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キリリク小説。
健多くんの苦難の日々9〜ゆずるさまリク☆〜@
震える手のひらを握りしめる大きな手。

脇腹を撫でさする、もどかしいくらい優しい愛撫。

何度も何度も息を交わらせて舌を絡めて。

突き上げられるカラダがトロトロと歓喜の涙を流す。

――――――きもちいい。

ぐちゃぐちゃに溶けてこのままベッドに染み込んでしまうんじゃないかと思うくらい。

それくらい鳴人との行為は甘くて。

「・・・・んッ・・・・ぁ、は・・・」

ピク、と背筋が震える。

『健多』

僕の名前を呼ぶ低い声。

もっと。もっと欲しい。

『気持いいか?』

うん。きもちいい。ずっとこのまま繋がっていられたらいいのに。

じわりと股間が濡れる感触。

それは僕の下着をしっとりと濡らして・・・・・・・・・・

「ぬ、らし・・・?」

そこで、僕はハッとして目を開けた。

目の前は夜の闇。

僕がいるのは鳴人のマンションのベッドの中。

そして隣には当たり前のように鳴人が・・・・寝ている。

そう。寝ているのだ。

僕はさっきまでコイツに抱かれてたはずなのに、実際はまったく触れられてもいなかった。

その代りに僕の性器を愛撫していたのは。

「ウソ・・・」

僕はその場でガッチリと固まった。

なぜなら。

(なんで、僕こんなこと・・・)

僕の右手はズボンの中に潜り込んでいて、しかも濡れたモノを握りしめていたのだ。

これは確実に、寝ボケて自慰を始めてしまったとしか思えない状況で。

「ぁッ・・・!」

思わずソレを握りしめる手に力が入ってしまいピクン、とカラダが震える。

(なん、で・・・まだ勃ってる・・・)

一度漏らしたにも関わらず僕のペニスはまだ硬く勃ちあがったまま。

しかもアレは夢だとわかった今でもいっこうに萎える気配がない。

『健多』

ふいに夢の中で聞いた鳴人の声が蘇る。

現実世界ではここ一週間鳴人に抱かれていない。

なのにコイツは今日寝る前にも平気でキスをするから。だからきっとあんな夢をみてしまったんだ。

「ん・・・」

股間のモノを宥めるようにぎゅっと握りしめ、息を殺す。

そうすると耳に自然と鳴人の静かな寝息が聞こえてくる。

規則的なゆっくりとした呼吸。深い眠り。

ときどき聞こえる低い呻き声が興奮したカラダに毒のように浸み渡る。

いつの間にか僕の吐息はどんどん荒くなって、鳴人に向けている背中がはっきりと熱をもっていった。

ドクドクと心臓そのもののように脈打ち震えるペニス。

夢の中で触られた場所を頭が勝手に思い出してカラダが熱くなっていく。

「はッ・・・ぁ・・・」

クチュ・・・クチュ・・・

(だめ・・・だ、こんなの・・・)

気がつけば僕の左手は自分の口をしっかりと抑え、右手はソレを握りしめたまま上下に動き始めていた。

「ん、ふぅッ・・・!」

『おちんちん苛めてやるよ』

耳のすぐそばで聞こえる幻聴。

淫らな夢から覚めたばかりの僕のカラダは、この信じられない状況さえもしかしたら夢なんじゃないかと思い始めていた。

『ほら・・・先っぽも』

「ぁ、ふ」

頭の隅に絡みつく眠気とどうしようもない淫らな欲求が交わり合って、僕の手をさらに激しく動かす。

目が覚める前から剥き出しの先端を指でつまみ捏ね回す。

半分夢の世界にいる頭は素直に快感を求めて激しく右手を動かした。

「んーッ・・・!」

腰骨のあたりをぐるぐると回るむず痒さ。

ペニスから脳天へと駆け上がる快感に脚が突っ張る。

『イけ。やらしいおちんちんから精液吐き出して気持ちよくなっちまえ』

最後の仕上げとばかりにびちょびちょの尿道口を爪で引っ掻けば、制御しきれない快感に激しくカラダがビクンッと跳ねた。

「ふぅッ!・・・・・ん、ふ・・・はッ、ぁ、は」

白い膜に覆われたような意識の中、僕はトロトロと白濁をこぼし続けるペニスを弄る。

下着の中で最後の一滴まで出し切ると、泥のような快感と疲労感に抗いきれない眠気が襲ってきた。

荒い呼吸を整え、すっと意識が遠のく瞬間。

「・・・なんだ、もうお終いか?」

「ッ!?」

明らかに幻聴じゃない、耳元にねっとりとした低い囁き声。

さっきまで浸かっていた眠気の沼から僕は一気に引き上げられた。

血の気の引く音とともにはっきりと覚醒した僕は、自分がしでかしてしまったことの重大さに驚いてカラダが震えるのを止められなかった。

「ぁ・・・」

あまりの恥ずかしさに全身から力が抜ける。

濡れた性器を握りしめたままの右手をズボンから抜くこともできない。

ドッドッドッドッと心臓が自分のものじゃないかと思うくらいに早く脈打った。

「ずいぶん気持ち良さそうだったな。エロい声出して、こんな臭いさせて」

背中にぴったりとくっついてきた鳴人の手が、僕のズボンに入ったままの右手を掴んで乱暴に引き抜く。

「やッ!やだッ・・・!」

自慰の証を鳴人に直接見られ、顔が焼けるかと思うくらい熱くなった。

「ベッドが揺れると思って起きてみれば・・・ドロドロだな。何回イッた」

「ちが・・・ちがう、やめてッ!」

鳴人のからかうような、怒ってるような声が怖くて僕は顔を覆った。

「なにが違うって?一人でオナってたんだろうが」

僕の指を伝ってトロリと流れたモノに鳴人が舌を這わせる感触。

ゾクゾクと痺れるようなざわめきが胸の中で暴れまわる。

「言ったよな、俺の前以外で一人でするなって。お前が射精していいのは俺のこと考えながらシてるときだけなんだよ」

耳の中に直接いやらしい言葉を注ぎこまれる。

煽るようなその言葉に鳴人にバレた衝撃で萎えた僕のモノがピクリと反応を始めた。

さっきまで早鐘を打っていた僕の鼓動が深く大きくなっていく。

「・・・んッ・・・ぁ、あっ・・・」

もじもじと膝を擦り合わせ、鳴人のカラダから離れようともがく。

しかし鳴人は僕の腰をがっちりと掴むと、そのまま自分の方へ引き寄せた。

「あッ!」

ごり、とズボン越しに押し当てられる硬いモノ。

鳴人のペニスが僕の股の間で恐ろしいくらいにいきり立っていた。

知らず知らずのうちにゴクリと喉を鳴らしてしまい、恥ずかしくて俯く。

「なんで一人でシてた」

「ッ・・・だ、から違うってば・・・」

「じゃあコレはなんなんだよ」

「ッ!?やだッ、さわるなッ!」

いきなり鳴人の手がズボンの上から僕の盛り上がった股間を掴んだ。

ぐちょりと濡れた感触が気持ち悪くて僕はめちゃくちゃに暴れる。

「やめ、ろって!はなせッ!」

「もう硬くなってる・・・言えよ。何考えたらここまで興奮できるんだ?」

「ぁんッ!!」

布越しのもどかしい刺激でも今の僕には充分強すぎた。

ぶわっとペニスから広がる快感に瞼の裏がスパークする。

でも鳴人の指は僕のモノを柔らかく揉むだけで、イけるような刺激はくれない。

「あ、あぁんッ、ふんぅ、ん、う!」

下着の中でにゅるにゅると逃げるペニスを鳴人の指が押さえつけ、裏筋を何度も何度もくすぐるように愛撫されるともう堪らなかった。

ぐっと湧き上がる精液を残った最後の理性で押しとどめ、背中を突っ張らせて射精を耐える。

「ん、くッ、あぁッ!」

「・・・今日はヤケに強情だな。そんなに俺に抱かれたくないってことか」

かすかな怒気を含んだ声に僕は首を振る。

違う。そうじゃなくて。

その逆だから恥ずかしくて。

「ちがうッ・・・だ、って・・・ふぅッ・・・な、なるひとの、せいだッ!」

止まらない喘ぎ声をなんとか堪えて叫ぶと、鳴人の手がピタリと止まった。

「・・・なにが俺のせい?」

背中から驚いた声。

僕は恥ずかしさのあまりまた言うのをためらって、でもいつまでも誤解されていたくなくて仕方なく口を開いた。

「鳴人が・・・あんなキス、したのに、抱かないからッ・・・変な夢見て、それで、気づいたら・・・一人で」

「変な夢って?」

くちゅり、と手の動きが再開される。

「ぁふッ、ぁ、だ、だか、らぁッ!」

「俺に抱かれる夢?・・・お前、もしかして欲求不満だったとか?」

「んッ・・・ば、かぁッ!」

濡れた股間にまた新たな染みが広がり、泣きそうになる。

「ズボンの前がぐちゃぐちゃだ。もう脱げよコレ」

「ぁ・・・ッ!」

勢いよくズボンを引き下ろされ、完勃ちしたペニスがぷるんと顔を出す。

鳴人の濡れた手が直接触れ、まるでソコがカラダの中心かのように意識を全部持っていかれる。

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