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現世乱武小説
帰って早々(左三)


靴を脱いですぐ。
寝室でもない廊下で、左近にふわりと後ろからおもむろに抱きしめられた。

前にまわされた手にボタンを外され、するりと肩から落ちるワイシャツを目で追うが手首あたりに袖が纏わり付いて下には落ちなかった。
くるりと身体を反転させられ、俯いた顔を左近に持ち上げられて唇を塞がれる。
安心感をもたらしてくれる優しい口付けに身体の力がふっと抜けていくと、啄むような細かい口付けに変わった。


「ん、んぅ…」


苦しいわけでもないのに鼻から甘えた声が零れる。
これからされることへの期待と羞恥が鼓動を激しく急き立て、熱くなる身体を持て余し自然と息も荒くなってしまう。


ぐっと背中にまわされた手が力を持ち、互いの胸がくっつくほどに引き寄せられた。

心臓の音が伝わってしまいそうで身体を離そうとするが、歯列を割って侵入してきた舌に口内を荒らされるとそんな抵抗も出来なくなる。


「待っ……さこ、…ふ、」


角度を変えて深く口付けられ、舌を搦め捕られて付け根を擦られたりするうちに、禁欲を強いていた身体に火がついてしまった。
じわじわと下半身に流れ込む疼きに抗おうと試みるが、こちらの制止に聞く耳を持たない左近は俺の舌を強く吸い上げると手を下降させる。


「んぁっ…」


制服の上から自身を揉み込まれ、電流のような快感に軽く身を震わせた。


「…キスだけで感じてくれたんですか?それとも…先のことを考えて一人で興奮してました?」


勃ち上がった自身の輪郭に指を這わされ、かっと恥ずかしさに頭が熱くなる。

きゅっと唇を噛み締めるこちらの様子に左近は意地の悪い笑みを浮かべ、手際よくベルトを外し制服もずり下げられた。


「て、適度に抜いておけ…。ムードも何もない廊下で盛りおって」

「すみません、しかし他人の家に泊まり込んでるあいだ抜くのはちょっと…」


臆面なく言って苦笑する相手の様子になんとなく納得してしまい言い返せずにいると、不意に体重をかけられてよろけ、背中が壁にあたった。
体勢を立て直そうとするが、逃げ道を塞ぐように壁に手を突かれてしまい身動きとれない。

急に襲われているような感覚に捉われ、それを悟られないよう強気な姿勢で長身をきっと睨んだとき。


左近の膝が、無遠慮に下着越しの俺の熱芯を潰すようにして押し当てられた。


「ひ、ァ…っ」


思わず出てしまう嬌声を殺し、首筋に擦り寄ってきた左近の鼻先からなんとか顔を背ける。


「…熱くなってますね、三成さんの。痛いのはお好きですか?」


そう訊ねるなり、答を待たずにぐりっと膝を強く股間に捩込まれた。


「ああぁっ、やっ…つよッ…!」


電気でも流されたような快感に堪らず左近のシャツに縋りながら膝が崩れないよう持ちこたえていると、小さく笑うような息遣いが耳を擽った。


「…こんなに震えて。聞こえます?やらしい音だ……濡れてますよ」

「ッ…だ、めっ…!動か、さなっ……んやぁっ」


痛いくらい膝で揉み込まれ、ぐちゅぐちゅと下着の中から零れる音。
ちゃんと触ってもらえていないというのに、俺の自身は既に射精の臨界点に到達しようとしている。

普段は甘く優しく己を抱く左近が、乱暴に目茶苦茶に攻め立ててくる。
屹立した自身が 壁と左近の膝のあいだで揉みくちゃにされ、びくびくと脈打つはしたなさに情けなくなり泣きそうになっていると、熱の篭った声で左近がとんでもないことを提案してきた。


「…三成さん、俺の膝だけで一回イってください」

「なっ、何言って…!」


抗議の声も虚しく、容赦なく円を描くように動く膝によって下着には先走りのしみが広がっていく。
動きが大きくなり嚢丸まで一緒くたに揉みしだかれ、喉が震えて引っ掛かった呼気が出てしまう。


「はぁっ…やぅ んッ」

「ほら、頑張ってください三成さん」

「や、やだ…さこんっ、ぅ…はぁア!……さ、触って…」


にちゃにちゃと粘性な音が耳に障る。
これ以上は耐えられないと頭を相手の肩に預けて懇願するが、左近は頷いてはくれなかった。
それどころか、より笑みを深くして膝の動きを止めてしまう。


「達きたいですか…?」


獰猛な光を称えた瞳に顔を覗き込まれ、一瞬恐怖を感じ逡巡したが小さく首肯を返した。
途端、左近がにやりと笑う。


「でしたら、ご自分でどうぞ」

「ッ!」

「…場所、変えましょっか」


二度目のとんでもない発言に、俺は絶句するだけだった。


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あきゅろす。
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