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知らない場所


メルが目を覚ますと辺りは真っ暗だった。


(……あれ?…どこ?)

辺りを見渡すが何も見えない。


(ぼくなんでここにいるの?確か…、マルくんの家に向かってて……。)

懸命にここに来る前の記憶を思い出そうとするが、ババの店を出てしばらく歩いていた事しか思い出せず、それからどうしたのかが分からなかった。


(…あれ?……んー?……だめだ、思い出せない…。どうしよう…、ここどこ…?くらいよ…。)


なぜここにいるのか考えるほど不安が募り、溢れ出す涙が堪えきれないメル。


ガチャ

暗闇に包まれていたメルのもとに一筋の光が差し込んできた。


「ああ、起きたようだな」

扉を開けて中に入ってきたのは、丸々と太り脂ぎった中年の男だった。


「おまえはもう買い手が決まっている。明日他の2人もおまえと一緒に引き渡すからな」

そう告げると扉を閉め去っていった。



(買い手…?引き渡す…?なにが…?明日…?他の2人…?な、なんのこと…?!)


メルは、メルのような少年に対して卑猥事をしようと目論む輩が世の中にはいることを知らない為、男が何をいっているのか分からなかった。

(引き渡すってことは迎えに来てくれるんだよね…?……よく分からないけど明日になったら外に出られるんだ。もう少しの辛抱だ…。でもババ心配してるよね…。どうしよう…、どうしよう…。)


膝を抱え丸くなりながら検討違いな考え事をしていたメルは、いつの間にか寝てしまった。











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あきゅろす。
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