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現世乱武小説
 孟徳社長の陰謀2(三國)


あらすじ。


近頃力を付けてきたウキウキマート・ソンゴー。
かの店がライバルと化す前にと、スーパーモートクの社長たる曹操は夏侯惇にソンゴーの看板娘である大喬、小喬を攫うよう指示した。
彼の力になりたいと願いつつも頼まれたことはただの誘拐という犯罪行為。
どうしたものかと途方に暮れる夏侯惇のもとに、ちょうど常務である夏侯淵が訪ねてきた。


淵「よっ、惇兄!……なんかすげー顔してるぜ?大丈夫か?」

惇「……ああ、淵か。なに、また孟徳がしょうのないことを企んでいてな」

淵「あー…いつもぶっ飛んでるもんなぁ、社長の思い付きって。今回はどんな感じなんだ?」

惇「……」

淵「惇兄?」

惇「…淵、お前は若い娘を無理やり連れてくることをどう思う」

淵「はあっ?……いやいやいや、どうも何も…それってつまり誘拐ってことだろ?やっちゃいけないだろー……って、まさかそれ…」

惇「…そのまさかだ。あいつ、何を血迷ったかソンゴーの二喬を俺に誘拐しろと言ってきた」

淵「そりゃまた……社長らしいな」

惇「とち狂っているのは常のことだが…」

淵「んー……あ、代わりに別の女の子連れてくるってのはどうだ?」

惇「普通に考えてバレるだろうが」

淵「確かにそっくりさんってワケにはいかねぇだろーけど、似てる感じの子なら探せばいるんじゃねえか?」

惇「…本気で言ってるのか。CMにも出てるような娘を二人だぞ?」

淵「なんとかなるって!俺に任せとけよ、惇兄!」

惇「あ、おいこらっ、淵!」



いつだって夏侯惇の力になりたいと思っている夏侯淵は、苦しんでいる彼を見捨てることはできなかった。
しかしだからといって曹操に代案を上奏する知恵もない。
夏侯淵は、自分にできることを必死に探した。


そして暫くして、夏侯淵は従兄のもとへ帰ってきた。


惇「淵…!いったいどこまで行っていた、心配したぞ!……ん、おい淵、まさかその娘たちは…」

淵「あー…あはは、なんっつーか…なかなか似てる子っていねーもんだなぁ」

惇「…………。おい娘、お前歳はいくつだ」

娘1「あたし十歳!」

娘2「あの…私十三歳です」

惇「……」

淵「ふ、雰囲気は似てるだろっ?」

惇「…二喬は確かに童顔だがな、だからといってこんな幼い子供を連れてきたら冗談ではなく本当に誘拐犯になるぞ」

淵「んー、それもそうかぁ…。でもよ、そしたらやっぱり本物か?…俺、惇兄が誘拐事件の犯人で捕まるなんて嫌だぜ?」

惇「そんなもの俺だって嫌だ。それにスーパーモートクの上役が逮捕なんてことになってみろ。評判は地に落ちるぞ…」

淵「つってもそれで聞く社長でもねえしなぁ…。なんかウチもマスコット出せばいいんじゃねえか?」

惇「……マスコットか。まあ確かに人にこだわる必要もあるまい。……そうだな、孟徳に少し話してみよう。感謝するぞ淵!」

淵「いやいや惇兄のためならお安いご用ってな!」

惇「ふ……よく言うわ。その娘たちは帰してやれ。親も心配しているだろう」

淵「おう!いいかー嬢ちゃんたち、家帰ってもおじちゃんたちに会ったことはママに内緒だ。おじちゃんたちとの約束だぞ」

娘1「うんっ、約束する!」

娘2「わ、わかりました。約束です!」

淵「よーしいい子だ!んじゃ帰るか!」

惇「…お前子供の扱い上手いな」

娘1「あたし子供じゃないもん!」

惇「そ、そうか。すまん」

淵「ははっ、さすがの惇兄も嬢ちゃんには勝てねえってよ。嬢ちゃんは強いなあ」

娘1「えへへー。あたしおじちゃんより強いー!」

惇「……」

淵「そんじゃ惇兄、こっちは俺がなんとかするから社長のほう頼んだぜっ」

娘1「ばいばーい」

惇「あ、ああ……バ、バイバイ…」




夏侯淵と二人の女の子の背を見送る夏侯惇は、慣れない台詞にぷるぷると一人赤面していた。


続く。

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あきゅろす。
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