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キリリク小説。
藍崎鳴人の受難の一日A
何を疑っているのか、ぶすっとしたまま右手の手錠の鍵を外す。

カチリ、と小さな音とともに俺の右手がやっと生き返った。

「・・・・コッチは」

左手も揺らしてみるが、健多はぽいっとベッドの上に鍵を放り投げてしまった。

「おいコラ、待て!」

冗談じゃない。これじゃあさっきと何も状況が変わっていない。

「コッチが繋がってたらどこにも行きようがねえだろ!」

支離滅裂にもほどがある。

「これでいーの!」

怒鳴る俺のことなんか完全に気にせず、健多はさらに太腿の上で脚を開く。

俺に見えやすいように腰を前に突き出し、蕾の入口だけを指でちょっと開いた。

「ぁんッ・・・ねぇ、はやくッ・・・!」

・・・・・・仕方がない。

とりあえず今はこのままでヤるしかない。
俺だってとっくに限界超えてんだ。

「絶対にそこから動くな」

一応、念を押して俺は健多の卑猥な蕾に指を伸ばす。

いくつもの襞が重なるその花に爪を喰い込ませると、健多は「ぁッ!」と小さく声を上げて腰を引いた。

さっきまでは俺の先走りをソコに塗り込めていたが、もうとっくに乾いている。

これでは健多に苦痛しかもたらさない。

内心悪態をつきながら俺は自分のモノに手を伸ばした。

さっきから焦らされまくってビクビクと痙攣するペニスを握ると、すぐに蜜が溢れてくる。

歯をくいしばってネットリととしたそれを指に纏わせると、もう一度蕾に突き立てた。

今度はズルッと勢いよく一本ナカに滑り込んでいく。

もともと開かれることに慣れたカラダだ。
一度入口を過ぎてしまえばあとは自然にほころぶ。

人差し指を内壁を傷つけないようにぐにぐにと回しながら挿れてやれば、健多のナカは嬉しそうに締め付けてくる。

「やッ、ぁあんッ」

限界まで開かれた健多の脚がビクンと跳ねた。

媚肉を擦られる衝撃に一瞬また腰が逃げるが、すぐに思い直してまたおずおずと蕾を差し出す。

口ではいやとかなんとか言いながら、結局健多はきもちいいことが大好きだ。

今も潤んだ瞳で俺を見つめ、半開きの唇をぷるぷると揺らしている。

その顔にソソられ、もっと乱れさせてやるために前立腺を押し上げた。

「ぃ、ひぃッ!?」

指先に当たるコリッとした感触。

健多がココで快感を得るカラダで本当によかったと思う。
だからこんなに悦ばせてやれる。

しばらく前立腺を苛めて健多を喘がせたあと、指を徐々に増やしていく。

二本、三本。

もうそれが楽に入る頃には、健多は俺を受け入れる準備が完全にできていた。

絡みついていやらしく蠢くあの肉壁。

そこに自分の滾ったモノを挿入することを想像しただけでイってしまいそうになる。

「・・・健多。一回イかせるからな」

一度射精してしまったほうが力が抜けて入りやすい。

それをわかっている俺は健多をさらに追い上げた。

「ぁあッ、あん、あぁんッ!ひ、ぁ、イ、イくぅ・・・!」

手を後ろに回して俺の膝の上につき、腰をくねらせていた健多のカラダが一度ビクンと跳ねた。

それと同時にピンク色の感じやすい先端から濃い白濁が噴射される。

背中を反らせて爪先をぎゅっと丸め射精の余韻に浸る健多の卑猥な姿に、俺の股間がミシミシと音をたてそうなほど震えた。

「健多」

まだぷるぷると小刻みに震えている健多の腕をとり、引き寄せる。

「早く挿れ、」

健多の目が快感にトロンと細、め・・・ら・・・れ・・・?

「ねむい」

・・・・・・・・・・・・・・・は?

ちょっと待て・・・・ちょっと待てって!

「なに考えてんだ!コラ、寝るな!横になるな!くそっ、ふざけろよお前!?」

俺の必死の抗議などまったく耳に入っていないかのように、健多は自分の腕を掴んでいる手をバシッとはたき落とし、俺の足元にぽてっと横たわった。

慌てて手を伸ばすが、計算か、はたまた悪魔の悪戯か、ギリギリのところで健多に触れられない。

滾った熱を発散できない苛立ちに、いまだ繋がれたままの左手をガンガンと叩く。

「このッ、ざけんな!外れッ・・・・・・・・くそッ!!!」

腹の底から叫ぶなんて、何年ぶりだろう・・・。

足元で満足そうに可愛い寝息をたてる健多を横目に、俺は永遠とも思える時間をたったひとつの手錠と格闘して過ごしたのだった。









・・・・・・・・・・・・眩しい。

それに、カラダがダルい。なんでだろう。

鉛のように重い上半身を起こして今の自分の居場所を確かめるために目を開けると。

そこは、地獄絵図でした。

「・・・・・・な、なにコレ!」

シーツは見るも無残に捲れてぐっちゃぐちゃ。

サイドボードの端に置いてあったはずの目覚まし時計は床に落ちてプラスチック部分が粉々に砕けて、電池も近くに転がっている。

そして、そんなことはともかく。

「鳴人!?なんでそんな格好・・・!?」

僕の目の前には手錠でベッドに左手を繋がれ、今まで見たこともないような顔でぐったりと横になっている鳴人の姿があった。

しかもシャツは肌蹴て、下半身にいたってはなにも着けていない。

まさか・・・死・・・・・!?

慌てて鳴人に近寄る。

「だ・・・誰がこんなこと・・・!」

ひどい。ひどすぎる。

「鳴人!なるひとっ!」

頬を叩いて意識があるかどうか確かめる。

頭を揺らさないように何度か強く叩くと、しばらくして鳴人がうっすらと目を開けた。

「よかった・・・気がついた。いったい何があっ・・・・・アレ?なんで僕まで裸?」

「・・・・・健多」

「そうだ、コレ外さなきゃ!鍵は引き出しに・・・ん?」

たしか手錠の鍵は引き出しの底に置いてあったはずだ。
今度使われたときのために一応鍵の場所を確認しておいた。

でも、今はその鍵が僕の足元に落ちている。

「早く外せ」

「え、あ、うん」

まあいいか。とにかく鳴人を解放しないと。

それにしても・・・なんか鳴人の目が・・・

カチリ。

「・・・・・」

鳴人は自由になった左手首をさすりながらまっすぐに僕を見つめた。
そして手招きをする。

こっちに来いってことだろうか。

仕方なく鳴人の横まで膝歩きで移動すると。

「手」

「え?」

一瞬なにを言われたのかわからず訊き返すと、鳴人が僕の右手を指差してもう一度言った。

「手。かせ」

「あ・・・うん。はい」

それよりもこの状況の説明を・・・なんて思っている間に。

カチャン。

「・・・・・・・・・・・・・・・はい!?」

なに・・・なにしてくれちゃってんのこの人!?なんで手錠なんかはめたんだ!?

なんで僕がベッドに繋がれなきゃいけないんだ!

あまりのことに声も出せずにいると、今度は床に落ちていたもうひとつの手錠を拾い上げ、あろうことか僕のもう片方の手に嵌めた。

「なに考えてッ、ぃ、たッ!」

手錠を引っ張られ腕を持ち上げられる痛みに顔をしかめると、あっという間にもう片方もベッドに繋がれる。

「なんでこんなこと・・・」

こんなことされる意味もどうしたらいいのかもわからない。

混乱する頭で原因を探っていると、相変わらず表情のない鳴人がベッドヘッドに手をついて僕を見下ろしてきた。

「な、」

「さて。どっちがいいか選べ」

「・・・どっち、って」

「失神するまでイかされるのと、失神してもイかせてもらえない。どっちがいい」

形の良い唇が、に、と笑みの形に歪んだ。








本当の地獄はそこにあった。

「ひぃッ!!い、やッ、あ、あ、あ、ぁあーーーッ!!」

ガチガチと鎖の擦れる音。そして自分のものとは思えないほどの甲高い悲鳴。

そしてナカが突き破られそうなほどに深く挿しこまれ、カラダの奥の奥に、何度目かわからないくらいの熱い体液が注がれた。

「ぁッ・・・あんッ、ひ、ぁ・・・」

うねうねと蠢く肉の中で鳴人のモノが小刻みに震え、最後の一滴まで出しつくす。

でも僕は。

「な・・・ひ、と・・・イき・・・い・・・イきたぃ・・・!!」

硬いモノで何度も何度も前立腺を擦られて、先走りでぐちゃぐちゃになったペニスを苛められ。
それでも僕が昇り詰めようとすれば、一切手を触れようともしなくなる。

僕のペニスは訪れる絶頂を幾度となくとどめられ、もう限界を訴えていた。

「だ、させっ・・・も、やだッ・・・!」

パンパンに張った二つの玉の中で精液が暴れまわってるみたいだ。早く出さないと、壊れてしまう。

泣きながら訴えると、鳴人は3回くらい出してやっと治まった自分のペニスを僕のナカからズルッと抜いた。
柔らかい肉の塊が敏感になった場所を擦りながら抜け落ちる感覚に鳥肌が立つ。

さっきからずっとこう。
鳴人がイった途端にナカのモノを抜かれ、僕は一度もイかされないまま今度は震えるペニスを弄られる。

僕の先走りで濡れた鳴人の手がやっぱりまた僕の性器に伸ばされ、気が狂いそうな時間がまた訪れた。

「ぃ、や・・・や、やぁッ!やだッ、やぁーッ!」

髪を振り乱して限界を訴える。

それでも鳴人の手は手加減などせず、僕の性器を苛め倒す。

先っぽの穴をたっぷりくすぐって、皮を剥き下ろしながら茎を扱いて、たぷたぷと揺れる睾丸を指先で転がして。

何度やめてと叫んでも、この悪魔のような行為が終わるのは僕が本当にイきそうになるときだけだ。

クチュクチュと蜜を孕んだ場所を弄られる拷問のような快楽に泣き叫びながら、僕は耳元でさっき自分が鳴人に何をしたかを何度も何度も囁かれる。

鳴人のペニスを愛撫して、自分で後ろの穴を弄って。快楽に蕩けた顔で鳴人を誘った。

そんな記憶にもない話ききたくなくて、そんなことをした自分が恥ずかしくて。

そんな・・・ずっと必死に押し殺してきた願望を、鳴人の前にすべてさらしてしまったなんて、信じたくなくて。

鳴人が出て行ったあとに自分が酒を飲んだのは覚えてる。

ただ、寂しかっただけ。

高校生と大学生っていうほんのささいな違いなはずなのに、僕は子供だから我慢するしかないってことが悔しかっただけ。

僕の、なのに。

そう思ったとたん、新しい涙が目尻を伝ってシーツに落ちた。

「・・・め・・・なさ・・・!」

ペニスからの快感に脳味噌が溶ける。

僕の中でそれがきっかけとなって、何かが壊れた。

「ご、め・・・なさぃ・・・なる・・・ごめ・・・ぃ・・・!」

心配させてごめんなさい。
困らせてごめんなさい。
我慢させてごめんなさい。

「健多・・・?」

鳴人の手が止まる。
弄られ過ぎたソコが、ジンと疼いた。

「もう、しない、からッ・・・あんなこと、もうしないから・・・ゆるして・・・」

もう二度と、あんなはしたないコト―――。

そう誓って・・・・

「いや、別にそれはいい」

「へっ?」

鳴人の言葉に涙がピタッと止まった。

・・・なに。なんだそのスッキリした顔は!!

「しても、いいって・・・」

思わずなにを、と訊き返す僕に鳴人はなんでもないことのようにサラッと。

「手が出せなかったことを除けば、お前最高にエロかったしな。アレなら何度してもらっても、」

「はぁーーッ!?」

僕は涙も快感も何もかもすっとばして叫んだ。

「怒ってたんじゃないのかよ!?」

「・・・・・怒ってるにきまってんだろ」

ぐ、と鳴人の声が低くなる。

「一歩間違えれば死んでたんだ。そんなお前を見た俺の気持ちがわかるか」

真剣なその目になにも言い返せず、僕は目を伏せた。

「・・・とにかく、もう二度と俺の前以外で酒は飲むな。わかったか」

「二度と飲むなって言われても・・・」

もっと大人になったら付き合いもあるだろうし、そういうわけにはいかないと思うんですけど。

「俺以外のヤツをあんなふうに誘ったら困る」

「なに言ってんだよ!そんなのするわけな、ぃッ!?」

意地の悪い笑みを浮かべながら鳴人が僕のペニスをくちゅんと弄った。

突然の刺激に背筋が跳ねる。

「やッ!まだ、するの?・・・ん、ぁッ!」

「お前も反省したみたいだしな。今までイかせてやらなかったぶん、今度はっぷり出させてやるから喜べ」

「ぁッ、やんッ、も、もーいい、から!」

せっかくホッとして治まったのに、また勃ってきちゃったじゃないかー!!

「鳴人の、ばかッ・・・ぁ、ひぁあんッ!!」








僕の地獄はまだまだ続くようです・・・・。


酒は飲んでも飲まれるな。
お酒は二十歳になってから。

















<あとがき。>
小麦さま、大変おまたせいたしました!

え〜、健多が鳴人を攻める立場逆転、お酒を飲んで健多がエロモードになる、そしてお仕置き・・・とのことでしたが!
立場逆転、というかなんか襲い受&誘い受って感じになってますね(笑)
いかがでしょうか・・・引き取っていただけるでしょうか(笑)
普段はあまり見せない健多くんの性欲、といいますか、そういったものが伝わればいいなぁと思いながら書かせていただきました!
お粗末さまでございました☆

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あきゅろす。
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