ヤミトヒカリ アメ 「マリィ、僕たちは上に立つモノだ。君が人間と恋に落ちるなんて下のモノに示しがつかないし、あってはならない」 建て前だ。と思う そんなのどうでもいいのに。 ただただ、僕は君が離れていかなければそれでいいんだ。 お願い、ただ頷いて? 自分勝手な僕を許して? お願い 先程まで快晴だった空に暗雲が立ち込める。 これはどっちの力? 『リリィ…ごめんなさい』 少女は地面をじっと見つめたまま離さない。 金色の瞳を震わせながら… 暗雲が空全体に広がり、やがてポツリボツリと雨粒が落ちて来る まるで空が泣いているかのように。 ねぇ、マリィお願いだから諦めるといって? 『あたしはやっぱり彼を愛しているわ』 雨が降り注ぐ中二人の姿はだんだんと見えなくなっていった。 多分この時なんだ 僕たち 私たちの 道が違えたのは。 もう交わることはないのか? 止まっていた歯車は動き始めたのだから。 [*前へ][次へ#] [戻る] |