておい、聞いてるのか孟徳」

操「……」

惇「…お前な、いつまでも拗ねているんじゃない……ん?なんだ急に立ち上がって……、って孟徳!俺の背に『の』の字を書くな!」

操「騒がしい奴め…少しくらい背を借りたとてよいではないか。まあよい、して、二喬を引き込むことに反対となるとどうするのだ。おぬしのことよ、何か代案を持ってきてくれたのであろう?」

惇「ああ。二喬を奪うのではなく、こちらも二喬に対抗し得るマスコットのような存在を使ってみるのはどうだ?」

操「…ほう?」

惇「元々ソンゴーなんぞよりうちのほうが信頼性や知名度は高い。向こうと手札を合わせれば、中身が伴っているこちらが劣ることなど有り得ないはずだ」

操「…ふむ。道理だな」

惇「まあ、淵からの受け売りだがな。問題はマスコットを何にするかだ」

操「ソンゴーが娘だからといってこちらも人に拘ることはない」

惇「そうだな……寧ろ違うほうがいいんじゃないか? 人はいずれ替えなくてはならん」

操「ふ…さすがは夏侯惇、我が社の専務よ。おぬしの言うとおり、我らのマスコットは民に深く根付かせねばならぬ。これより先も皆に一目でわかるようにな」

惇「スーパーモートクらしいマスコットとなると…どんなキャラクターだ? やはりヒゲは外せないか…?」

操「……夏侯惇。おぬしはマスコットの容姿など考えずともよい」

惇「そういうわけにもいかんだろう。俺の案だ、最後までやらねば下の者にも示しがつかん」

操「適材適所というであろう。おぬしにはおぬしにしかできぬことがある」

惇「俺にしかできないことだと…? なんだそれは」

操「二喬の件よ」

惇「だからそれは…」

操「判っておる。頼みたいことは誘拐ではない」

惇「? …じゃあなんだ」

操「ふ……簡単なことよ。二喬の処女を奪うのだいでででででっ」

惇「お前の脳内はそればっかりだな!誘拐と大差ないぞっ」

操「…だからといって頬をつねることもなかろうっ。もう少し可愛げのある照れ隠しをせんか!」

惇「一度頭から脳みそ出してみろ。俺が洗ってやる」

操「おぬしは気にならぬのか? いくつの娘から可能か」

惇「まったく気にならんな。そもそも二喬どもとは20近く離れているのだ、有り得んだろう」

操「今の時代年の差などさしたる問題ではあるまい」

惇「世間体の話ではなくてだな…」

操「ふふふ…わしが煩わしいか、夏侯惇よ。眉間のしわがすごいぞ」

惇「…そう思うなら勘弁してくれ」

操「ならば黙らせてみるがいい。まあ、おぬしがわしに口で勝てるとは……んんっ!?」

惇「…よし、黙ったな」

操「……」

惇「? …なんだ、今のは唇で、という意味ではなかったのか」

操「……」

惇「あ、おい孟徳っ…どこに行く!おい!」

操「っ来るでない!」

惇「うわっ!く、靴を投げるな!」

操 「うるさい寄るなっ」

惇「危ないだろーがっ、履け!…っだから投げるな!コラ!孟徳!」




その日、裸足で逃げ回る曹操と、靴を片手に追いかける夏侯惇という絵が、社内の至る所で目撃されたという…



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あとがき。

普段は色事に関しては一枚も二枚も上手なそそ様も、不意打ちのフレンチキスには乙女モード発動なのです(*´艸`*)
次回は遂にライバル店、ソンゴーの面々が登場…!
…予定は未定v笑

お付き合いいただきありがとうございました!


fin.



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