キリリク小説。
健多くんの苦難の日々6A
「は・・・・ぁ、ぁあ・・・・」
「きもちよかったか?」
射精の余韻とバスルームに充満する湯気にあてられ、質問に答えるかわりにぐったりと鳴人の腕にもたれかかる。
そんな僕を鳴人は脇に腕を差し込んで支えて立たせると、流れ続けるシャワーでさっと全身を清めた。
イったばかりで敏感なカラダはどこを触られても気持ちよくて、僕はいけないと思いつつも、ついうっとりと鳴人の手の感触に酔ってしまう。
「なるひと・・・」
名前を呼ぶと額の濡れた髪を掻きあげられ、湯船に運ばれる。
鳴人がまず中に入り、僕に手を伸ばす。
「ほら、入れ」
「・・・うん」
ゆっくりと片足をお湯の中に入れると、熱めに設定したお湯に脚が痺れた。
鳴人は湯船の中で大きく脚を開いて、その間に僕を入れる。
「お前一回イった途端に大人しくなるよな」
笑いながら言われても何も言えなかった。
確かにその通りで、こんなカラダになってしまった自分を呪いたい。
いくら広いマンションのバスルームと言ったってさすがに男が二人も入れば狭い。
自然とぴったり肌を密着させる形になり、背中いっぱいに鳴人の鼓動を感じる。
どくどくとお湯が波打っているのは僕の心臓のせいか、それとも二人のそれのせいか。
一度精を吐きだした後の適度な疲労と心地よい心音に僕を眠気が襲うが、それも後ろから股の間に差し入れられた指に吹き飛ばされた。
「あぅッ、やぁっ!」
鳴人の指が僕の入口をクニクニと撫でる。
そのたびに頻繁なセックスで柔らかくなったソコは自然と形を変え、口を小さく開けてしまう。
「はぁんっ!あ、だめ、お湯がぁ・・・」
指が入口に隙間をつくり、そのナカに容赦なくお湯が入り込む。
形のないお湯はわずかな隙間でもどんどん奥に流れていってしまう。
「あつ、い・・・あついッ、から、やめてッ!」
広げられる痛みはまったくないのに、内臓が内側から焼かれるような熱さに僕はのたうちまわった。
暴れると一度指を抜かれ、ほっとした瞬間に今度は二本を第一関節まで挿れられる。
隙間が大きくなり、そこから大量のお湯が入り込んで僕は悲鳴を上げた。
「あああッ!!」
鳴人の指はぐるぐると入口を広げた後、ゆっくりと根元まで入り込んでくる。
内側の熱とときどきイイトコロに当たる指に背筋を反らせると、自然と鳴人の下半身に押し付けられた尻に硬いモノが触れた。
「ぁ、あ、ああ・・・」
ジクジクとした疼きが広がっていく。
浴槽の縁に両手をついて、僕はその上に顔を伏せた。
徐々に指を入れられているところから快感が起こり、器用な指が前立腺を小刻みに揺するたびに意識が朦朧としてくる。
「ひぁっ・・・あんッ、あ、あぁん・・・」
ついさっきまでしっかりと口を閉じていたはずの僕の穴はもう完全に蕩けて、鳴人を迎え入れようと蠕動し始めていた。
すると鳴人の指がナカからずるっと抜けだし、突然の排泄感に息を詰める。
離れた手は僕の腰をぐっと両手で掴んで少し浮かせた。
挿れられる。
覚悟と期待に胸がぎゅっと痛み、次にくる衝撃に備えて深呼吸をしたが。
「・・・え?ぁ、わッ!」
突然中腰にされ、腰を回転される。
慌てて態勢を立て直すと、今度は鳴人の太腿に腰をおろして正面に向き合わされた。
すぐ目の前に鳴人の顔があって、思わず視線を逸らす。
「なにすんだよ!」
感じてる顔をまじまじと見られて耳まで熱くなる。
それよりも恥ずかしいのは、僕の勃起したモノに鳴人の大きなソレがちょんと当たることだ。
何度見ても見慣れないソレはお湯の中でもかなり熱を発しているのがわかる。
「なんでこんな・・・」
鳴人のモノが当たらないように少しでも離れようと胸に手をついて突っぱねたが、僕の腰を掴んだままの手がまたぐっと引き寄せた。
「お前さっきからひとりで感じすぎ。今日は俺を癒してくれるんだろ?」
「ひとりでって・・・自分がしたくせに!」
自分が気持ちよくさせておいてこの言い草はないと思う。
僕だって好きであんなに感じてるわけじゃないのに!
さっき弄られた穴が疼いて仕方がない。
やわらかくパクパクと息づくソコはさっきから自然にお湯を呑み込んでどんどん熱くなっているのだ。
その熱をどうにかしたくて腰を揺らす僕に、鳴人はとんでもないことを言い出した。
「今日は自分から挿れろ。俺をきもちよくしろよ」
「なッ・・・そんなのできない!」
挿れられるだけでも覚悟がいるのに、自分から受け入れるなんて考えた事もない。
「できる、できないの問題じゃない。お前が自分で挿れやすいように水の中に入ってやったんだから」
ぐ、と腰を持ち上げられ、慌てて鳴人の肩に手をつく。
「やだッ・・・!」
「そのまま腰をおろせ」
中途半端に腰を浮かせた状態で僕は腰の手を離された。
下には鳴人の硬いペニス。
このまま腰をおろせば鳴人の指でほぐれた穴は間違いなく鳴人のモノを呑み込んでいくだろう。
怖い。
でも、それ以上の快感を知ってしまっているから。
「・・・・〜〜んぅッ!」
ゆっくりと膝を曲げ、腰をおとしていく。
鳴人は僕の尻たぶを下から救いあげ、ぐっと広げた。
「は、あぁんッ!」
穴の中に一気にお湯が入り込む。
その感触に泣きそうになりながらも、鳴人のペニスを探す。
そしてついに会陰にゴリッとした硬い感触が当たった。
「そう・・・それだ。ほら、ちゃんと入口を確かめろ」
楽しそうな声が伏せた頭上から降ってきて、僕はもうなかばヤケになって入口を移動させる。
パクパクとお湯を吸いこむ穴を張り出した先端が捉える。
そして。
「はっ・・・あ、ぁあああッ・・・・!」
深く深く息を吐きながら、僕はソレを呑み込んだ。
ぐぐぐ、と媚肉を割り開かれる感触。
ナカに入り込んだお湯が隙間から溢れだし、そのかわりに圧倒的な質量のソレが僕の中を埋めていく。
カリの部分が入り込むときは息ができず、必死にカラダの力を抜いてやっと先端をすべて呑み込んだ。
「ぁ、ああ・・・あんッ・・・も、だめぇ・・・」
「・・・もう少し、だろ。ほら」
ぐい、と鳴人が呑み込んだ入口に指をあてて開く。
その拍子にズン!とすべてが僕の中に滑り込んできた。
「やッ、ん、んーーッ・・・!!」
鳴人の首筋に唇を押し当て悲鳴を上げる。
入る瞬間に前立腺が押し潰され、一瞬眩暈がするような快感に襲われた。
カラダがプルプルと震える。
ナカが熱くて硬くて、もう気持ちいいのか苦しいのかもわからない。
「ぁっ、な、なるひとっ、挿れ、たからッ!」
とにかく鳴人にどうにかしてもらうしかなくて、僕は肩に爪をたてながら叫んだ。
しかし鳴人は僕の脇腹を撫で上げるだけで、全然動いてくれない。
「自分でしろって言ったろ」
ガツンと頭を殴られたかと思うような衝撃的な言葉だった。
「むり、だよッ・・・できなぃ・・・!」
「できる。きもちよくなりたいんだろ?」
背中を鳴人の指が這い、ゾクゾクと痺れが走った。
いっこうに刺さったモノが動く気配はなく、僕は焦れに焦れて、ついに折れた。
「ん、んぅっ・・・ひ、んッ!」
浴槽の底に爪先をつき、鳴人の肩をしっかり掴んで腰をゆっくりと揺する。
蕩けたソコを硬いペニスがぐにぐにと動く感触に肌が粟立つ。
「ぁ、あ、ああ、ぁあ、んぁ、ああんッ」
腰を浮かし、また奥まで呑み込む。
最初は少しずつだった動きがどんどん大きくなっていくのが自分でもわかって泣きそうだった。
気がつけば僕は夢中で腰を振って、鳴人のペニスを内壁のすべての場所を使って味わっていた。
「あ、あッ、アアッ、あ、ひッ、い、いやぁッ!」
バッシャバッシャとお湯が溢れる音が耳に届くたび、ドロドロに溶けた理性が流れ出していく。
「ひッ、や、やんッ、やぁんッ!き、きもちいよ・・・ナカ、がっ、ぁ、うぁんッ!」
自分で前立腺を探して、ソコに鳴人の切っ先を当てる。
ゴリゴリと抉られる快感に全身が突っ張った。
「こら淫乱・・・お前だけきもちよくなるなって、言っただろ・・・」
そう笑う鳴人の声が遠くに聞こえて、僕はやっと少しだけ冷静になった。
「ぁッ・・・ご、ごめ、なさっ・・・」
それでも前後左右に揺れる自分の腰を止めることができなくて、泣きながら謝る。
「ま、このままでも気持ちいいけどな・・・ほら、もっと締めつけろ。ココに集中するんだ」
ココ、と繋がっている穴をぐるりと撫でられ、脚が跳ね上がる。
言われたとおりに快感に流されそうになるカラダを必死に押しとどめ、ソコを引き絞った。
「っつ!・・・そうだ・・・それでいい」
満足そうな深い吐息が耳を打ち、嬉しくなる。
悦んでくれてる。
それだけで快感が何倍にも膨れ上がった。
「ぁあッ!あ、あんあんあんッ!ひぃっ、あ、なる、なるひとぉッ!」
お湯の中でなかったらきっとすごい音がしただろう。
それくらい僕は激しく腰を振りたて、鳴人に快感を与えることに集中した。
もうそろそろ限界。
そう思う頃に両手で頭を掴まれる。
求められていることがなんなのかわかり、僕は腕を鳴人の首に回した。
舌を差し出し、深く口づける。
カラダの奥底から湧きあがる快感に息ができなくなっても、今はこの唇を離したくなかった。
「んぅ、ん、ひんッ、んぅ、んーーッ!!」
ビクンッ!ビク、ビクッ!
頭の中が真っ白になって、全身を硬直させて僕はイった。
お湯の中に勢いよく白濁が溶けだし、鳴人の腹部を打つ。
カラダの一番奥にお湯よりも熱いモノがたっぷり注がれる。
くちゃくちゃと唾液を絡めあいながら、僕たちは最後の一滴を出しつくすまで、お互いを貪り合った。
「ん、はぁっ・・・・は、はっ、ぁー・・・」
やっと離れた唇から一気に熱気が入り込んでくる。
繋がった場所にドクドクと脈打つ鼓動を感じながら、鳴人に凭れかかり、そしてそのまま。
「はっ・・・・ん?・・・健多?」
意識を失った。
「・・・ったく。これじゃどっちが世話してるんだか」
「・・・・・・ごめん」
僕を覗き込んで座る鳴人に向かって僕は掠れた声で謝った。
クーラーをガンガンに効かせた寝室で、僕は裸にタオルケットを巻いた姿で横たわっていた。
額には濡れたタオルを乗せてもらい、冷たい水をもらう。
つまり、のぼせて倒れたのだ。
慣れないお湯の中での行為は僕に予想以上の負担を強いた。
「鳴人疲れてるのに・・・運ばせたりとか」
まったく本末転倒だ。
・・・いや、そもそも今日はしないって最初から言ったのに・・・いや、でも・・・
「なにぐちゃぐちゃ考えてんだよ。いいから寝てろ」
ぐりぐりと頭を押され、僕は仕方なく目を閉じる。
ぼんやりと明るい瞼の向こうに鳴人の視線を感じて、泥のような疲労が眠気を誘いだす。
「・・・鳴人」
「ん?」
ずっと気になってたこと。
「その・・・僕を抱いて、ちょっとは・・・ストレス解消になった?」
僕は鳴人に無理をさせてるんじゃないか。
僕の見ていないところでもっと頑張ってるんじゃないか。
そう考えてしまうたびに、申し訳ない気になって。
「もし・・・そうならいいんだけ、どッ!?」
バシン!と勢いよく頭に手のひらを打ちつけられる。
「ぃ、ッたぁ!」
のぼせた頭がぐわんぐわんと揺れ、目を開けると眩暈がした。
「なにすんッ・・・!」
「ストレスだあ?」
呆れたような、怒ったような顔がそこにはあった。
「誰がストレス解消のためにお前を抱いてるって?」
「・・・・・で、でも」
僕のかすかな反論は、鳴人の真剣な目にさえぎられる。
「お前は俺を慰めるための道具じゃねえんだよ」
その言葉が、じんと胸を打って不覚にもちょっと感動してしまった。
「・・・わかったらさっさと寝ろ。これ以上なんか言ったらもう一回犯す」
「・・・すみません。もう言いません」
鳴人がベッドから降りて電気を消す。
そして僕の隣に横になると、ゆっくりと一回、頭を撫でてきた。
その指先が気持ちよくて、カラダを横にして鳴人の胸に顔を埋める。
いったいどんな顔をするんだろうと顔を覗き込むと、もう鳴人は深い寝息を立てていた。
「疲れてるなぁ・・・」
起こさないように静かに呟き、僕も目を閉じる。
明日は一日ダラダラしていよう。
こうしてベッドに寝たまま二人で過ごすのもいいかもしれない。
とにかく疲れたカラダを癒そう。
そしていつの日か、僕自身が鳴人の安らげる場所になれればいい。
そう願いながら僕は眠りについた。
<あとがき。>
キーラさまへ捧げます!
upが大変遅れてしまって申し訳ございません!一ヶ月・・・お待たせいたしました・・・(泣)
リクエスト、受け子が攻めを大好き。そして晴れて恋人となった鳴人のために奮闘する健多。そして愛ある鬼畜プレイ!とのことでしたが・・・
あっまーーーーー!!(笑)
すみません、びっくりするほど健多が鳴人のこと大好きになってしまいました!こんなに受けが攻めを大好きでいいですか!?
こんなレベルでご期待に添えましたでしょか!?(笑)
ちょっと甘過ぎて鬼畜が足りなかったかもしれません、申し訳ないです・・・
もしこんな文章でよかったらもらってやってください!
リクエストありがとうございました!
お粗末さまでございました〜☆
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