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キリリク小説。
健多くんの苦難の日々5A
「・・・猫、邪魔。お前に甘えていいのは俺だけ」

「なに言っ、んっ・・・」

ちゅ、と小さな音をたててキスされる。

すぐに離れていく唇に、どこか物足りなさを感じた。

・・・頭沸騰しそうなの、バレてないよな。

こんな暗がりじゃ真っ赤になった顔も見られてない、と思いたい。

「わかったか?」

ふん、と笑う鳴人。

どうせいつもの意地悪そうな顔をしているに違いない。

「・・・馬鹿じゃないの」

「なに言ってんだ。さっきまでかまってもらえなくて拗ねてたくせに」

「拗ねてないし」

「いいや、拗ねてた」

「拗ねてないったら!」

あまりの図星っぷりに恥ずかしくて、鳴人に背を向けて枕に顔を埋める。

すると首筋に指が。

くすぐったさに身を捩ると、今度は輪郭をなぞるように何度も何度も指が往復してきた。

「もうっ、やめろよ」

振り払っても振り払っても、鳴人の指は止まらない。

「気持ちいだろ?ほら、喉鳴らしてみろ」

「だから僕は猫じゃな、ぃ・・・って・・・・」

耳の裏やその下、項を爪で軽くなぞられ、くすぐったさが少しずつ危うい刺激に変わっていく。

「んっ・・・もう、ぁ、やだっ・・・!」

ゾクゾクとした痺れが這い上がってきて、カラダから力が抜ける。

「エロい声出すなよ、猫のくせに」

「誰が・・・あっ・・・」

「ウチの猫は喉鳴らす代わりに喘ぎ声あげるんだな」

鳴人の指が離れ、やっと解放された安心感に浸る間もなく、今度はTシャツを捲り上げられた。

「・・・だったら『きもちいい』って啼けばいい」

「あ、ちょ、っと・・・あ、ん!」

カラダをひっくり返され、胸に吸いつかれる。

仔猫のようにぴちゃぴちゃと恥ずかしい音をたてながら尖った突起を舐められると、湧き上がる快感と興奮で涙が滲んだ。

「ふぁっ、ぁ、んっ」

自分の上げる声があまりにいやらしくて、手の甲を唇にあて、息を詰める。

その手をあっさりとどけられて、充血してるに違いない敏感な尖りをカリッと甘噛みされた。

背中が跳ね、少しの痛みの後に訪れる甘い舌の感触。

ザラザラとした舌の先で周囲の色づいた場所を舐められ、まるで本物の仔猫に乳首を吸われているような錯覚を覚える。

「んっ、ぁあっ・・・ダメ、ソコばっかり・・・」

舐めていない方は長い指に転がされている。

上下に弾かれて、先端の窪みをくすぐられると触られていない下半身に重たい疼きが募っていく。

「・・・下も欲しいって?」

ちゅ、ちゅ、と突起を吸い上げていた唇がソコを銜えたまま喋るものだから、硬い歯が不規則に当たってたまらない。

「ふぅっ、んっ・・・・!」

唇を噛み締めて喘ぎを押さえながら小さく頷くと、鳴人の唇はやっと悪戯をやめてくれた。

長い指が少し浮き出た肋骨の上をなぞる。

そうして敏感になった肌を、濡れた舌の感触が追っていく。

薄い皮膚ごしに鳴人の熱が走るのを感じてざわざわと肌が粟立った。

舌はゆっくりと下がって、今度は臍の中をくすぐる。

思ってもみなかった場所への刺激に、パジャマ代わりのハーフパンツの中で勃ち上がったモノが震えた。

鳴人は臍を愛撫しながら僕の下半身をあらわにさせていく。

ゆっくりとした優しい愛撫に、頭の片隅で抗いきれない衝動が渦巻いていた。

「腰、揺れてるぞ」

「っ!・・・わ、かってる、くせにっ・・・!」

鳴人はずるい。

どれだけ僕が欲しいと言ってもくれなかったり、もうやめてと言ってもやめてくれなかったり。

最近は僕を焦らすことにハマってるのか、全然欲しいモノをくれない時もある。

僕を限界まで煽って、泣きながら欲しいと懇願するのを待ってるのだ。

そんな意地悪な鳴人がやっと濡れたペニスに触ってくれたのは、焦らしに焦らされた後だった。

しかも、手じゃなくて舌で。

「はっ、あ、ああっ!あ、ぁ、ダメ・・・メ・・・!」

ゆるく首を振りながら性器に与えられる快感に耐える。

裏筋を舌の先で強く擦られると、爪先がぎゅっとシーツを掴んだ。

鳴人は僕の太腿を手で割り開き、閉じられないようにして苛める。

先走りを溢す、一番きもちいい場所は弄ってくれない。

それがさらに僕を焦らす。

ジュルジュルと音をたてて口の中に呑み込まれ、火傷しそうな熱に包まれたペニスがびくびくと小さく跳ねた。

「ぁ、あ、あん、あん、ひ、あんっ・・・鳴人っ・・・なるひとっ・・・!」

高く持ち上げられた足先が宙を蹴る。

ぐん、と精液がせり上がって解放に近づいたとき、鳴人の唇はいやらしい音をたてて僕のペニスを吐きだした。

「ひ、んッ、ぁあ、ああっ!」

行き場のなくなった快楽に思わず鳴人の柔らかい髪を鷲掴む。

じんわりと汗に濡れたその感触を少しだけ楽しむ。

「健多、四つん這いになれ」

「えっ・・・」

「後ろ解さないと入れてやれないだろ?」

闇に慣れた目が、鳴人の意地悪な笑みを捉える。

次にくる快感を期待して背筋が震え、僕は少し迷ったあとに、大人しく起き上がって鳴人に秘所を晒した。

シーツに肘をついて、ヒクヒクと開閉を繰り返す穴を鳴人に差し出し、固い指の感触を待つ。

「ぃっ・・・ひっ!?」

しかし突然、後ろに熱く滑ったモノが侵入してきた。

まさか。

慌てて首を捻ってみると、そこには信じられない光景。

「な、にっ・・・やだ、なにしてんのっ・・・!」

「なにって・・・解してんだよ」

「で、でもっ、そんなトコ舐めっ、ひゃあっ!」

黙れ、とばかりに鳴人の舌がナカを蹂躙する。

ヌッと抜き差しされたかと思えば、濡れた音をたてながら唾液を流し込まれる。

「いやっ、だぁ・・・!!」

恥ずかしい。

そんなとこ舐められるなんて、恥ずかしくて死ぬ。
ぎゅっと尻に力を入れて舌を拒もうとするのに、鳴人はその尻を掴んで開きながら舌を突き刺す。

カラダの内側に他人の舌を感じるなんて信じられなくて、全身に鳥肌がたった。

「鳴人っ・・・ソコ、き、汚いっ・・・からぁ・・・!」

自分でも見たことのない場所をじっくり観察される羞恥に、叫び出しそうになった。

でも泣きながら止めてくれと訴えても、鳴人は知らん顔で舌を出し入れする。

ときどき息を継ぐように顔を離し、僕のカラダの力を抜くようにいやらしい言葉を後ろから囁く。

「お前のナカ、暗くてもピンクなのがわかる・・・こんなにしょっちゅう挿れてやってんのに、まだこんな色なんだな」

「っ、めてっ・・・やだっ・・・」

こんな暗闇でそんなことわかるわけないと思っても、ソコの様子を想像すればするほど意識してしまう。

「俺の舌きもちいいか?すげーうねってる。こんな柔らかいものでも欲しいなんて・・・やらしーカラダ」

その言葉にビクッとカラダが跳ねれば、ナカも自然に動き出す。

唾液を塗り込めるようにくるくると入口を舐めまわす鳴人の舌を、襞が捉えては穴の中に引き込もうと蠢いた。

「あ、ぁあああぁあ・・・・!」

穴が収縮すると、舌が押し出されて抜けだした。

ピチャッ、ピチャッと猫がミルクを舐めるような水音。

ゾクゾクする。

柔らかい。きもちいい。

・・・・・頭がおかしくなる。

「・・・も、やめて・・・おねがい・・・!」

無防備な会陰まで舌でザワザワと擦られて、押し出されるような射精感に涙が止まらなかった。

それでもしばらくはソコを丹念に舐められ、僕にもわかるくらいにトロトロに開いたところで、やっと鳴人は口を離してくれた。

「ん・・・もういいか・・・やわらかくなった」

笑いながら僕に覆い被さり、もう爆発しそうなほど熱く滾ったモノの切っ先が入口を撫でる。

腫れたような気になるまでたっぷり舐められたソコは、鳴人のモノの形を余すところなく伝えてきた。

ドクドクと脈打つ血管の振動までが僕を焦らす。

「挿れるからな」

「う、ぅっ・・・んんっ・・・」

挿れられた瞬間に叫んでしまわないように口をふさぐ。

ぐちゅ・・・と濡れた音がして、徐々に尻の中を満たされていく感覚に涙が溢れた。

「すげー・・・舌で舐めてやっただけで入った・・・もうお前のココは、ただのいやらしい場所、だなっ・・・」

「ひっ、ひぅっ!!」

ぐっ、と腰を一突きされ根元まで一気に挿入される。

指で解されたときとは違って、まだ少し圧迫感があるが、それもすぐに慣れてしまう。

いやらしい場所。

舐められるくらいまでになってしまったら、もうソコはそう呼ぶしかないのかもしれない。

それでも今はかまわなかった。

覚え知った快感を求めて、ただナカに埋められたモノが動くのをじっと待つ。

やがてゆるやかな律動が始まると、押し出されるような愉悦にわけもわからず喘ぐだけ。

鳴人は突き上げる合間に僕の耳や首筋を舐め、僕のナカがどうなっているのかをいちいち囁いてくる。

そんなこと聞きたくないのに、吸いついてくるとか、熱いとか言われるたびにきつく締めつけてしまって恥ずかしい。

仕上げとばかりにぷるぷると上下に跳ねるペニスを扱き上げられ、僕はいつものように耐えられない快感に涙を流しながら達した。

すぐ後に鳴人のモノも弾けて、お互いのカラダがぐったりとベッドに沈む。

背中が圧迫されるのは苦しい。

でも、もうその重さも心地よいものになっている。

獣の姿勢で、また何度も獣のように混じり合い、やっと満足して鳴人が自身を抜いたあと。

荒い呼吸の中でふとベッドの端に目をやると、僕たちの恥ずかしい行為などまったく気にもとめていない様子の猫と目が合って。

「うっ・・・・・うるさくして、ごめんね・・・?」

なんだか無性に申し訳のない気がしてきて謝ってしまった。

そんな僕の首に両腕を回して自分の方へ引き寄せながら鳴人が「なに言ってんだお前」と、可笑しそうに笑った。








翌日、鳴人が車で一時間ほどの実家に猫を送り届けることになった。

玄関先で鳴人の腕に抱かれた猫の頭を撫ででやると、すっかり僕にも懐いたのか気持ち良さそうに喉を鳴らす。

そんな姿を見ていると、なんだか少しだけ別れるのが寂しくなってきた。

「・・・この子、鳴人の家の猫たちと仲良くなれるといいね」

「ウチの猫は余所モンが入ってくんの慣れてるからな、大丈夫だろ」

「・・・そっか。ならいいけど」

とりあえずはこの子も温かい家を手に入れることができそうで安心した。

猫を抱えて鳴人が玄関から出るとき、ふと何かを思い出したように振り返る。

「そうだ。それよりも俺、これから考えなきゃいけないことがあったわ」

「え?なに?」

聞き返すと、鳴人は空いているほうの手で僕の頬を撫でた。

そして悪戯に笑って、耳元で。

「・・・今日一日、こっちの猫をどうやって甘やかすかってこと」

「・・・っ!」

ボン、と湯気が出そうなほど顔が真っ赤になる。

鳴人は楽しそうに笑うと、僕が何かを言い返す前にさっさと出て行ってしまった。

ひとり残された僕はあまりの恥ずかしさにその場に頭を抱えてしゃがみこむ。

「うぁー・・・!」

頭をかきむしりたい。

ここがマンションじゃなかったら思いっきり叫んでるところだ。

鳴人が帰ってくるまで、このばくばく煩い心臓はもつんだろうか・・・・・・。

「・・・あーもう!買い出し行こ!」

ゆっくりお昼御飯でも作りながら鳴人の帰りを待ってよう。

そして、それまでには何食わぬ顔で出迎えられるように頑張ろう・・・・。




アナタの帰りを待つ。

それはとても、甘い時間。







あとがき

かなたさまへ♪
リクありがとうございます!
健多と鳴人の甘エロ・・・ということでございましたが、いかがだったでしょうか・・・?
甘、ということで調子こいて砂吐くほど甘くしてしまいました(笑)
もーなんだってんだ鳴人!!(笑)書いてて正直笑えました。一人で楽しんでてスミマセン(^_^;)
なので返品可です!(笑)
おそまつさまでした!!


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