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現世乱武小説
●素直なのはどっち?(左三)


三成の気持ちを汲み取ってくれたかは定かでないが、顔を反らしても左近はさして気にした風もなく三成のシャツの前をくつろげた。


「三成さんがプールなんかに入らなくてよかった」

「?……お前には…かんけ、ない…だろう」


直に脇腹を撫でられると、それだけで無意識に身体が反応して手から距離をとろうと僅かにずれる。

しかし左近にはそんな些細な行動は愉しむ対象でしかない。
逃げられないよう両脇を手の平で包み込み、オイルでも塗るような手つきで薄い胸まで這い上がってきた。


「こんな綺麗な白い肌…焼けてほしくないですからね」

「よく真顔でそういうことが…んっ」


指の腹で胸の突起をゆるゆると擦られ、三成は眉を寄せた。

次第にその突起は固さを増し、ぷっくりと主張する頃には僅かな刺激すら電流に感じるほどになった。


胸を愛撫されただけで声など出したくない。

手の甲を口にあてがい、浅く呼吸を繰り返してびりびりと痛いほどの甘い痺れをやり過ごす。

しかし、指のあいだに突起を挟まれ、くりくりと転がされると堪らず背が反り返った。


「ひぅっ、…くっ」

「辛そうですねぇ」


落ち着いたトーンで言われると、なんだか自分だけが乱れてひどく淫靡な性質だと思い知らされる。

事実、触れられてもいないのに下肢の熱はきつそうに制服を押し上げていた。


「胸だけでこの有様……ひょっとして三成さん、こういうの好きなんですか?」

「っ……さわるなっ」


三成の目を真っ向から見つめながらにやりと笑い、左近は手探りで三成の熱に指を添えた。

軽く、ただ触れただけ。
それだけなのに布越しに熱がぴくっと揺れる。


「こっちは触ってほしいみたいですけど…?どっちが嘘をついてるか、試してみましょうか」

「何を……ぅ、わっ」


言うが早いか、左近の手がベルトにかけられるとあっという間に下着ごと脱がされた。
かろうじて足に引っ掛かる衣服をずり上げようと慌てて身体を起こすが、脇の下に手を入れられて軽々と持ち上げられてしまい難無く阻止される。

下ろされたのは、あぐらをかいた左近の膝の上。

もちろん足のやり場は左近の両側しかないわけで、否応なしに開くことになる。


左近と向かい合うように座ることになり、一糸纏わぬ三成の雄を左近が目を細めて捉えた。


「へぇ…随分元気ですね」

「っ…ふん、お前もだろう」


嘲るように笑い、三成も対抗して左近の未だ解放されず苦しそうな雄を見遣る。

言い返してやったつもりだったが、抱きしめられて至近距離で囁かれた。


「そりゃあ、左近は早く三成さんを食べたくて仕方ないんで」


熱っぽい声に背筋に戦慄が走る。
犯す気満々だとここまで自慢げに表現する奴は、日本中にきっと片手で数えられるくらいしかいない。…と思いたい。


そんなことに思考を巡らせているうちに、左近の右手が背を滑って尻の狭間に侵攻してきた。
咄嗟に息を吸って腰を引くものの、自分の雄が左近に当たりそうになり、半端に近づいてしまうという惨めな結果に終わる。


そうこうしているあいだにも、左近の指は三成の後腔の表面をなんとも言えない力加減で押してくる。

「さこっ…!」

触ってほしいという素振りを見せたら三成の負けになってしまうというのに、意志とは関係なく雄は苦しげにひくりと上を向く。

加えて三成の雄を追い詰めているのは、左近の視線だった。
熱の篭った眼差しで見られると、むずむずと腰に蓄積されるものが確かにある。


蕾に指の頭を潜らせかけるが、中断して表面を擦りまわすばかり。
三成を屈させようとするためのその行為のせいで、入口付近はすっかり緩くなってしまった。


触ってほしい…
思いきり激しく扱いてほしい…
本当はこの溜まりに溜まった欲をとっとと吐き出して、中をめちゃくちゃになぶってほしかった。

「はぁっ……んっ」

そろそろと自らの雄に手を添えれば、既に先走りが零れていてぬるりとしている。

自分で軽く握っただけで太腿が跳ね、僅かに潜っていた左近の指を締め付けてしまったのが判る。


もう限界だ…


握り込んで先端へと手を動かそうとすると、その上から左近の大きな手に包まれた。

恐る恐る顔を上げると、にんまりと笑った左近と目が合う。


「やっぱり身体のほうが素直みたいですね」

「う、後ろは反則だろうっ」

「何故です?」

「くっ……バカ左近っ。さっさとやれっ」

「…お言葉に甘えて」


三成が雄から手を離すと、不敵に微笑む左近が代わりに包み込んだ。

その微笑みは、ぞっとするほど妖艶さに満ちていた。


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