キリリク小説。
健多くんの苦難の日々8〜真鈴さまリク☆〜@
どうして洋画ってこうもラブシーンが多いんだろう。
たいていドラマチックな内容の映画には必ずと言っていいほどキスシーンがあって、そしてもっと進むとベッドシーンまであって。
そして僕はいま、その現実をかなり呪っているところだ。
絡みあう美しい男女。
女の掠れた喘ぎ声に、男の滴り落ちる汗。
これがAVかなんかだったらむしろ笑って観れるのかもしれないけど、画面の向こうの二人はもちろん大真面目だ。
僕たちがいま観ているのは去年大ヒットした洋画。
たまにはのんびり映画を見て過ごす夜もいいな、なんて話しながらレンタルビデオ店で借りてきたヤツ。
マンションに帰ってさっそく電気を落とし、意気揚々と観はじめたのはいいんだけど。
始まって20分。
運命的な出会いをした男女がまるで挨拶でもするかのようにコトを始めたからさぁ大変。
こんなはずじゃなかった。
借りたときにはもっと爽やかな中世モノの素敵なラブストーリーだったはずなのに。
(・・・・ぅ・・・・ど、どうしよう)
僕は韓国のコメディが観たかったのに、鳴人が絶対コレが面白いって言ったから・・・。
普段映画とか見ない鳴人がそこまで楽しみにしてるんならと借りてみたのに、こんな空気になるんだったら絶対に反対すればよかった。
画面の中はロウソクの火が何十も踊り、その中で二人が狂ったようにお互いを求め合っている。
そのチラチラと揺れる光に照らされた隣の鳴人は無表情。
こんなに女優が喘いで金髪を振り乱してるのに、なんでそんな顔ができるのかわからない。
そして、なぜなにも言わない。
僕だけか・・・僕だけなのか!?この空気に耐えられないのは・・・!!
さすがにそういうビデオじゃないから直接的な映像は流れない。
でも細くくびれた小麦色の肌や、重たくないのかと心配するほどの大きな胸、そして真っ赤に濡れた唇を見せられれば、普通の高校生ならひっそり唾を飲んでもいいはず。
・・・・・いいはずだけど!
(ヤバい・・・ノド乾いてきた)
口の中に唾液が溜まってるのに、カラカラに乾いてる気もする。
ここでゴクリ、なんて音を立てた日にはもう死ぬほどからかわれるに決まってる。
だから絶対に悟られちゃいけない。
興奮してる、なんて。
こんなに切に願っても、二人の情事は終わるどころかますます情熱的になっていく。
いったいこの映画は何を訴えてるんだ?
このまま最後まで終わっちゃうんじゃないだろうか。
こうなったら仕方がない。
ちょっとワザとらしいけど、最終手段だ。
「・・・・・僕、トイレ」
画面からいっこうに目を離そうとしない鳴人に小声で告げると、何か言われる前にと急いで立ち上がる。
ギシ、と軋むソファの音がやけに大きく響いた。
オレンジ色の光が揺れる薄闇の中を急いで歩いていく。
鳴人の邪魔をしないように廊下の電気をつけずに勘だけでトイレのドアを開け急いで入って扉を閉めた。
「・・・・・・・はぁ」
眩しく感じる光の中で僕はやっと一息つくことができた。
困った。
これじゃまるで親がいる時に見ていたドラマがベッドシーンに突入してしまった思春期の子供だ。
「情けない・・・」
今さらながら自分の経験知の無さにあきれる。
いや、経験ならかなり・・・と言いたいところだけど、その経験を積んでる相手が男なんだから一般的な女性相手の経験値は皆無に等しい。
別に今のところそれで不満があるわけじゃないけど・・・。
「・・・そろそろ行くか」
気持ちが落ち着いたところで怪しまれないように水を流し、トイレを出る。
とそこで、部屋の電気が煌々と灯っていることに気づいた。
おかしい。
映画は始まったばっかりでまだ終わるはずがないのに、なにかあったんだろうか。
「どうしたの?」
リビングに戻ってみると、鳴人はテレビを消してソファに座ったままだった。
わけがわからないけどとりあえず僕もソファに戻ってみる。
「映画は?」
あれだけ観たいって言ってたのに、やっぱり興味がなくなったんだろうか。
「つまんなくなった?新しいの借りてくる?」
「いや。用がなくなったから消した」
「用?」
よくわからない。
いったい鳴人はなにがしたかったんだろう。
疑問に思いながらも飲み物をとりにキッチンに行こうとすると。
「健多」
「ん?」
ふいに呼びかけられて振り返る。
するとがっちりと長い指が僕の手首を掴んだ。
「え、なに?」
突然のことに驚いていると、そのまま手首を引っ張られる。
そのままバランスを崩して鳴人の方に倒れこんでしまった。
「わッ!」
後頭部を打った痛みに顔をしかめる。
倒れたところはちょうど鳴人の太腿の上で、なんだか膝枕されてるような格好。
「なにすんだよいきなり!」
顔を上げればこちらをご機嫌そうに見下ろす鳴人の顔が。
・・・・・この顔は絶対なにか企んでる顔だ。
「・・・なんなんですか」
「ヌいた?」
「へ?」
・・・・・ハイ?
「トイレ。すげー顔真っ赤だったろ。ヌキにいったのかと思った」
「は!?」
ヌく!?さっきの間に!?
「なわけないだろ!あれくらいでッ」
どこの世界にあんなぬるい映像で我慢できなくなる男がいるんですか。
バカにするにもほどがある!
「何歳だと思ってんだよ!」
「・・・じゃあ、物足りなかったとか?」
見上げていた鳴人の顔がニヤリと笑い、短パンから剥き出しになっている太腿をすっと撫でた。
「んッ」
急な刺激にも敏感な僕のカラダはすぐ反応してしまう。
触られたところからビリッと痺れが走って、思わず息を飲んだ。
その姿が面白いのか、調子に乗った鳴人の手が僕の膝頭をくすぐる。
「ぁっ・・・ちょ、っと!」
たったそれだけの愛撫ですぐに全身から力が抜けてしまい、恥ずかしさに身を捩った。
「・・・こんだけ淫乱ならエロビ観たってぬるいんじゃねえの」
「や、だ!くすぐった・・・!」
首筋が粟立ちそうなほど感じてしまう。
意地悪な手を振り払おうとするのに、気持ちよくてカラダが動かない。
結局膝をもじもじと動かすだけで僕の抵抗は終わってしまう。
「そうだ。エロビ借りてきてそれ観ながら同時に同じプレイをするってのはどうだ?ま、画面の中のネコより絶対お前のほうが大声できもちいいって泣き叫ぶだろうけどな」
「ぁんッ・・・そ、なこと言って・・・ん、じぶんが、みたいッ、だけ・・・じゃ」
ズルッと裾の緩い短パンが捲りあげられ、手が内腿の際どいところを撫でる。
感じてる顔をまじまじと見られるのが嫌で顔を覆えば、悪戯をしていないほうの手が僕の手首を一纏めに掴んでしまった。
「冗談。俺はお前がベッドシーン観て中学生みたいにモジモジしてる姿みるだけで勃つんだよ」
だからそんなもの必要ないと笑われる。
モジモジしてたの・・・バレてた。
顔から火が出そうなくらい恥ずかしくて、くふん、と鼻に抜ける間抜けな声が出る。
映画を観ているフリをしてあの無表情の下でそんなくだらないことを考えたのかコイツは!
まったく普段何を考えて生きてるんだと怒りたくもなるけど、とりあえず今はそれどころじゃなくて。
「ねぇッ・・・も、や、ってば・・・!」
くすぐったいのと、ときどき走るゾクッとする刺激と。
ぎゅっと瞑った瞼の裏でチラチラとロウソクの炎のような灯りが揺れる。
「我慢できないって?」
「ちが、う!」
今すぐやめてくれたらおさまるんだってば!
「あッ・・・や、やぁッ!」
短パンの中で縦横無尽に動き回っていた手が引き抜かれ、今度は布越しに膨らんだ股間を揉まれた。
自分の意志とは関係なくソコから湧き出る快感に、ソファの上で腰を跳ね上げてしまう。
「やだッ・・・さわ、るなッ!」
「・・・・・・こんなにして。嘘つきにはお仕置きをしないとな」
「ひ、んッ!?」
クリクリと布を持ち上げた先端を指で転がされ、腰骨が痺れる快感に小さな悲鳴を上げる。
じわっと両目から涙が溢れてきて、もうこれだけ興奮してしまえば引き返せるはずもなくて。
「・・・ぁ・・・ぁんッ・・・お・・・おしお、き・・・やだぁ・・・!」
せめて優しく素早く抱いてさっさと終わらせてほしかったのに。
それは結果的に鳴人の嗜虐心に火をつけた。
「・・・・そんなに期待するなよ。お望み通りたっぷり苛めてやるから」
細められた瞳に煽られて掴まれた腕の先までぶるっと震える。
「はぁッ・・・あ、やぁッ・・・・!」
ザワザワ首筋が逆立つ感触。
それはとてもどうしようもない、叫び出したいような苦しい感触のはずなのに。
その先の目も眩むような快感を知っているカラダは、鳴人の言葉にただ細く熱い息を吐いただけだった。
「んぅッ、ふ、ぁあんッ!」
ヴィィィィィィ・・・
胸から聞こえる小さい羽音。
細かく振動する卑猥な塊が濃いピンク色に染まる乳首をくすぐる。
そのたびに僕のカラダは跳ね上がり、鳴人を挟んだ内腿をぎゅうっと締め付ける。
ビクン!ピクッ・・・ピクン!
「ぁ、ぁ、ひ、ぁぁあッ、ぃや、やぁんッ・・・!!」
強制的な快楽に涙を流して声を上げても、鳴人は絶対にやめてくれない。
「ぁッ・・・る、ひとぉッ・・・!」
乳首への刺激だけで先走りを噴き上げる自分が嫌で名前を呼んだら反対の突起をコリッと甘噛みされた。
コリコリとその感触を楽しむように歯をあてられてまた新しい涙が滲む。
ソファの上で鳴人に組み敷かれ、逃げ場のない快楽に腰を振る。
ローターがプルプルとしこった突起をつつくたびに快楽に悦び悲鳴を上げる。
さっき言われたとおりだ。
きっと僕はアダルトビデオの男優よりも快感に弱い。
鳴人の尖らせた舌が乳首の窪みを何度も擦りあげ、溢れる先走りに白いものが混じりはじめるとようやくローターを止めてもらえた。
「んふッ・・・ふッ・・・はぁ・・・ぁッ、はぁッ」
ピクピクと陸に打ち上げられた魚のように背中が跳ねる。
その様子を見て鳴人が笑った。
「エロすぎ。乳首きもちよかったか?」
舐められすぎて唾液のテラテラと光る突起を摘まれながらそう言われ、僕はうっとりと頷くしかなかった。
きもちよすぎて頭がおかしくなりそうだった。
「あーあー。涎たらして・・・」
つ、と長い指に顎を伝った唾液を掬い取られる。
「まだまだ先は長いんだ・・・しっかりしろ」
「・・・ッ、やぁッ・・・」
怖い。欲しい。きもちいい。
僕の頭の中にはその三つがぐるぐる回ってそれ以外考えられなくなる。
ムズムズと疼くペニスをどうにかしてほしくて腰を突き上げると、鳴人は嬉しそうに笑ってカラダを起こした。
「ソファの背もたれに片足かけろ」
その格好は目の前の鳴人に奥の隠された場所まで晒すことになる。
かすかに残る理性が僕をぐずらせてためらいをみせると鳴人の手が足首を掴んで持ち上げてしまった。
「やッ・・・!」
慌てて勃ちあがったモノを隠すが、ソファに寝転がったままでは後ろの穴までは隠しきれない。
「み、ないでッ・・・やだぁ!!」
「すげーカッコ。ぐちゃぐちゃだな」
他人に向かって脚を大きく広げるなんて情けない格好、ちょっと前の僕なら想像すらしなかった。
今ではもう見られただけでソコがひくつくまでいやらしくなってしまったのに。
まるで漏らしてしまったかのようにソコは濡れていて、鳴人を欲しがってひとりでに悶えている。
ひょい、と脚をかけられ、革のソファが音を立てた。
「絶対に脚を外すな。俺の言うことがわかるな?」
傲慢なその言葉でさえ僕を昂らせ、命令に従わせる。
僕はただ壊れた玩具のように頷くしかない。
「い、たいの、しない・・・?」
はぁはぁと興奮に荒くなる息を吐きながら訊くと、鳴人の手がそれに応えるように薄い内腿を撫でた。
「俺が今までお前に痛い思いさせたことがあるか?」
優しい声に僕は首を振る。
鳴人がいつもしてくれることは、恥ずかしいけど気持ちよくて。
最初に無理矢理されたときだって絶対に痛いことはしなかった。
だからいつの間にかほだされたのかもしれない。
鋭い眼差しの奥にある優しさが見えたから。
「きもちよくしてやる・・・泣かせて、喘がせて、もっとしてって言うまで」
その言葉に背筋を電流が走った。
「ぁあッ・・・なるひ、と・・・はやくッ・・・!」
我慢できなくてはしたなくねだる。
そんな僕にも鳴人は呆れずに嬉しそうな顔をする。
淫乱だって言われてもいい。
だって、その通りだ。
出会ったときからそう。
僕は鳴人の前ではいくらでも淫らになれるんだから。
「手、どけろ。お前の可愛いおちんちん見せてみろよ」
「ぁッ・・・んぅ・・・!」
ゆっくりとぬるぬるの手をどけて、鳴人にペニスを苛めさせる。
「お前のいやらしい先っぽ・・・最初より剥けてきたな。前より感じやすくなったんじゃないのか?」
真っ赤な顔を覗かせた先端の頂点で泉が溢れる。
その小さな穴を弄るのが鳴人の好きな悪戯。
ソコは僕が性器の中で一番感じる場所で、一番乱れてしまうところだから。
「健多。ココをローターで苛めてもらうのと、後ろにローター突っ込まれるの、どっちがいい」
クチュクチュと爪で穴の入口をくすぐられながら訊かれ、僕は腰をめちゃくちゃに捩って泣き叫んだ。
「はぁんッ!あ、あ、ひぃッ、ま、まえがッ、やんッ!あぁッ!ま、えが、いいッ・・・!!」
「前って?」
鳴人の指は止まらない。
僕の腰を片手で押さえつけ、さらに先端だけを苛める。
「ぁッ!な、らめッ、ソコ、おねがぃッ、あぁあッ!」
ビクンビクンと腰が跳ねあがり、つま先が丸まったまま宙を掻く。
「おねがいじゃわからないだろ?」
「ぃやぁああッ・・・いぅ・・・いう、からぁッ!!」
「お前ホントにココ弱いよな」
呆れたような声とともにやっとソコへの攻撃が止み、僕はボロボロと泣きながら息を整える。
「んひッ・・・ぁ・・・ひん・・・」
「わかったわかった。きもちよすぎておかしくなっちゃうんだよな?でも嫌じゃないんだろ?」
優しく投げかけられる言葉に小さく頷くと、汗で髪の張り付いた額をゆっくりと撫でられた。
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