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現世乱武小説
●危惧を払拭するは・参


授業で使う資料や資材が保管されている資料室は、本来あまり活用されるものではない。
だからといって誰も来ないなんて保証はなく、しかも厄介なことに来るとしたら教師か教師に信頼されている真面目な優等生。
運悪くそういった面々に目撃される可能性は十二分にあり、小十郎とてそれは重々承知しているはずなのに。


「あ、ァ…かたく、らさっ……はぁ、抜い てっ…!」


壁に肩をつけて側頭部を預け、震える膝を叱咤して緩く腰を折り背後に立つ小十郎に尻を向けるような羞恥を煽る姿勢で、佐助は穿いていたものをずり下げられていた。

熱の篭った切羽詰まった吐息を冷たいコンクリートの壁にぶつけつつ、未だ振動を続けるローターに耐え兼ねて無意識に手は解放を求めて自身に伸びる。
が、手首を力強い大きな手に掴まれた。
普段は頭を撫でてくれる大好きな手がこのときばかりは疎ましい。


「勝手に楽になるんじゃねぇ。もっと腰くねらせて泣いて…こいつを味わいな」

「ッ…!」


冷酷に鼓膜を震わせる声に続き、ローターの動きに変化が起きた。
振幅が増え、おまけとばかりにローター本体が螺旋状に回転をはじめたのだ。


「ひぅあっ…!ゃ、だ…あぁう!」


過度な刺激に唾液を飲み込む暇がない。

ローターに暴かれて蹂躙され、それを小十郎に見られているという状況だけで気が振れそうだ。

切れ切れに抜いてと懇願するも、小十郎に願いを聞き入れる気配はない。


「はあッ ぅ、も……ぁ、やめ…」


もはや自身は透明な涙を先端から流しながら痙攣を起こしており、僅かな刺激だけでも達せるほどまで追い詰められていた。
口は閉じることを忘れ、壁に爪を立ててひたすら秘所に施される横暴な悪戯から逃げようとする。

弱々しく譫言のように言いながら涙の筋を頬に刻み、背をしなやかに波打たせる姿は小十郎の目にはどこまでも淫靡に映る。


おもむろに小十郎は空いていたほうの手で佐助の尻を撫でた。


「ひぃうっ!」

「尻触られて感じてんのか?」

「ち、が…ッ」

「…何が違う?こんなもんで鳴きやがって……お前の中、ぐちゃぐちゃにしたら壊れちまうかもな」


尻肉を揉みしだかれただけで声を上げたことに間接的に羞恥を感じ、悔しげに唇を噛んだとき。
小十郎の指がいきなり尻を割って後孔に侵入してきたと思ったらそのままローターを捉え、前触れなくそれを引き抜かれた。


「いあぁあッ!」

「奥ばかりで…この辺は足りねぇだろ」


落ち着いた低い声で囁かれると、ローターの中でも振動が大きい先端部を入口の浅い縁の側面に押し付けられる。
内側が溶けていくような感覚と、それを震わせて弛緩させられる感覚が相俟って悦楽に飲み込まれていく。


「ゃ…あ、…はあっ、やらぁ…ぁあうッ」

「……いい顔だ」


切なげに眉を潜めてぽろぽろと涙を流し、開きっぱなしになった口からは赤い色付いた舌が覗く。
快感に追い詰められた表情に小十郎は目を細め、褒美だと短く言うとローターを引き抜き、自らの前を寛げると佐助の熟れた後孔に雄を突き込んだ。


「――ッ、ぁ…は、ぅ」


極度の圧迫感に呼吸もままならず、唾液がつ…と顎を伝うことにも気が回らない。

しかし、粘性の音がして小十郎が緩やかに腰を扱いだすと、佐助の身体も思い出したようにびくびくと悸き一気に酸素を求めだす。


「こんなに乱れるお前は初めてだ…。一時間よく耐えたな」

「はぁっ、代わりに…おしえてッ……よね、…んっ」

「……あ?教える?」


抽送が次第に激しくなる中なんとか言葉を紡ぐと、小十郎は心当たりがないといった顔で訊き返してきた。
しかしすぐにああと思い出したようにぼやき、佐助からはどんな表情なのか見えないが小さく笑った気配がした。

ローターとは違う、全体を持っていかれるかと錯覚するほどの大きすぎる摩擦にはしたない声がとまらない。

さらにまったく触れられていなかった雄に、不意に振動を続けるローターの先端が当てられた。


「んああぁっ!ゃ、あ…ひぅっ」


予期していなかった刺激に膝が立たなくなる。


「…両方がいいのか。……っは、欲張り…だなっ」


なじるように嗤って小十郎はローターと佐助の自身の先を突き合わせ、後ろに逃げられないよう一層深く熱を中に穿つ。
軽く意識を飛ばしつつ脳裏が焼き切れる快感にタガが外れたかと思うほど鳴き、佐助が尚も震えて旋回するローターに白濁を叩き付けると締め付けながら蠢く内壁に誘われて小十郎も欲を放った。


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