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キリリク小説。
「好きだから」は魔法の言葉?〜ナナ太さまリク☆〜@
世の中、ちょっと周りを見渡せば『カリスマ』なんて名のつく人間がひとりはいる。

そして、それ以上にナチュラルに、『その他』と呼ばれる人たちがいるもので。

これはそんな『カリスマ』と『その他』が紡ぐ、濃い恋のおはなし。








放課後の委員会室。長机の隣同士。

突然、俺の隣に座ってアンケートを集計していたクラスメイトの古村匠(コムラ タクミ)が、「おかーん、今日の夕飯なにー?」くらいの自然さでとんでもないことを言ってきました。

「おーくん。いきなりなんやけど、オレとつきおうてください」

「なんでやねんッ!!」

あまりに唐突すぎる告白に俺が返した言葉は、日本全国の漫才師が聞いてあきれるようなモノで。

案の定、古村も思わずといった感じで、シャーペンを握る手を止めて俺を見返しました。

「なんでやねんって、おーくん・・・」

「え、あ、いや。つい」

あまりに驚き過ぎて口に出ちゃったんだよ。
っていうかお前につられたんだよ!
つかなんだそのツッコミ返しは!問題はソコじゃないだろ!

「く、くだらない冗談言ってないでさっさと続きやれよ!早く終わらせないと学校閉ま、」

「冗談ちゃうて」

『いやいやなに言ってんのこの人』くらいの顔で古村が呆れたように笑うので、俺も『いやいやお前こそなに言ってんだよ』と笑い返した。

「アレだろ。新しい遊び。ホントお前らってくだんないことばっか考えるよなー。誰が考えたんだよ。新島か。沢木か」

ははん、と俺はひっかからないぜアピールしてやったら、途端に古村の眉間に皺が寄った。

「・・・なんだよその顔」

シャーペンを握ったままじっとこっちを見てくるので、俺はそっと古村から離れた。
といってもイスに座ってるから上半身だけ。

しかし古村はそんな俺の上半身を追って、ぐいと顔を近づける。

おいおいおい。近すぎだろ。
睫毛ながー・・・・って違うから俺!

「前から思っててんけど、おーくんてホンマ疑り深い」

その顔があまりに真剣なので、まさかのまさかを考えて俺の背筋が凍る。

いや、本当にまさかまさか。そんなことがあるわけないっつの。

でも・・・。

「古村お前・・・・本気?」

「さっきからそう言うてるし」

真剣な顔がさらにぐっと近づいてきて、あまりに予想外な事態に俺は1ミリも動けなかった。

「いてぇッ!」

がっちりと。

そりゃもうがっちりと頭を掴まれ。

「・・・・おい〜〜〜〜ッ!!???」

全力の叫びも届かず。

「おーくん・・・好きやで」

歌うようなイントネーションで愛を囁くその唇が。

「ん、んぅッ・・・!!」

あっさりと、俺のファーストキスを奪った。





俺と古村の出会いはちょうど1年前。

都会の「と」の字も知らないようなこの片田舎に、彗星のように現れたのがこの古村だ。まぁいわば転校生。

最初はクラスの誰もがヤツを見て唖然とした。

うちの学校は男子校だから(声に出して)キャーキャー騒ぐヤツはいなかったものの、古村匠という男はそれくらいファッショナブルでセンセーショナルで(思わず田舎モンがそんな古臭い言い方をしてしまうほど)異質な存在だった。

『古村匠いいます。仲良うしてください』。

転校初日一言目でそんな可愛らしい挨拶をした男の姿は。

あきらかにブリーチしなれた金髪、左耳に3連ピアス、窓から燦々と降り注ぐ田舎の太陽をチカチカ反射しまくるチェーンベルト。

つい一昨年まで、『生徒の頭髪は必ず坊主』と校則で決められていたほどオシャレとは無縁のこの学校で、古村は明らかに浮きまくっていた。
いや、輝いていたとでもいうべきだろうか。もちろんいろんな意味で。

そんなヤツがこの男ばかりのムサい学校でも噂にならないはずはなく、一時期学校中に「古村のような都会風の格好をしたヤツら」、いわゆる「コムラー(古い)」が溢れかえったほどだ。

その事態に慌てたのは教師陣で、なんと古村自身を説得して落ち着いた服装をさせ、コムラーどもの服装をも落ち着かせようとした。

まぁ悪いのは、一昨年の坊主廃止運動に押された勢いでうっかり校則を緩めてしまった学校側だったのだが。

とにかく今は古村の服装も軽い茶髪、目立たないくらいのピアスになり、それにつられるようにコムラーのオシャレ合戦も終結した。

つまり俺が言いたいのは、それくらい古村匠という男は周囲に影響を与えるカッコいいヤツ、ということだ。

加えて古村は面白かった。

もともとの関西人気質がそうさせるのか、いつも周囲に笑いは絶えなかったし、てっきり女と遊びまくって今まで勉強なんてしてこなかったんだろうと思いきや、テストが近づいた日の休み時間には古村の前に長い列ができるほどの教え上手。

体育をすれば運動部生の面目を潰し、学校を出れば近くの女子高から女子高生がゾロゾロ集まってくる。

とにかく恨めしい・・・いや、羨ましいほどの完璧な男だった。

数人の友人と学校中にコムラーが増殖していくのをただ遠くから見ていた俺のような人間にとっては、まさに雲の上の存在。

そんな古村がいま何をしているかを知ったら、間違いなく暴動が起きるだろう。
そしてその怒りの矛先はすべて俺に向かうに違いない。

なにしろこのド田舎の学校の校風をたった一人で塗り替えたカリスマ様は今、同じ男のカラダを問答無用で冷たい床に押し倒し、ズボンからシャツを引きずりだそうとしているのだから。

なんでだ。

なんでなんだ。

俺たちはつい先日2年に進級して、またまた同じクラスになって、そしていつの間にかクラス委員と副委員(ちなみに俺が副)にさせられ、さっそくクラスアンケートの集計なんて面倒な仕事を委員会室でやっていただけなのに・・・!!

「なぜだぁーーー!!!」

思いっきり叫んでやったら俺のすぐ目の前の綺麗な顔があからさまに呆れ顔になった。

「だから、好きやって言うてるやろ」

しれっと言い切る古村。

俺は犯されるのか。犯されてしまうのか。

同じクラスの、同じ男に!?

これにはいくら人の良い俺だって黙っちゃいない。

とりあえずは穏便に事を済まそうと、説得を試みた。

「おい古村ッ!いくら好きだからって世の中にはやっていいことと悪いことがあるって知ってる!?」

ジタバタと力の限り暴れれば、古村は俺の顔を見下ろしてにっこりと笑う。

「知ってるて。で、オレがしようとしてるコトはイイコトやから」

「それ意味違うし!」

誰かこの爽やか変態さんを止めてー。

「ひッ!」

秋風吹く肌寒い夕方、ひんやりとした空気にさらされた俺の腹部に、熱い古村の手のひらが入り込んでくる。

「や、めろッて・・・お前、冗談キツイ!」

くるくると臍の周辺を撫でる長い指に悶えれば、古村がさらにシャツを上まで捲くしあげた。

「冗談ちゃうて、なんべん言わせんの。おーくん相手でもいい加減怒るで」

「う・・・」

なんで・・・なんでそんな真面目な顔するんだよ!
っていうか俺が怒られるの!?

ちくしょう。なんでかわかんないけど身体が、動かない・・・!

そんなこと言ってるうちに古村の指はするするとシャツの中に侵入してきた。

「んッ・・・ぁ、おい!」

熱い指先が俺の乳首の先端を撫でる。

男とはいえ敏感な個所を他人に触られるというひどい羞恥心と、ゾクリと背筋が痺れるような危うい感触に俺の肌は一気にチキンになった。

「ちょッ・・・ぁッ・・・」

広い胸を押し返そうと突っ張っていた両手が、まるで糸が切れたようにカクッと床に落ちる。

それくらい衝撃的な痺れだった。

そして運動神経バツグンの古村はその瞬間を見逃さない。

ガシ、と力強い左手が俺の手首をまとめて床に縫いとめ、空いた右手が本格的に俺の乳首を弄りだす。

「やッ!あ、あッ」

親指と人差し指でクリクリと揉まれ、敏感な乳頭がみるみるうちに尖りだす。

自分の乳首が真っ赤に充血したところなんて今まで一度も見たことのない俺は、そのいやらしすぎる光景だけで悶死しそうだった。

「ふ、ぁッ、こ、むらぁ・・・」

ふわ、ふわ、と少しずつどこかへ堕ちていくようにカラダから力が抜け、自分のものとは思えないほど情けない声が漏れる。

その声を聞いた古村が目を細めほくそ笑んだ。

「・・・めっちゃええ声。やらしーなぁ」

わざと耳に熱くて荒い息を吹きかけながら、俺の乳首を弄り続ける。

コリコリと芯を持った突起が左右に揺さぶられ、時々カリッと先端に爪を立てられる。

ヤバい。そう思ったときには俺の股間はズボンの上からでもわかるほど、ふっくらと盛り上がっていた。

「や・・・やめろよッ・・・!」

このままだと古村の前でとんでもない醜態をさらしてしまうことになる。
同じ男として、しかも同級生としてそれだけは避けたいのに。

「おーくん気づいてる?さっきからめっちゃ当たってんで。おーくんのキモチイイとこ」

楽しそうな声が俺の弱みを一気に突き刺した。

「ば、バカ!そういうのはわかっても言わないのが礼儀ってもんだろっ」

恥ずかしい。
これじゃ俺がこういうことに疎いってことがまるわかりだ。

「どうせお前は女に乳首弄られたって感じたりなんかしないんだろうよ!悪かったな感じやすくてッ!」

ヤケになってきっと睨みつければ、てっきり笑ってるだろうと思っていた古村の顔が、さっきよりももっと険しくなった。

眉間にぎゅっと皺を寄せるその表情は、本当に俺と同じ高2なのかと疑いたくなるほどセクシーだ。

・・・はっ、だめだ俺。変なこと考えるな。

「こむ、」

「おーくん・・・・それ天然なん?」

「は?ソレ?」

いったいどれだと首を傾げると、古村は俺の乳首を嬲っていた手を止め、口元を覆う。

「・・・お・・・おぉ?」

するとみるみるうちに、目の前の綺麗な顔が真っ赤に染まっていった。首筋も、耳も、トマトのように。

なんだワケわかんないぞ。いったいどうした。

「なんなんだよ」

「・・・・や、マジでいまのヤバい。あかん。ホンマ冗談ですまされん」

「え、いや、お前いままで冗談じゃないって・・・ひッ、あッ!」

突然、古村が俺の胸に吸いついた。

いや、胸というか、さっきまでさんざん弄ってくれた敏感な乳首にだ。

「ふんッ・・・ん、ぁあッ・・・」

鮮烈な快感が乳首から湧き上がる。

古村の舌は普段喋るときと同じようによく動く。

小刻みに先端を舌で擽られて、生まれてこのかた一度も味わったことのないビリビリとした快感に、俺はただ怯えた。

古村が怖いとか、そういうのじゃない。

キモチイイのが怖い。カラダがおかしくなってしまったのかと思うほど。

悪戯な歯がクニ、クニと乳首を甘噛みする。
その甘い感覚に俺の口からはひっきりなしにふぇ、とか、んぅ、とか恐ろしい喘ぎが。

誓ってもこんな声、出したくて出しているわけではないのに、古村は嬉しそうにときどき笑いながら俺を責める。

終いにはちゅうぅっと力強く胸の尖りを吸われ、いったい自分が何をしているのかわからないくらいパニックになった。
それでもしっかり身体は快感を感じるわけで。

「あ、あッ・・・ぁ、うッ!」

「ん?・・・なんや、もうイキそうなん?」

ちゅぱ、ちゅぱと両方の乳首を交互に吸いつかれ、いよいよ俺のペニスが限界を迎えようとしていた。

「ええよ、おーくん・・・イって」

「ひッ!や、噛ん、じゃ・・・ッ、ん、んぅッ・・・・!」

ビク、ビクンッ!!

数回、古村の下で腰が跳ねて。

下着に包まれた股間から生まれる異様な快感に、俺はあっけなく果てた。

「あ・・・あ・・・ッ」

まるでお漏らししてしまった小学生の気分だ。

熱い液体がみるみるうちに冷たくなって、俺の内腿を濡らしていく。

なんだろう。大切な何かを失ってしまった気分・・・・。

「ちくしょー・・・」

荒い息を吐いている俺の上から古村がじっと俺を観察しているのがわかって、イかされた悔しさやら苛立ちやら理不尽さやらが爆発した。

「・・・・・・・いつまで見てんだよッ!!」

「やー、おーくんのイキ顔めっちゃクるなぁ思て」

なんだそれは。目がおかしいんじゃないだろうか。

とにかくこの恥ずかしい状況から解放してほしくて、俺は溜息をつきながら言った。

「もう充分だろ。どけよ」

まだヒクヒクと力の入らない手を動かし、古村の腹を脚で押しのけようとする。

しかし古村はビクともせず、俺を見下ろし続けていた。

「・・・まだなにかあるのかよ。ズボンが気持ち悪いんだって!帰らせろ!残りのアンケートはお前がやれ!」

どさくさに紛れてアンケートまで押しつけてみたが、ヤツはそんなこと耳に届いていないようだ。

「あかん」

「・・・・は?」

「おーくんがイったらやめよ思てたけど・・・オレ、もう」

ぐりっ。

「ひぃッ!なっ、なっ、なんなんだよそのデカいのッ!つか当てるな〜〜!!」

俺の濡れた股間の上、あろうことか古村はソコに自分のおぞましいほどに興奮したモノを押し当ててきた。

当然一度出して萎えた俺の息子も、硬いモノで何度も擦られるうちに元気を取り戻していく。

「ぁッ、や、やめろよッ、あうッ」

下着の中でぐちょぐちょとヌメる感触がヤバい。

あっという間にさっきの射精の快感が蘇ってくる。

古村はといえば俺の手首を押えこんだまま、ぐちぐちと俺の股間から聞こえてくる音に耳をすませ、ケダモノのように腰を擦りつけてくる。

視覚的にも非常にマズい。

こんな顔をされて性器を刺激されれば、俺だってイヤでも興奮してしまう。

それに、やっぱりどうしようもないくらい気持ちいい。

「ッ、・・・おーくん・・・おーくん」

なのに、なおさら俺を煽るように、ヤツしか呼ばない呼び方で切なそうに名前を呼ぶもんだから。

「んッ、こ、むらぁッ、俺、またっ・・・!」

ズボン越しの摩擦がこんなに興奮するだなんて思わなかった。

これも全部古村が悪いんだ。
古村が、あんな綺麗な顔で俺に迫るから。
俺、なんかに・・・。

「で、出るッ」

ぐ、と硬いヤツのモノに股間を押し付け、二度目の吐精をしようとしたとき。

「ん、」

「あッ!」

いきなり、古村が腰を浮かせ、股間への刺激を止めた。

「や、だッ・・・もうイクって!」

昇り詰める寸前で奪われた快感に、俺は思わず涙目になって怒った。

しかし寸止めされてツラいのは何故か古村も同じだったらしい。

「あー・・・ヤバかった。あぶな」

はぁはぁと荒い息を吐きながら眉間にしわを寄せ、蓄積された快感を必死にやり過ごしている。

「なんで止めたんだよ!」

あとちょっとで最高に気持ちよくなれたのに!

自由になる脚をバタバタと暴れさせ文句を言えば、古村はやっと落ち着いたのか満足そうな笑みを浮かべる。

「オレとするん、そんな気持ちええの?」

「は!?バッ、バカ!お前じゃなくたって擦られれば気持い、」

「あの娘にはココ直接触らせたん?」

唐突に。そりゃもう唐突に古村の口から意味のわからない発言が飛び出した。

そりゃ今の状況だって充分意味がわからなかったが。

「あのコって・・・どのコのことだ」

俺には直接大事なところを触らせる相手なんてそうそういない。

そもそも、ただでさえ彼女を作るのに頑張らなくてはいけない身分なのに、高校に入って古村が転校してきてから、わずかなチャンスすら潰されまくっているのだ。

不思議そうな俺の顔に、古村はさらに不思議そうな顔をする。

「ほら、最近放課後おーくんと腕組んで歩いてる、どえらい美人の」

「・・・はぁ?」

そんな素敵な彼女は俺にはいないが、腕を組んで放課後一緒に歩いている少女には身に覚えがある。そりゃもうかなり。

でもアレは。

「妹だ」

「・・・・・おーくんそういうしょーもない冗談は逆に傷つくて。2人、どっこも似てへんし」

「悪かったな俺は美人じゃなくて!っていうか似てなくて当たり前だ。アイツは10年前俺の父親が再婚した人の連れ子だからな」

そう。古村が見たという美少女・・・と俺が言うのもなんだが、確かに誰が見ても相当の美少女。
里緒は現在間違いなく俺の妹だ。

しかし古村はどことなく納得しかねるという顔で疑わしげな声を上げる。

「妹と腕組んで歩くか?普通」

「・・・や、アレは里緒が勝手に」



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