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現世乱武小説
●ケダモノの起こし方・伍


珍しく小十郎から学校に呼んでくれた。
滅多なことでは向こうから連絡なんてこないのに、今日の昼に着信があったのを見て、既に深い関係でありながら片思いでもしているみたいにすごく嬉しくて。


一緒にいるだけでもほっとできる。
話せば自然と時間が過ぎる。
笑顔なんて何日かに一遍くらいしか見れないけど、そのときは心が温かくなる。


それだけ大好きだから、辛そうな顔なんてみたくなかった。
俺が何かやってそれが解消できるなら、いくらでもするから。

だから…

あんたが今、俺を目茶苦茶にしたいなら。


「んゃっ…かた、くっ…ああっ」

「っ、猿飛…」


片膝を肩に担がれ、がつがつと注挿が繰り返される。

意思に関係なく勝手に悸く身体がもどかしい。
けれど、その度に下腹部に力が入り、小十郎が浅く息を詰める。


誤って落ちたりしないようにと支えられる腰。
小十郎が触れる場所だけ感覚がない。

「っあ…ゃ、……もうっ…」

自然と声が高くなる。
背をしならせて小十郎の頭を引き寄せ、断続的に押し寄せてくる膨大な快楽に耐え続けていたが、頭に白い火花が散りだし、意識もぼんやりとしてきた。


片倉さんがイくまでは耐えられないかな…


腹の底から焼けるような熱さを伴って沸き上がる甘い刺激と、身体の表層を撫で走る電流のような痺れ。
胸に小十郎の頭を抱いているのを相乗すれば、もう止められるはずがなかった。

「ぅ、あ、……っぁあ!」

どくりと白濁が押し出される。
抑えつけていたぶん一気にではなく、脈打つたびに。

「く、…ッ」

数回に渡る強い締め付けに小十郎も呻いて精を放った。

熱いものが一斉に胎内に叩き付けられる感覚に眩暈を覚えつつ、意識を手放すまいとできる限り自分で息を整える。


こちらの腕の間から頭を抜き、そのまま上体をずり上げて小十郎が唇を重ねてきた。

「…ん、…っは」

苦しくならないようにと気遣ってくれているのか、深く舌を入れてきたりはしない。


「……公共物汚しちまったじゃねえか」

「……今更…はぁ、そんなこと言う?」


小十郎は中に出したからいいとして、佐助は机やら床やらを汚してしまった。


「大体さぁ、普通その公共物の上に生徒押し倒さなくない?」

「…押し倒しちゃいねぇよ」

「えーーー?俺様好きでこんなとこ寝ない……てかこれ取ってよ」


ベルトでひとまとめにされた両手を、寝転がった状態のまま小十郎に突き出す。
革製とはいえ硬度はそこそこ。口にはしなかったが、少しよじると皮膚に食い込むのだ。


「ああ、今までと違ったか?」


かちゃかちゃと金属部を外しながら訊ねてくる小十郎の声はどことなく楽しそうだ。


「…別にいつもと一緒だったけど?」


い、言えない!
襲われてるような感じがするなんて絶対言えない!!

素っ気なく切り返し、逆に先生はと訊き返してやった。

同じように、たとえ何か思うところがあってもシラを切りとおすだろうと踏んでいたのだが…


「お前を無理矢理犯してるみてぇだったな」

「なっ…!!」


言ったよこの人!
つーか……ふぅん、やっぱり似たようなこと思うんだ…

……じゃなくて!
普通そんなこと言葉に出して言うっ?


「……。赤くなっちまってんな」

「え?あ、あぁ…そのうち消えるでしょ」


一瞬顔が、という意味かと思ったが違うらしい。
ベルトの痕が赤みを帯びている。
しかし切れているわけでもなし、風呂で滲みなければそれでいい。


「それより制服っ!」

「制服?全裸で来たんじゃなかったか?」

「今…今後ろ隠した!俺様の制服隠した!」


極自然な動作で放られた制服を拾い、身体の後ろに手をまわす小十郎を横になったままビシッと指差したとき。


「わ…」「あ」


ぐらりと支えがなくなり、視界が反転して肩から床に落ちた。


「っ〜!!」

「…ほぅ、一言も漏らさねぇとはたいした根性だ」


出さないのではなく出せないのです。
もっといえば呼吸も今は困難です。


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あきゅろす。
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