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現世乱武小説
 危惧を払拭するは・弐


ああ…やばい。

弥が上にも降り積もる快感に従順に反応を示す己の雄。
なりふり構わず思いきりしごいて発散させてしまいたい。


「ぁ、…ふっ」


肉壁を微かに振動させられ、出っ張った無数のいぼが時折敏感な部位を掠める。

授業中であろうと、抜け出すことはいつだって出来る。
それは皆の視線を一手に浴び、異変に気付かれる可能性は高くなるがそのままトイレに行けばすぐに楽になれる。

しかしそうなると交換条件は成立しない。
一時間耐え切らなければ、小十郎がこちらの代わりとしている人物の存在は闇に葬られてしまう。

男か。女か。

それすら判らないが、捨て置く気などさらさらない。
俺があの人のものであると同時に、あの人も俺様のものだ。


黒板にチョークが当たる音と、説明する小十郎の声、それに周りがノートをとる小さな雑音。
それらに紛れて、佐助は右手にシャーペンを握り込み左手で懸命に腿に爪を立てて上がる息を抑えていた。
痛みで快感を忘れようとするが、そうすればするほど胎内の凶暴な異物をまざまざと感じる。


生殺しってこういうことかな、などと内心で呟いたりしてみるが、頭の中は危険信号が瞬くばかりで。ともすれば意識を手放してしまいそうになる。

屹立する雄を乱暴に扱いたい欲を捩伏せて、机の上の木目を無心で睨み付けた。








長すぎる時間もいずれは過ぎる。
繁雑になって朦朧とする頭に、不意に終業のチャイムが響いた。


終わった…!
薄れかけていた意識が覚醒し、がばりと顔を上げる。

「っふ、…ァ」

途端、微振動を続けていたローターが動いてしまい刺激されるヵ所が僅かにずれ、堪えに堪えていた声が漏れてしまう。
が、幸いなことに号令と被り、周囲にばれるという最悪の事態は免れた。

ひやりと嫌な汗が背中を伝う。
授業が終了し、各々席を立つ生徒たち。
ああ、そういえば次の授業はこの教室じゃないんだっけ。
そのあいだを縫うように小十郎が歩み寄ってきた。


「猿飛。お前は資料の片付けを手伝え」


片付けの手伝い。
聞こえはいいが、その実何をされるか(…否、この状態じゃ何をしてもらえるか、だ)なんて明白だ。

その行為を期待してか、息が詰まるような熱が上乗せされていく。
とにかくこの苦しさをどうにかしてほしくて、唇を引き結んだままこくりと首を縦に下ろした。

その様子に小十郎は佐助の顔の横に口を寄せ、他の生徒に聞こえないよう低く立てるか、と訊ねる。

そんなことを訊くくらいならまずローターの振動を止めろと喚き散らしたいところだが、自ら皆に暴露するような真似は出来ない。
だからといって立てないと答えたら担がれたりされる己が容易に想像出来てしまい、歯を食いしばりながら再び首肯を返す。


一見して小十郎と何やら密談しているように見える佐助に好奇の視線を投げつつも、生徒たちは少ない移動時間を無駄にしないようにと掃けていった。


「…行くぞ」

「くっ ぅ…!」


それを見計らってか、腕を掴まれ立つように上に引かれる。
それだけの衝撃にもローターは暴れて不安定に蠢き、慌ててきゅうと締め付けて動きを制限させようとしたことが仇となった。
収縮した内部のおかげでローターが更に奥に潜り込んでしまった。


「ぁ、はっ……ん、」


びくんと大きく跳ねると、小十郎の手が反動で離れた。
教室には既に自分たち以外おらず、堪らず佐助は己の両腕を抱き込んだ。


熱い、熱い、熱い…

身体がおかしくなりそうだ。


小刻みに震えながら浅い呼吸を繰り返す佐助の背に、そっと骨張った手が添えられた。
直後、急な浮遊感に襲われ、気がついたら米俵か何かのように小十郎の肩に担がれていた。


「ひっあ!ゃ…だっ、下ろし…!」

「黙ってろ。落とすぞ」


だって…だって…!
小十郎が気付いていないはずがない。
佐助の張り詰めた熱が身体に当たっているということに。

小十郎が歩きだすと、やはり自身が擦られる甘い毒のような感覚が下半身を支配する。
下手をしたら達してしまう。

膝を曲げて相手の身体に突き、極力自身が接触しないように必死になって広い背中にしがみついた。


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あきゅろす。
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