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キリリク小説。
「好きだから」は魔法の言葉?A
俺としてはいくら兄妹だからといって腕を組んで歩く趣味はない。しかし里緒は最初にウチに来たときから俺にべったりだった。

俺としても可愛い(外見も内面も)妹に慕われるのは嫌ではないが、さすがに恥ずかしいとは思っている。

「ほんならあの娘、おーくんとひとつ屋根の下で暮らす赤の他人やんか。間違いがあってもおかしないやろ」

「赤の他人じゃねえよ。妹だ」

「おーくんはそう思ってても、あっちがそうとは限らん」

「え・・・・や、いやいやいや。ナイだろ。だって俺だぜ?」

自慢じゃないが告白した子にはほぼ9割の確率で『すごく優しくていい人なんだけど、ごめんね』と断られるタイプの俺だ。

いくらひとつ屋根の下で暮らしているからといって、俺が女の子に相手にされるわけがないだろう。

なのに古村は頑として自分の意見を譲らなかった。

「いや、あの目は好きなヤツを見る目や。オレにはわかる」

「そりゃ四六時中そんな目で見られてればそう思うだろよ・・・」

ああ虚しい。俺はなんでそんな男に押し倒されてイかされてるんだろう。

「とにかく。オレは認めんからな。おーくんはもうオレのモンや。あんな娘には渡さん」

「なに勝手に人を自分のモノにしようとしてんだ!」

勝手にもほどがある。
いったいコイツの神経はどうなってるんだ。鋼鉄か。ダイヤモンドか。それならいっそ燃やしてやろうか。

「なぁ、もうオレと一緒になったらええやんか。オレ絶対おーくん幸せにしたるから。な?」

な?と疑問形で訊いてきながら古村の手はするりと俺の股間を撫でた。

不毛な会話をしている間にだいぶおさまったとはいえ、一度昂ったモノだ。いやらしい撫で方をされれば気持よくなってしまう。

ビク、と身体を震わせた俺を見て、古村が嬉しそうに笑った。

「ほら、オレならおーくんを天国に連れていける。他の女になんか負けへん」

「そ、そういうことじゃ、ないだろッ」

恋愛なんてセックスのテクで決めていいもんじゃないと思う。

でも、即物的な俺の身体は古村の手のひらがもたらす快感を嬉しそうに味わっていた。

「やめろって・・・あ、んッ・・・」

口ではやめろと言いながら、自分でも腰が揺れてるのがわかる。

ぐちゅぐちゅと吐きだした精液を下着の中で混ぜられ、たまらない疼きが俺を襲った。

勃起したところのてっぺんを指先が強く抉り、腰が跳ね上がるのを抑えられない。

「あ、あぅッ・・・んふッ!」

噛み締めた唇を古村の舌先が舐め、ゾクゾクと全身に鳥肌が立った。

「・・・なぁ、オレな。こないだまでおーくんとただの友達になりたいって思ってたはずやった」

俺の喘ぎを古村の唇が吸いとり、合間に話しかけてくる。
でも今の俺は与えられる快感に溺れ、相槌を打つこともできずにただそれを聞いていた。

「でもな、おーくんがあの娘と腕組んで帰ってるのを見たとき、気づいてもうたんや」

「ぁッ・・・?」

「オレ、ただの友達やのうて、おーくんとこういうことがしたい、って。おーくんを悦ばすのも泣かすのも、オレだけやったらええのに。ずっとそう思ってたんや、って」

真剣な声が俺の頭を満たしていく。

コイツはいつも誰かに囲まれていて、いつも楽しそうで。
俺のことをそういうふうに見てるなんて思ってもみなかった。

古村の言うことが本当なら、たとえそれが安っぽい優越感だとしても悪い気はしない。

でも。

「な、んで・・・俺のことそんなふうに思ったんだよ」

どうしても理解できないのはそこだ。

俺は今までそんなに古村と接点があったわけじゃない。

一目惚れされるような人間じゃないことは自覚しているし、全然理由が見つからない。

その答えが聞けるなら・・・俺はこのまま流されてもいい気がしていた。

すると古村は俺の股間を弄りまわしていた手と止め、床に縫いとめていた手首を離した。

血流が復活して白くなっていた両手に色が戻る。

ホッと一息ついていると、身体を抱きかかえられて床に座らされた。古村と向き合う形だ。

「おーくんにだけ教えたる。オレな、本当はめっちゃシャイで繊細で傷つきやすい男やねん」

「・・・・・・・」

いったいコイツのどこがそんな人間なのかとツッコミたくなったが、とてもそんな空気ではないので黙っておく。

「この学校に来るときもそうやった。オレの親転勤族やんか。小学校も中学校もずっと2年毎に転校してて、まともな友達もでけへんし、転校先で馬鹿にされるんが怖くて勉強も一生懸命やった。そやけど今まではコトバも似たようなトコばっかやったし、まだよかった。でもココは違う」

この古村がずっとそんな想いをしてきたのなら、確かにツラいこともたくさんあっただろう。
俺だって突然新しいところに行けなんて言われたら、緊張して委縮してしまうかもしれない。

「クラスで最初に挨拶したとき、オレだけ浮いてる感じがして。今度こそ受け入れられんかったらどないしよう、て思った。なんや周りの目も遠巻きに観察してるみたいやったし」

いやそれは、皆が単に珍しいモノを見たような気持ちになってただけだ。たぶん。

「そんで新しい席についたら、たまたま席が隣やったおーくんと一番最初に目が合って」

そう・・・だった。

今まですっかり忘れていたが、古村がこのクラスに来てから、一番最初に会話をしたのは俺だ。

なんて言ったかは覚えてないけど。

「おーくん、オレの顔見てにっこり笑って。『わかんないことあったら聞けよ』って言うてくれた」

「俺、そんなこと言った・・・?」

まったく記憶にない。

たぶんそのときもあんまり意識せずにそう言ったんだと思う。

なにしろ俺は自覚のない『いい人』らしいから。

「もしかして、それで俺のこと?」

「そ。単純やろ?でもホンマあの一言でオレ緊張せんですんだんやで。友達もぎょーさんできたし」

そんだけ嬉しかったんや、と古村ははにかみながら呟く。

なんかその姿が・・・今まで俺が遠くから見ていた古村の姿とはまったく違っていて、ぐっときてしまった。

「・・・それから俺に近づかなかったのも、恥ずかしかったから?」

「近づいたらバレるて思たし。オレ嘘つくのヘタやから、センセーに委員長に立候補したときには、もうおーくんに告白しようって決めた。ほんでおーくん副委員にして」

「・・・・お前が俺を無理やり副委員にしたのか」

「この学校で堂々と2人きりになれる口実なんて他にないやろ」

告白してすぐに押し倒すところといい、それだけ行動力があるなら、なんでどうでもいいところでシャイなんだ。

全然コイツがわからない。

わからないけど。

「そういうのって、やっぱりお前すごいよ」

普段なんとなく生きてる俺には絶対にできないこと。

それくらい俺を好きなら、やっぱり応えてやってもいいかもなんて思ってしまう俺もたいがいバカだ。

「古村、俺さ」

さすがに目を見て話すのも恥ずかしくて、俯いたままになってしまったが。

「さっきからずっとイク手前で止められて苦しいんだよ。だから・・・さっさとイかせろ」








誰もない教室に男の甲高い喘ぎ声。

もしそれを聞いているのが俺だったら絶対に吐き気を催すだろうが、そんな声を上げてるのが自分なんだから世話がない。

しかもいまの俺の格好といったら、下半身裸で上はシャツ一枚。そのまま古村を跨ぎ、膝立ちになって隠すことなく性器を晒しているのだ。

「んんッ、く、そっ・・・なんでそんなトコッ・・・あ、あぁッ!」

古村は俺の股の間から手をくぐらせ、どこから持ち出したのかヌルつく液体を手に垂らし、口に出すのも恥ずかしい場所を散々指で掘っていた。

信じられない。自分の後ろの穴に他人の指が入ってるなんて。こんなおそろしい体験初めてだ。

いや、正確には人生で二度目か。
そういや小学生のとき腹が痛くなって病院に行ったら直腸検査されたっけ。

そのときはあんなに気持ち悪くて、痛かったはずなのに。

「おーくん、ゆっくり息吐き。ゆっくりな」

「ふぅッ・・・あ、あぁんッ・・・!」

ぐちゃぐちゃと音をたてて抜き差しされる長い指。

親にだって見られたことのない場所を異物が蠢く感触。

なのに、めちゃくちゃ気持いい。

ときどきおそろしいほど感じる場所を指が擦りあげるもんだから、俺はそれを古村に悟られないように必死だった。

「おかしいなぁ・・・たしかここらへん」

「ん、ひッ!」

完全に油断していた。

指が今度は予告なしにアノ場所に触れた瞬間、俺はビクッと腰を跳ね上げて古村の首にしがみついた。

「こら、そんなんしたら苦しいやろ・・・でも、やっと見つけた。ここやんな?おーくんのイイトコ。この強情っぱり」

「う、るさッ・・・や、やッ、ソコ・・・!」

クリクリとかたくしこった場所。

そんなところが俺の身体の中にあるなんて、今まで全然知らなかった。

古村の指は敵の弱点を知った勇者のように俺の弱い場所だけを的確に責めてくる。

きっとコイツは、RPGをさせたら3日間徹夜して道具を買い込み、必要最低限のレベルでエンディングを迎えるタイプだ。
俺はじっくり地道にレベル上げしてひとつずつダンジョンを潰していって・・・

「は、ぁッ!!」

そんなくだらないことを考えているうちに、俺の腰を支えていたヤツのもう片方の手が俺の息子を握りこんだ。

ますます不安定な体勢になった俺は、必死になって古村の顔を胸に抱く。

指を咥えこんだ尻がブルブルと左右に震える。

「なんや、誘ってるんか」

「ち、ちがうバカッ!」

「あ、バカは傷つくわ。せめてアホって言うて」

そういうところがバカなんだと精一杯罵ってみても、俺の腰はうねうねと止まらない。

古村の手はゆっくりとした動きで俺の息子を弄り、溢れる先走りを全体に伸ばしている。

「ほらほら、観念しいや。もうたまらんくせに」

「どこの、スケベオヤジだ、お前は・・・あ、ああッ!」

ビュッ、と勢いよく俺の息子から白濁が放たれる。

何度か小さな噴水のように吐きだした後、俺はぐったりと古村に身を任せた。

その間も悪戯な指は俺の中のしこりを嬲り、止まらない射精感に泣きそうになる。

あまりに気持ちよすぎて別の何かが漏れだしてしまいそうだ。

「こ・・・こむ・・・も、終わってくれ・・・」

これ以上続けられたら理性どころか自我が崩壊してしまいそうだ。

さっさと指を抜いて欲しい。
俺的にはそう伝えたかっただけなのに。

「わかった。そろそろ終わらしたるわ」

なにを納得したのか、古村は中から指を抜き、濡れた両手で俺の腰をぐっと掴んだ。

少し身体を離され、嫌な予感が背筋から脳天に駆け上がる。

おい、まさかだよな。俺聞いたことあるんだって。男同士って出し合ったら終わりなんだろ!?それで満足できるんだろ!?

「こ、古村・・・まっ、」

「じゃ、いくで」

「まッ・・・ま、いッ、いーーーッ!?」

グチッ!

と、濡れた感触とともに、俺のありえない場所に男のモノが突き刺さった。

嘘だ。熱い。信じらんねえ。っていうか。

「で、かいッ・・・でかいんだよ・・・ッ!!」

苦しくて息ができない。腹の中から内臓全部押し出されてるみたいだ。

「はッ、あ、あぁぁ・・・!」

空気の抜けるようなマヌケな声を漏らし、俺は古村のすべてを体内に受け入れた。

「ん・・・・あ、おーくん・・・中ヤバい」

うっとりと俺の耳元で囁く声も、今では俺の神経をかき乱す。

「動くで・・・?」

「だめだッ、まだッ!」

「もう限界」

「い、んッ!」

ぐちゅ、ぐちゅ、と中を擦られ始める。

最初はとにかく苦しかった。
広げられた箇所よりももっと大きなモノが身体の中に入ってるんだ。当然だろ。

でもだんだんと俺の肉が古村の形に広げられて、注挿がスムーズになってくると。

「あ、あッ、あぁ、や、やだッ!」

さっき慣らされた前立腺なるものが古村の硬い先端で押し潰され、その感触が一突きごとに大きくなっていく。

今まで圧迫感に瞑っていた目を開ければ、目の前にある古村の気持ち良さそうな顔とかちあった。

その途端、ズクンと股間が疼く。

古村の顔。額にうっすらと汗を浮かべて、眉をひそめて、一心不乱に俺を突き上げるその表情があまりにセクシーで。

俺たちはアホみたいにじっと見つめ合いながら身体を揺すっていた。

そのうちに抑えきれないほどの快感が溢れて来て、俺はぐっと背筋を仰け反らせ、その背中を古村が支える。

「は、はぁッ、あ、や、ヤバ、きもちッ、くそッ・・・!」

頭の中が真っ白になる。繋がった場所からの快楽が俺を埋め尽くす。

普段あれだけペラペラとよくしゃべる古村が何も言わない。

その代り、よく動く唇が俺の顔を追いかけ、舌を差し入れてきた。

逃げようとすれば吸いつき、さらに深く唾液を絡め取られる。

最後の方には俺も夢中になって古村とキスしていた。

もうどうでもいい。今は2人で最高の一瞬をみたい。

必死になって自分を追い上げ、相手を追い詰める。

最後は、俺の負けだった。

「ん、んふぅッ!!」

ガクガクと下から突き上げられるまま、薄い精液を垂れ流す。そして身体の中に火傷しそうなほど熱い古村のアレが。

バカ野郎・・・中に出しやがった。

それでも不思議と嫌な気分ではなくて、むしろ古村の本心を見ることができたような気がして嬉しかった。

「あー・・・やっぱ好きなんやなぁ、オレ」

俺の首元に唇を押しつけて古村が呟く。

そんな言葉に胸をときめかせる俺も、たいがい単純だなと思った。










「あかん。終わらん。マジで勘弁してください」

「ダメに決まってんだろアホ。いったい誰のせいでこんな時間までかかってると思ってんだよ」

あの後、後処理なんて言いながら結局もう一回してしまった俺達を待っていたのは、すっかり暗くなった空と呆れた顔の担任だった。

『お前らどうせダラダラ遊んでたんだろ。それ終わるまで帰るな!』

いえ、けっして遊んでたわけではないんですと言い訳したかったのだが、そんなこと説明できるはずはなく。

結局俺は尻が痛くてイスに座るのもツラいため、すべての元凶である古村に残りの仕事をすべて押し付けた。
俺まったく悪くない。

それでも古村が急いだおかげでそろそろ終わりが見えようとしたとき。
俺はふと今まで疑問に思ったことを訊いてみた。

「なぁ、お前なんで俺のこと『おーくん』なんて呼ぶんだよ」

俺の名前は大山雄太。けっこうどこにでもいそうな名前だし、古村みたいに変わったあだ名をつけられたこともない。

そもそもいつからコイツが俺のことをおーくんと呼ぶようになったのかもわからないし。

「ああ、ソレな。俺が妄想の中で呼んでた名前」

「・・・妄想!?」

つまりなんだ。コイツは俺をつかって一人で妄想してたのか。今までずっと。

「おーくんってわりかし普通の名前やし、付き合うならなんか俺だけ特別みたいな呼び方が欲しいやんか」

「・・・・なんだそれ」

まったく・・・可愛いこと言いやがって。

思わずキュンとしてしまった。まぁ普通の名前呼ばわりされたのは置いといてやる。

「ってか付き合うこと前提の妄想かよ」

どこまでオメデタイ頭してるんだコイツは。

「当たり前やん。アレだけ可愛いオレ押し出したんや。あんな一目ぼれ話、好きにならんほうがおかしいわ。いや〜、我ながらええ話やった。いくらおーくんでもキュンキュンしたやろ」

「・・・・・・・・・・・・・・は?」

いや、待てよ。

その一目ぼれ話って、もしかしてさっきの転校初日に云々か。

「まさかアレ・・・」

俺は普通に感動して、なんだ古村って可愛いヤツじゃんなんて思ったのに。

「あの日に惚れたんはホンマやで。ただそこにちょこちょこ〜っとオレ流の脚色をな」

こっちは俺の専売特許や、と自分の口を指差して笑う古村。

その姿に俺は呆れてものも言えなかった。

「帰る」

痛い尻をかばいながら立ち上がる。

「えッ!や、今の話ウソ!」

「うるせえ。一瞬でもお前を好きかもなんて思った俺がバカだった」

「ウソやんおーくん!ちょ、待って!」

縋りつく古村の姿はいつも見るようなカリスマ的輝きの欠片もない。

こんなコイツの姿を見るのは俺だけだ。

俺はまだまだこいつの裏側を見定める必要がある。

でも、結果はわかっていた。

きっと俺は誰も見たことのない古村のいろんな一面を知るたびに、少しずつ惹かれていくんだろう。

なにしろ、コイツが俺のことを大好きだってことだけはビシバシ痛いくらいに伝わってきたのだから。



「おーくん!頼むから置いていかんといて!!」

「黙らんかいこのアホんだらぁッ!!」


ま、コイツに好きだなんて言える日はまだまだ先になりそうだけど。



Fin.











<あとがき。>
大変ながらくお待たせいたしました(汗)
ナナ太さまへこの作品を捧げます!
リクエスト、同級生、人気者関西弁受溺愛攻め、平凡愛され受け、そして騎乗位でございましたが・・・
ほとんど人気者設定が活かされてないような感じになってしまって申し訳ありません(泣)私の力不足ですorz・・・
この作品を読まれてナナ太さまが少しでも萌えていただければ管理人も浮かばれます(笑)
リクエストありがとうございました!
新ジャンル関西弁、楽しませていただきました★


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