キリリク小説。
健多くんの苦難の日々6〜キーラさまリク☆〜@
最近の鳴人は疲れてる。
顔色が悪いとか、ずっと寝てばっかりとか。
普通の疲れている人、といったらそんな姿なんだろうけど、鳴人にはそんな様子はない。
でも最近、ずっとなにかしら仕事が詰まっていたらしいのだ。
僕の勉強を見ている間もずっとなにか考え事をしていて、週末に遊びに行けば机に向かいっぱなし。
売れてナンボの世界にいる鳴人にとってそれはありがたいことなんだろうけど、正直見ているこっちが疲れてくる。
本人が顔に出さない分、余計に。
だから鳴人の仕事がとりあえず一段落する今日、僕は前から計画していたあることを実行することにした。
午後5時。
ゼミの集まりで帰りが遅くなるという鳴人より先にマンションに入り、下準備をする。
テーブルにはいつもより手間と時間をかけて作った料理。
もちろんお風呂は沸かしてあって、いつでも入れるようになっている。
今日のために買い足した鳴人の好きなお茶も用意して、僕は万全の態勢で家主の帰りを待っていた。
そして7時頃、静かに玄関が開いた。
「ただいま」
煌々と明かりのついたリビングに鳴人が入ってくる。
「おかえり」
ソファに座って鳴人が帰ってくるのを待っていた僕は、テーブルに並べられた料理に目を見張る鳴人の顔を見てかなり満足した。
「御馳走だな。なんかあったのか?」
なんだか新婚夫婦のセリフみたいで照れくさいけど・・・まあ、今日はよしとしよう。
「鳴人、やっと仕事が片付いたし。たまには豪華な食事もいいかなーなんて思って」
高校生の僕には鳴人を高級なレストランに連れて行ってやるような甲斐性はないし、鳴人も家でゆっくり食事をとるのが好きだという。
喜んで、くれるだろうか。
そんな僕の心配は、鳴人の滅多に出ないやわらかい微笑みで吹き飛んだ。
そこまで喜ばれるとちょっと照れくさいけど。
「た、たいしたことはできなかったけど!すぐ夕飯の準備するから!」
照れ隠しに急いでキッチンに向かい、鍋のスープを温めようと鳴人の横をすり抜けたとき。
「健多」
ぐ、と手首を掴まれた。
なんだろうと顔を上げたときにはもうキスされていて。
「んっ・・・」
最初はちゅ、ちゅ、と軽い啄みみたいなキスだったのが、だんだんと深く熱くなっていく。
腰に手を回され、舌を吸われるともうカラダに力が入らない。
キスだけでこんなに腰砕けになるほど自分でも甘い気持ちが溢れてるのがわかる。
でも今は。
「す、ストップ!」
首筋にまで吸いつこうとした鳴人の頭を掴んで引き剥がす。
あおずけをくらった犬のような不満そうな顔をした鳴人の方を見ないように腕を振り払って、キッチンに走った。
「ご飯たべないと冷めるから!」
いや、別にご飯たべたあとならいいとかそういうわけじゃないけど!
それでも一生懸命作ったんだし、鳴人も疲れてるんだから今日くらいはゆっくりしてもらいたい。
今この流れで黙って押し倒されたらそれこそ明日まで起きれないことになる。
なんとしてでも今日は身体を休めてもらわないと。
「ほら、さっさと座る!」
「はいはい」
渋い顔をしていた鳴人がちょっと笑って席に着く。
真っ赤になった顔がバレないように急いでスープとご飯をよそった。
パリパリの焼き目をつけた鶏肉のグリルと手作りコールスロー。
ナスのトマトソースグラタンとおかずに合わせた薄味のコンソメスープ。
デザートに小玉スイカを角切りにして皿に盛ってある。
どれも本屋で買った料理本と一時間格闘して決めたレシピだ。
意外と本を読めばけっこう本格的な料理が作れる自分に感動したりもした。
きちんと座って待っている鳴人の目の前にご飯とスープを並べると、自分も向かいの席に座った。
「・・・つまらないものですが、どうぞお召し上がりください」
「じゃあ、遠慮なく」
鳴人がフォークを手にとってコールスローを掬い口に運ぶまでをじっと見つめる。
・・・一応味見はしたけど、おいしい、だろうか。
「お前見すぎ」
笑いながらコールスローを口に入れて咀嚼した。
「・・・・・どう?」
酸っぱいものが嫌いな鳴人のために酢は入れていない。
だいたいサラダなんてどう作ってもあんまり不味くなるものじゃないのに、それでもやっぱり出来が気になってしまう。
口の中のものがなくなると、鳴人は眉間に皺を寄せた。
「マズイ」
「うそ!?」
鳴人の味付けの好みはだいたいわかってきたはずなのに。
ショック・・・・。
「嘘。ウマい」
そしてあっさりとウソ宣言。
「もう!そんな嘘つくなよ!」
どれだけ一生懸命作ったと思ってるんだ!
「ウマいって」
「・・・他のはどうか知らないけどね」
ちょっと拗ねて自分も料理に手をつける。
その後も鳴人は全部の料理をウマいって言ってくれた。
別に鳴人のために料理を作るのは初めてじゃないのに、やたらと心臓に悪い夕飯だった。
「お風呂沸いてるから入っちゃいなよ」
「ん」
食事が終って皿を片づけながら言うと、鳴人はソファの上で生返事をする。
お腹がいっぱいになって眠くなったのか、クッションを枕にして横になっていた。
いつもこうしてダラダラしているイメージはないけど、一度眠りはじめると鳴人はなかなか起きない。
このまま放っておけば軽く二時間は寝そうな気がして、慌てて立ち上がらせる。
「ほら、また風邪ひくから。倒れられても迷惑だし」
「素直に心配だからって言え」
まあ・・・本当そう、だけど。
でもそんなの恥ずかしいから絶対に言ってやらない。
あんまり甘やかしても調子に乗るからなコイツ!
とぼとぼと歩く鳴人の背中を押して脱衣所に押し込み、自分は出て行こうとするとまた腕を掴まれた。
「今日くらい一緒に入れ」
その場違いなくらい真剣な目が怖いんですけど・・・。
「嫌だ」
でもここは断固拒否。
実は鳴人と一緒にお風呂に入ったことはない。
アノ後シャワーを浴びるときも、僕は一人でカラダを洗い流していた。
もちろん恥ずかしいというのが一番だけど・・・。
「一緒に入ったら絶対なにかするだろ!今日はゆっくりしてほしいからダメ」
「ゆっくり?」
鳴人の眠そうな目が少しだけ見開かれる。
「そう。たまにはゆっくりして、心も体も癒そうっていうのが目的だから」
こんなことで鳴人の疲れがリセットされるかどうかわからないけど、僕にできることがあるなら少しでもしてあげたいと思うくらいには、僕だって鳴人のことを考えてるつもりだ。
でも鳴人は僕のそんな想いとはまた別の想いがあるらしかった。
「なら、なおさら一緒に入れよ」
「だから、」
「俺にとっての一番の癒しは、お前の可愛い泣き顔」
寝ぼけてるのか、真面目なのか。
それくらいいつもとは違う鳴人の顔に僕は戸惑って、赤面した。
バスルームから伝わる熱気じゃなくて、もっと熱いなにかで頭がクラクラしてくる。
「・・・人が泣くの見て喜ぶなんて・・・趣味悪い」
「そんなのいまさらだろ」
す、と腰に手を回され、引き寄せられる。
ドキドキとうるさい心臓の音が漏れてるんじゃないかと心配でしかたがない。
いつの間にか鳴人にこうされることに慣れてしまった。
いつの間にかこうされて喜ぶようになってしまった。
本当はすぐにでも寝かせて、疲れをとってあげたいのに。
「・・・そんなダルそうな体で、途中で倒れても知らないからな」
僕のTシャツの裾にかかる指を握りしめて言うと、鳴人が耳元で囁く。
「じゃあ・・・今日は俺が眠れなくなるくらい興奮させろよ」
出しっぱなしのシャワーの音がうるさい。
背中には冷たいタイル。胸には鳴人の熱すぎるくらいの体温。
その温度差に僕はカラダを震わせた。
お互い裸で、それでもいまさらなにも恥ずかしがる必要なんてないのに、やっぱり鳴人を直視できない。
カラダを洗いはじめて数分。
まだ湯船にも浸かってないのに、僕は案の定あっという間に襲われた。
僕のカラダは泡まみれで鳴人が肌を撫でるたびにヌルヌルと滑る。
その感触が楽しいのか、さっきから脇腹や背中をずっと指が這っていた。
思い出したみたいにときどき摘まれる胸の突起はもうすっかりピンク色に勃ちあがっていて、泡に埋もれていてもその存在をはっきりと主張している。
滑って摘みにくいのか、プルプルと鳴人の指から尖りが逃げるたびに、爪で引っ掻かれて卑猥に充血していた。
「ぁんッ・・・は、あっ、やっ・・・!」
にゅる、と濡れた耳に舌が差し入れられ、中を舐められる。
そのたびにあがる自分の喘ぎ声が何倍にも響いて耳に返ってきて、僕は羞恥に顔を染めた。
いつもよりずっと優しい鳴人の愛撫にもどかしささえ募らせる。
冷えた背中をゾクゾクとした痺れが走り、僕のソコはゆっくりと頭をもたげ始めた。
「・・・健多、あたってる」
耳の中に直接注ぎこまれるその低い声に腰が砕けそうになる。
「僕だけみたいに言うなッ・・・!」
ヌルヌルと僕の下半身に押し付けられる鳴人の熱いモノも、すでに激しく興奮していた。
明るい電気の下で見るソレは信じられないくらい大きくて、あんなものがいつも僕の中に入ってるなんてとても信じられない。
そんなことを考えていると腰がズンと重たく響いて、僕は熱い息を吐いた。
まだ触られていない奥が勝手に疼きだす。
こんなカラダにされて、いまさら戻れるわけがなかった。
「鳴人・・・」
もう何度も呼んだ名前。
それなのに、こうして抱きあいながら呼ぶたびに少しずつ大切な名前になっていく気がする。
ズキズキと疼く胸の痛みがけっして不快ではない。むしろ、心地いい。
叫び出したいような、泣きだしたいような。そんな想いが湧きだしてきて、僕はぎゅっと鳴人の背中を抱きしめた。
カラダの奥を開かれることを覚悟してそうしたのに、鳴人はそんな僕の手を取ると、キスをしながら離れていってしまう。
意味が分からず縋るような目で鳴人を見上げれば、そこにはいつものいやらしい顔。
「言ったよな?泣き顔が一番クるって」
「・・・ぇ」
鳴人は僕をイスに座らせ、自分は泡立ったスポンジを手に取った。
「カラダ洗うの途中だっただろ。俺が洗ってやるよ」
「い、いいって」
絶対なにか悪戯をするつもりだ。
僕は慌てて鳴人の手からスポンジを取り上げようとした。
しかしその手はあっさりとかわされ、背後に立たれる。
正直、今の僕の格好はものすごく情けない。
少しだけ治まってるとはいってもちょっとペニスは勃ち上がってる。
後ろにいたってそれは絶対鳴人にも見えてるはずなのに。
きゅっと内股になって前を隠すと、鳴人が僕の両腕を掴んで持ち上げた。
「やッ!」
なにも隠すモノがなくなったペニスがぷるっと揺れる。
「俺が洗ってる間は絶対に腕を下ろすなよ」
そんな言葉とともにスポンジが僕の脇腹をくすぐった。
自分以外の誰かにカラダを洗われると次の行動が予測できないぶん、何をされても過敏に反応してしまう。
今も脇腹を撫でられてるだけなのに、泡だらけの柔らかいスポンジがくるくると動くたびに僕のカラダはピクンと震えた。
まるで催眠術にかけられたように上げたまま宙に浮いている両腕も僕の羞恥心を煽る。
「やっ・・・!」
ふいに胸の突起をスポンジに包まれて、じんわりとした快感が走った。
「ぁあッ、やだ・・・!」
鳴人の意地悪なスポンジが片方の乳首をくるくると擦りあげ、もう片方はさっきまでされていたように指でくすぐられる。
「ココも念入りに洗わないとな」
大きくなった粒を引っ張りあげ、伸びた根元をスポンジで撫でる。
色のついた部分を念入りに洗われ、乳首だけがたっぷりとした泡に包まれるというとんでもない姿にされてしまった。
「馬鹿!やめろ変態ッ!」
カラダを捻って鳴人の手を止めようとするが、伸ばした手は鳴人の鋭いまなざしに止まってしまう。
「・・・〜〜ッ!」
仕方なく正面に向き直って、与えられる快感を耐えようと目をぎゅっと瞑った。
「ふ、ぁッ!」
フニフニとしたやわらかい乳首がまた鳴人の指に弄ばれ、どんどん固くしこっていくのを感じると、なぜこんなにも馬鹿正直に黙ってされるがままになってるのかと自分でも疑問に思う。
それでも、このカラダは逆らえない。
撫でられる刺激に腕がどんどん下りていって、指先がピクンと跳ねた。
「な、るひとっ・・・くすぐったい・・・!」
本当はくすぐったいだけじゃないけど、気持ちいいと口に出すのは恥ずかしく、胸に与えられる快感に前かがみになりながら言う。
でもそんな僕の気持ちなんて鳴人はとっくにお見通しらしい。
「くすぐったいだけで濡れるのか、お前のコレ」
「や、ぁッ!?」
突然、ジンジンと疼くペニスを指で弾かれ、僕はイスの上で跳ねあがった。
今度こそ慌てて鳴人を止めに手を伸ばすが遅く、ぬるぬるとした泡まみれの手は僕の竿を掴み、空いている手で紅く顔を出した先端を撫で始める。
「んあッ、あ、あぁんッ、やぁ、ぁん!」
いつもの濡れただけとは違う感触に知らない快感が呼び起され、僕の先端の小さな穴は泡を押しのけてトロトロと蜜をこぼしだした。
つるっとした感じる敏感な粘膜と、白い泡のコントラストが目をそらしたくなるほど卑猥で、いやらしい悪戯をくりかえす鳴人の手首を掴んだまま僕はただ悶えることしかできない。
「ほら、お前の大事なトコだろ?俺に弄ってほしかったら綺麗にしないとな」
「やめッ、んっ、は、ああっ、だめ、ソコはッ・・・!」
「ソコ?ソコってどこだ?わからないとやめてやれないな」
鳴人の指はクチュクチュと僕の尿道口をくすぐる。
そのたびに僕のペニスは嬉しそうに跳ね、ひどく感じる箇所だけに与えられるとんでもない快感に気が狂いそうだった。
先端の穴の中にまで泡が入り込んでしまいそうで怖い。
早くその行為をやめてほしくて、僕は恥ずかしさを押し殺して言った。
「なるひとっ・・・さ、先っぽ、やめてッ!」
イヤイヤと首を振って腕を引き剥がそうとするのに、鳴人は全然やめてくれない。
ずっしりと重たく泡まみれになった二つの睾丸をぐりぐりと揺すりながら、それでも先端をくすぐり続ける。
「なんでやめてほしいんだ?」
クスッと笑う声が耳元できこえ、僕は自分の理性がもろく崩れていくのを感じた。
「はぁんッ・・・ぁ、きッ・・・きもちい、いから・・・先っぽ、きもちいいから、こわい・・・!」
爪先をぎゅっと丸め、太腿を浮かせて快感に耐える。
口の端を涎がつーっと垂れ、それを鳴人の舌が舐めとった。
「怖くなんかないだろ。お前をきもちよくしてるのは俺なんだから」
「そぅ、だけどッ・・・!」
全身がビクビクと痙攣し始め、ペニスの奥から精液が駆け上ってくる慣れた感覚をすぐ近くに感じる。
このまま鳴人の手に吐き出してしまえばきっとすごく気持ちいい。
でも、すごく恥ずかしい・・・。
「もっ・・・だめ、でちゃうッ・・・ひあ、ぁあああんッ!」
ゾゾゾ、と鳥肌が立つほどの快楽。
クチュクチュという淫猥な水音が僕を追い上げ、さらに小刻みに尿道口を抉られて僕は鳴人の指の下から思いっきり白濁を噴き出した。
ピュク、ピュクン、と断続的に溢れ続ける精液はタイルの上に落ち、シャワーの水に溶けてあっという間に排水溝に消えた。
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