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その頃の


メルが眠りについている頃。


町では、事件が急展開を迎えていた。


「失礼いたします」


アスナたちは、メルが連れ去られたと思われる現場を隅々まで調査した後、王宮に戻り会議を開いていた。今までの子供たちは何処で連れ去られたのか場所も分からず、調査のしようがなかった。

しかし、今回のメルの件で犯人の手がかりが掴めるかもしれないとあって皆、いつも以上に真剣に一字一句危機漏らさないように調査結果を聞いていた。


そこへ突然、水を差すかのようにバンっと勢いよく扉を開け中に入ってきた若者への視線は鋭かった。特にアスナの視線が…。


「なんだ、会議中だぞ」

シーンとした空気の中アスナの父、アベスの声が広い部屋に響いた。


「たったったっ、大変です!」

会議部屋にいた全員の視線が向く中、怖じ気づきながらもなんとか言葉を発する。


「なにがあった」

早く言えと目で訴えるアベス

「子供が、かかかか帰ってきました!」


その言葉を聞いたアスナたちは、椅子から一斉に立ち上がった。


「詳しく話せ」


アベスが若者にそう言うと若者は事の詳細を話し出す。

若者の話はこうだった。

夜の7時位だろうか、最初に姿を消した10歳の男の子ユーリが突然自分の家に帰ってきた。


母親は今まで何処にいたのかと聞いたが、余程怖い思いをして思い出したくないのか、本当に場所が分からないのか、聞いても答えなかった。









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あきゅろす。
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