キリリク小説。
健多くんの苦難の日々10〜みょーさまリク☆〜@
※鬼畜&病み表現があります。いつもと様子の違う変態にご注意ください。後半は甘で。
ごわごわとカサついたシーツが肌を擦る。
閉じられたブラインドから漏れる太陽が僕の目を焼いた。
「・・・ぅ・・・」
体を起こそうと腕に力を込めて、崩れ落ちる。
カラカラに干乾びた喉は、水分が足りないからか、それとも喘ぎ過ぎたからか。
どっちにしても、今の僕の状況はひどい。
まるでボロボロの布きれのようだ。
「ふっ・・・ぅ、え」
シーツに次々と涙が落ちた。
いくら叫んでも姿を現さない恋人の名前を呟く。
「鳴人・・・」
掠れた声は、唇からかすかに零れただけだった。
「なんだコレ」
バサッ、と音をたててテーブルの上に放り出されたのは、大判の分厚い封筒だった。
見憶えのある薄緑に浮かぶ黒い文字に、背筋が強張る。
それは、学校案内のパンフレット。
別にたいしたものじゃない。けっこう名前の知れた、普通の大学だ。
ただ、その所在地が遠く日本の端にあることだけを除けば。
「あの、これは別に」
慌てて封筒を拾おうとして、その手を掴まれる。
いつもより力のこもった大きな手は、僕よりずっと冷たかった。
「なる、」
「なんだって訊いてんだよ。なんでこんなモン持ってんだ」
僕を見下ろす目は、その手よりももっと冷ややかで、思わず反論するタイミングを失った。
「うちの大学受けるんだろ?お前の成績ならこんなモン必要ない」
「で、でも、一応滑り止めも・・・」
やっとの思いで絞り出した声は、情けないくらいに震えている。
それは、僕にもやましい気持ちがあったから。
確かに僕は兄さんや鳴人がいる大学を受けるつもりでいる。
成績だってたぶん合格できる範囲まで上げたし、他にもこの地域にいい大学なんていくらでもある。
でも、僕はこのパンフレットの大学に少し興味を持った。
同じ学科なら鳴人の大学にもある。もちろんそこが本命だけど、もし落ちてしまったら。
そう思うと、僕の手は自然とこのパンフレットを学生鞄に入れていた。
鳴人がいい気持ちをしないのは、よく分かってた。
なんの相談もしないで遠くの大学に行く可能性を考えてたなんて知ったら、絶対に嫌がるだろうってことも。
だから、言えなかった。
悲しませたくなかったし、受験するくらいならたいしたことはないだろうと思って。
それが、こんなに怒るとは思ってもみなくて。
「別に、行く気はないし。ただ受けてみようかなって思っただけで、」
「ダメだ」
一刀両断。
一言言い捨てると鳴人はパンフレットを拾い上げ、足元のゴミ箱に投げ入れた。
「ちょっ・・・なにすんだよ!」
さすがにそこまでされるとは思ってもみなかった。かすかに震える手で急いでそれを拾い上げようとすると。
パンッ。
「ぁ」
手を叩かれ、背筋に冷たいものが走る。
それは小さな痛みだった。でも、鳴人に叩かれたなんて信じられなくて、心臓がどきどきと早鐘を打つ。
怖い。
まるで頬をぶたれたくらいの衝撃。
「・・・な、に」
なんでこんなに怒るんだ・・・おかしい。こんなの、鳴人じゃない。
「なにかあったの・・・?」
そうとしか考えられなかった。
鳴人が怒ってるのも、僕の話を聞こうともしないのも、なにか理由があるに違いないと。
「来い」
ぐ、と手首をつかまれ立ち上がらされる。
そのまま引っ張っていかれたのは寝室。
あの、外側から鍵がかかるようにしてある寝室だ。
「やだ、なに・・・」
部屋に入り、扉が閉められる。
電気の点いていない部屋の中でも、鳴人の冷たい眼が浮かび上がった。
「俺から離れるつもりか」
「・・・え?」
握りしめられた手首に力が入る。痛みに顔をしかめると、広いベッドへ投げ飛ばされた。
柔らかいマットの上で2、3回カラダがバウンドする。
「ッ!?」
慌てて起き上がろうとしたが、その前に鳴人が僕の上に圧し掛かってきた。
「な、鳴人!なんでッ・・・!」
無理矢理なんて嫌だ。
触られたくないわけじゃない。でも、理由が欲しい。
こんな、黙らせるために抱くような鳴人は嫌だ。
「待っ、やだッ!」
僕を見下ろす鳴人の目に感情はない。いつもみたいな興奮も、甘い言葉もない。
ただ義務の様に僕の服に手を差し入れ、柔らかいままの乳首を摘む。
「ぁ、う」
二本の指で擦り合わせるように突起を揉まれると、快楽に慣らされたカラダは途端に力が抜ける。
僕からは見えないソコが、みるみるうちに薔薇色に育っていくのがわかるような気がして恥ずかしい。
「やめろッ・・・どうしたんだよ・・・!」
祈るような僕の言葉は鳴人に届かない。
悲しくて、不安で、カラダの震えが止まらなかった。
それでもキツめに愛撫された場所はどんどん熱く火照っていく。
「はっ、あ、ん、やぁっ」
しっかりとした形を持ち始めた乳首がコリコリと引っ掻かれる。
小さな火を少しずつ大きくされるようなもどかしい刺激に、いやでも恥ずかしいところが疼いていく。
その場所を鳴人の膝がぐりっと擦り上げ、突然の刺激に腰が跳ねた。
僕の反応を見た鳴人が暗く笑う。
「ほら、淫乱。無理矢理されても感じるんだろ。それは誰に抱かれてるからだ?」
大きな手のひらが内腿を撫で、僕の足を割り開く。
「もう俺ナシじゃ満足できないだろ、このカラダは」
平気で酷い言葉を吐く。
いつも言われてるようなことでも、今日は全然違う。
これは質問じゃない。僕を責めてるだけだ。
「ひっ!」
剥ぎとられるようにズボンを脱がされ、下着に手をかけられる。
浅ましくもぷっくりと布を押し上げるソコは、先端部分に小さな染みができていた。
いやだ。鳴人のくれる快感を期待してこんなになる自分が嫌だ。
ただ抱かれたいわけじゃない。心も繋がっていたいのに。
「鳴人・・・お願い、やめて」
無理矢理抱かれるくらいなら、抱きしめてくれるだけでいい。
愛されないならキスもいらない。
快楽なんていらないから。心だけでいいから。
頬を一筋涙が伝う。
まただ。僕は泣くことでしか自分のつらさを伝えることができない。
でもその涙が、鳴人の目に一瞬の動揺を生んだ。
それは鳴人の行為をとめられるような、強いものではなかったけど。
「ぁっ・・・」
ゆっくりと下着が下ろされる。
半分だけ勃起したモノからトロリと蜜がこぼれた。
鳴人に触られれば胸への刺激だけでこんなに感じてしまう。
痛いくらいの視線がソコに注がれて、恥ずかしさに僕は腰を捩った。
「見る、な・・・見ないで・・・!」
カラダが欲しいわけじゃないなんて言ったとしても、全然説得力がない。
鳴人もそう思ったのだろう。にやりと笑うとズボンの前をくつろげ、大きく膨らんだペニスを取り出した。
解される。
すっかり性器に変わってしまった場所へ指を入れられる期待と、受け入れるための覚悟が僕の中でせめぎ合う。
せめて痛くないようにカラダの奥に入った力を抜くと。
「・・・え、ぁ、ちょっと!」
だらりと弛緩した足首をつかまれ、腹側に無理矢理曲げられる。
肺が圧迫される苦しさに息を吐くと、あろうことか鳴人は慣らしもしないソコに熱く滾った先端を押し当ててきた。
くちゅりと濡れた感触が敏感な場所に触れ、ゾッと背筋が凍る。
熱い切っ先はぬるぬると滑りをまとったまま、僕の入口をつついた。
「ま、待って、やだ、まだ無理ッ・・・お願い、だめッ!」
いきなり入るわけがない。
ただでさえ普通の人間より大きなモノが、小さな窄まりの上をぐりぐりと行き来する。
なにかの拍子に突き刺されるんじゃないかという恐怖が、僕の全身から血の気を奪った。
それに、敏感な場所へ感じる肉の感触が、嫌でも性感を煽る。
怖いはずなのに、ゾクゾクと背筋が痺れるのを止められない。
「ねぇ、あ、なるッ、やだ、やめてッ」
めちゃくちゃにカラダを捩り、ベッドの上を逃げ回る。
そんな僕を腕一本で引き戻しながら、鳴人が口の端を歪めて笑う。
後ろの穴が少しずつ先走りで濡らされていく。それでも解れることも開くこともなく。
「やめて・・・やめて・・・!」
初めて感じた、『本当に犯される』ということへの恐怖。
自分を襲うであろう痛みを想像して、僕は泣きながら「やめて」と繰り返した。
鳴人は何も言わない。
ただ僕を力ずくで押さえつけ、硬く閉ざされたままの入口に照準を合わせる。
・・・・ぐち。
「ひッ!!」
ついに先端が窄まりを捉え、濡れた感触が無理やり体内に差しこまれた。
「ぁ・・・ぁ、ひ・・・」
ほんのちょっと入れられただけなのに、全身が硬直して動けなくなった。
その頃にはもう逃げることすら忘れて、僕をじっと見下ろしながら凶器を突き立てる鳴人を見つめる。
顔は暗く影になっていて、どんな表情をしているのかわからない。
ただひとつわかったことは、僕を組み敷く両手が、小さく震えていることだけ。
何度も何度も、力を入れたり弛めたり。
それは鳴人の迷いを表しているように思えた。
「なるひと・・・やだ・・・!」
いまならまだ届くかもしれない。止めてくれるかもしれない。
淡い期待を胸に、泣きながら懇願する。
でも。
「力、抜け」
「ぃッ!」
ぐん、と逞しい腰が突き上げられ、繋がっている場所が悲鳴を上げた。
狭い場所を掘るように回しながら、少しずつカラダの中に侵入してくる。
痛みはあまりなかった。
ただ、苦しい。
体内に異物がめり込んでくる感触。
それがいつも僕を気持よくする鳴人のモノだってわかってるのに、頭が混乱した。
「は、ぁ、ああッ、はーっ、ぁーッ・・・!」
残った理性で、深く深く息をするように自分に言い聞かせる。
一息つくごとに鳴人がじりじりと奥に進んで、みっちりとカラダの中が埋め尽くされる。
やがて隙間なく鳴人が覆いかぶさってきて、全部が入ったのがわかった。
全身を嫌な汗が伝う。
トロトロに蕩けたときと違って、硬くぎちぎちと中のモノを締め付ける僕の肉襞は、鳴人にとってもツラいだけの場所だと思う。
自分でも食いちぎりそうなほど力が入ってるのがわかるし、できることなら食いちぎってやりたいくらい、苦しい。
それに鳴人は、いつもみたいに髪を撫でてもくれないし、優しい言葉もかけてくれない。
力が、抜けるはずがなかった。
「う、ぅッ・・・ぁ・・・あぁ・・・」
感じたことのない恐怖に見開かれた目からは次々と涙があふれ、頬を濡らす。
透明な線を描くソレを鳴人の長い指が追った。
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