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はかりごと@
中條透がこの春から村長として着任する村は、過疎化の進んだとある離島の農村だった。

透は現在27歳。大学を卒業したのち遠縁の現職大臣のつてを頼って大臣派閥の代議士の秘書を務めた。

そのうち県の地域振興隊としてボランティア活動をした大学時代の実績と、大臣の口利きで、流行りの青年村長という話題作りも兼ねた立場を任命されたのだ。

とはいえ透も将来的には国政への進出を狙っており、まだ先のこととはいえ、この僻地での自分の役割に誇りと責任をもってあたるつもりだ。

荷物を運び終え、いよいよ港に着いた透を出迎えたのは村の重役だという3人の初老の男だった。

「ようこそようこそ。よくおいでくださった」

目尻を下げてにこやかに手を差し出してきたのは最年長の田巻と名乗った男だ。

透はよく日焼けして農作業に荒れた田巻の手を力強く握った。

「このたびは宜しくお願いします。若輩者ですが皆様のお役に立てるよう精いっぱいやらせていただきます。ご指導のほどお願いします」

「いやぁ、まさか織田島先生の甥御さんにこんな島に来てもらえるとはねぇ。大臣には長く世話になってますよ」

透の手を横から奪うように掴んで言ったのは誉田という男らしい。

正確には透は大臣である織田島とは叔父甥の関係ではないのだが、あえて訂正するのも気が引けるので、ただ微笑むだけにとどめた。

もうひとりは善岡と名乗ったが挨拶をしてそれきり一言も発することはなかった。





山奥にポツンと建つ村役場は今にも崩れそうな見かけに反して中はなかなか使い心地がよさそうだった。

執務室の奥には広めの仮眠室が設えられ、一目見て高級だとわかるクイーンサイズのベッドが部屋の中央を占領しているのが気になったが、田巻によればそれは前村長のためのものであったという。

「前村長は身体があまり丈夫ではありませんでしてな、いつでも休めるように村の皆で贈ったのですよ。皆にとても慕われておったんです」

「素晴らしい方だったんですね」

「ええ。しかし結局一度も使われることのないまま前村長は亡くなられましてな。せめて中條さんにこのまま使ってもらえないかと思っているのです」

「よろしいんでしょうか、自分のようなものが・・・」

「なに、それ以上の働きを期待しておりますよ」

快活に笑う善岡に透は前途の明るいことを確信した。

その後小さな村を一通り案内され、透は500人ほどの村人に挨拶をして回った。

村人は青年とよべる人数の割合が2割ほど。残りは老人が多く、なぜか女性の数が極めて少ない。

「辺鄙な山奥の村ですから女性はあまり寄り付かんのです。ここ最近は嫁不足にも悩まされています。皆が中條さんのようにいい男ならいいんですがハハ」

「いえ、そんな」

誉田が胡麻塩頭を掻きながら笑ったが、これはなかなか由々しき問題だ。透は頭の中の早急にとりかかるべきこと一覧にしっかりとその項目を書き留めた。

最後に案内されたのは見渡す限り大きく開けた採掘場のような場所だ。

この景色にはよく見覚えがあった。

「ここが例の」

「そうです。産廃最終処分場の建設予定地です」

村長の話を持ちかけられた時、大臣直々の呼び出しでこの件については説明を受けた。

透がこの村に送り出されたことにこの土地は大きく関係があるのだ。そしてこの問題が大臣の思うように運ばなかった場合、透の政治家としての将来はないものと約束されている。

いわばこの件のためだけに派遣されたといってもいい。

大臣が透に求めることはひとつ。

この地に住む人間に処分場の建設を受け入れさせるということ。

「村の皆さんは建設について反対なんでしょうか」

事前の説明では賛成と反対はちょうど半々だと聞いていた。

「・・・それは中條さん次第でしょうな」

田巻は遠くを見つめながら呟いた。

「え?」

「まぁこの話は今夜にしましょう。役場に人を呼んでささやかですが宴席を設けます。その時にでも、ね。接待になってしまいますから中條さんにも会費を払っていただきますがよろしいですかな」

「それはもちろん。楽しみにしています」

この件自体はあまり楽しい話ではない。酒の席で住民の忌憚のない意見を直接聞けるのは今後の動き方の参考になるはずだと透ははりきって答えた。





ささやかといわれた宴会はすでに20人もの人々が集まっていた。

畳敷きの部屋に脚の短い長机がコの字に並べられ、本土から届いたという盛皿が食べきれないほど置かれている。さらに小さな壇上には酒が何本も用意してあった。

女性が少ない村というだけあって参加者はすべて男だ。男盛りの30歳ほどの男性から齢80は超えていそうな老人まで様々な世代が集まっている。

透の簡単な紹介がされほどよく酒が回ってきた頃、田巻が透の隣に腰かけ酒をグラスに注いだ。

「ありがとうございます」

「たんと飲んでください。この島には酒が一発で抜けるいい植物が自生してましてね。いくら飲みすぎても大丈夫ですから」

「へえ、そういうのがあるんですか!もしかして特産品ですか?すみません勉強不足で・・・」

「いやいやこの村の人間しか知らんのです。それがあの処分場予定地に少しばかり生えてるんですよ」

「そうですか・・・では処分場ができたら・・・」

一気に不味くなった酒を透は無理やり流し込んだ。

「そうだ。ここにそれを乾燥させて粉末にしたものがありますよ。中條さんも試してみるといい」

そう言って田巻が差し出したのは小さな薬包だ。ひとつを透に渡し、もうひとつ同じものを取り出して田巻は慣れた様子でそれを水なしで飲み込んだ。

何事も経験と透はそれを受け取り、水をもらって口に含む。

苦みも少なく後味も悪くない。

「この植物はとても良くてねぇ。村の連中が建設に反対するのもアレがあるからっていうのが大きいんですよ」

「はぁ・・・」

「中條さんはこの村が三年後に合併するという話はご存知でしょうね」

「あ、ハイもちろん。本土の市と合併が決まってるんですよね」

「これはここだけの話なんですが・・・」

手を当てて囁く田巻の口元に透は耳を寄せる。

「つい最近、大臣を電話で話をしたのです。もし処分場の建設が決定したあかつきには、ぜひあなたを市議に推してほしいと」

「えっ!?」

「処分場ができれば、ほら、汚い話ですがけっこうな金が入るでしょう。小さな島ですがこの島の影響力が大きくなるのは間違いない。少なからず仕事もできますしね。そのとき島のことをわかっている人間をひとり据えたいらしいんです」

「ですが、私は余所者ですし・・・」

「三年も住めば立派な島民ですよ。私どももまったく知らない人間よりは中條さんのような若さもやる気もある人の方がいい」

「・・・」

「それともうひとつ」

今度はたっぷりともったいぶって、ひと際小さな声で囁いた。

「中條さんが市議になられた際には、大臣のお嬢さんと結婚してもらいたい。そしてゆくゆくは大臣の選挙区を引き継いでもらいたいと・・・」

「えっ・・・!」

透は自分の耳を疑った。

織田島大臣の娘と結婚。現職の大臣の娘だ。しかも織田島は現在、次期総理に一番近い人間といわれている。

総理の娘婿ともなれば政治家としてのキャリアが約束されるだけでなく、まさに国のトップも夢ではない。
透は自分の心臓が破裂しそうなほど脈打つのを感じ、額の汗をぬぐった。

脳裏には国会でおびただしい数のフラッシュを浴びる自分の輝かしい未来像が鮮明に浮かんだ。

「我々が大臣の関係者であるあなたを受け入れた理由がおわかりでしょう」

「いや、あの、はい」

口では謙遜しているふうを装っているが、内心は眩暈がしそうなほど喜びに踊っている。

とても口外できる話ではない。しかし田巻はまだ驚くべき真実を口にした。

「まぁ小さな声で言いましたが、ここにいる皆がこの話を知っています」

「・・・本当ですか?」

「ええ。しかしこの場にいる全員が今の話を受け入れているわけではありません。環境問題もありますし、喜んでこの話を受けたとなれば世間の非難からも逃れらせません」

「それは、もちろんわかります」

本音と建て前は別だが、それはなにも金銭面だけでの問題ではない。

自然を愛する人間は一定数以上本当に存在する。彼らの意見ももっともなのだ。

「そこで中條さんには頑張って皆を味方につけてもらいたいのです」

「はい!」

すでに夢のような将来へと一歩踏み出した気でいる透は田巻の手を握った。

酒の力と興奮からか身体が燃えるように熱い。荒くなる息を必死で抑える。

「まずは何からとりかかるべきでしょうか」

きっちりと締めていたネクタイを緩めた透を眺め、田巻はなんでもないことのように言った。

「では服をすべて脱いでもらいましょう。あなたの素晴らしい未来のために」





それからさき起こったことに透は今でも信じられないでいる。

まず動いたのは田巻だった。

言葉の意味を理解できずに呆然としている透のネクタイを素早く外すと、それであっという間に手首を縛ってしまう。

「ちょッ、なにをするんですかっ!?やめてください!」

いくらなんでもおかしな状況に気づいた透が必死に抵抗するが、いつの間にか周囲に集まっていたすべての男たちが暴れる手足を押さえつけた。

「皆さん落ち着いてください!どういうことなんですかっ」

全力で抵抗するがなぜか身体がいうことをきかない。

全身、特にあられもない場所が燃えるように熱をもって、腰骨から下に力が入らなかった。

「くそッ・・・!」

あっという間にスラックスも脱がされ、靴下も剥ぎ取られる。

股の間をスースーする風が通り抜けるのが恥ずかしくてたまらない。

「はなせっ!こんなことしてタダですむと思ってんのか!?」

すでに立場など忘れて透は喚き散らした。しかし男たちの力は緩むどころかさらに恥ずかしい恰好を強要される。

脚を大きく開かされて腋に腕を挿し込まれ引き上げられる。

熱と羞恥で吐きそうなほどの眩暈が透を襲った。

それを冷静に眺めていた田巻が人のよさそうな笑顔を浮かべながら透の白い内腿を一撫でする。

「ぁッ・・・くぅ!」

ビリッと腰に電気が走り、それだけで股間のモノが少し容積を大きくしたのがわかった。

おかしい。

政治家として成功したいという野心は人一倍ある透だが、性については自分でも極めて淡泊なつもりだった。

特段敏感な性質でもなければ男に興奮する要素もない。

しかし今の状況で透は確実に強い欲情を感じている。

「お前ら俺に何をした!?」

いまさら媚びる必要性は皆無と声を荒げる透に、田巻は胸ポケットからさきほどの薬包を取り出して見せた。

「この粉ですよ。コレはたしかに酒の抜けも抜群になるが、実はもうひとつ大きな効能がありましてね」

目の前に少しずつピンク色の靄がかかりはじめ、透は大きく口を開いて息を吐く。

その口が開いた瞬間に田巻はもうひとつ薬包をさらりと流し込んだ。

「ぐっふッ・・・!」

噎せながら飲み込むしかない薬が全身に溶け込む。

「コレはね中條さん。男が男を欲しくてたまらなくなる粉だ」

「げほっ、な、なんだって?」

「この植物は男の体内に入ると他人の精液を求めて発情するんです。それも定期的に。我々の村にだけ伝わる男根信仰がある。それはこの植物を摂取した男たちが作り上げた部外秘の文化です」

さっきまでとは比べ物にならない熱と淫らな感情に透は全身を悶えさせながら何とか話を理解しようと田巻を見上げる。

「この村の男たちは頻繁に起こる男への発情のために、男児が秘密を守れる年齢になるとこの粉を呑ませる。性欲の受け手を増やすことで自分たちの負担を減らし、そしてその子供たちが成長したら同じことを繰り返す」

「じゃあこの村に女性が少ないのは・・・」

「秘密は固く守られています。ただ最近の女どもは鋭い。旦那が自分に興味を持たないとわかった途端に出て行ってしまう」

「く・・・狂ってる・・・!」

「それは我々が一番わかっています。ある意味我々も被害者だ。我々は男の精を摂取する快楽に抗うことができないのです」

「そんなものを・・・おれに・・・のませ、て・・・なにを・・・」

抗えない快楽というのはどうやら嘘ではないらしい。

もう透の目は自分を押さえつける男たちの膨らんだ股間を凝視している。

心臓が破裂しそうなほど燃え上がり、やや小振りなペニスは急角度をもって発情を伝えた。

「あぁぁ・・・やめろ・・・いやだ・・・」

気を抜けば男たちのパンツを引き下げてむしゃぶりつきたいと懇願してしまいそうだった。

目の前にある盛り上がった膨らみから何か怖ろしいほど甘美な匂いが漂ってくる。

開ききった口の端からあふれ出る唾液が床に滴った。

「いやぁ久々に薬に耐性のない人間の摂取を見ましたが、本当に素晴らしい。我々はね、この貴重な植物をなくすわけにはいかんのですよ。もはやコレがないとすべての村民が狂ってしまうのです。だから処分場を建設して金を貰い、研究室を作ってこの植物を守らなくてはならない。そのためにあなたは必要で、秘密を守ったまま研究を続けさせてくれる外部の仲間となるのです」

「ぁあああ、いやだ、いやらっ・・・!」

「おい。村長をベッドにお連れしろ」

田巻の指示で完全に腰の抜けた透が担ぎ上げられる。

もう指先ひとつ振り払うことができずに服に擦れる肌を震えながら抱きしめるだけだった。

「男にいたぶられる快感を身体にたっぷり刻みつけてやれ。二度と逆らわんようにな」





運ばれたのはあの仮眠室だった。

すでに起き上る力もない透はあっけなく転がされ、鼻息荒い男共は駄目押しとばかりに手足を押さえつける。

「はぁ〜たまんねぇなぁ。見た目の良いヤツでラッキーだわ」

怯えて視線を泳がせる透の顎を若い男が掴んで上向かせる。

「馬鹿、田巻さんが大臣に注文したんだよ。適度に使えて見栄えのいい奴を調達しろってな」

もう一人が作業着のチャックを下ろし中から湯気の出そうなほど勃起したものを取り出す。

それを見せつけるように透の鼻先で扱き上げた。

「ほぅら村長さん。今からたっぷりコレ食わせてやっからな〜」

トロリと先端に蜜が滲んだイチモツを虚ろな透の目が追った。

「おい突っ込むのはまだだ。お前らもっと狂わせろ」

「わかってますよ宗さん。おい」

「はいはい」

宗さんと呼ばれた中年男性の指示でさらに何人かがベッドに上がる。

「まずはお肉と緊張をほぐしましょうねぇ」

「気持ちよかったら言ってくださいね〜ひひっ」

「ううっ、なにッ・・・?あっ・・・あ!アッ!ひぃんッ!?」

始まったのは全身のくすぐりだった。

腕を広げられて腋の下、首筋、耳、へそ、腿の裏、膝。

「きひぃぃ!ひっ、いっ!はっ!はッはははっ!や、や、や、やァッ!ぁはははは!!」

「おーおービックビクだな」

「こりゃ元から感度良すぎだわ」

「ほ〜らこしょこしょこしょこしょ」

脇腹には何本もの指が高速でうごめき、羽のようなタッチで上下に素早く移動する。

男たちの爪は短く切り揃えられて痛みなどまったく感じない。

さらに脚を持ち上げられて膝裏の薄い皮膚を指先がカリカリと蠢く。

「あぁぁぁぁッやめろぉっや、ぐん、ふぅッ!くふふふふッ!やぁぁめぇぇぇッッ」

笑うまいと必死に歯を食いしばると息ができずにもっと辛い。

大きく開かれた脚はそれぞれ男たちが二人ずつ抱え、跳ね上がる腰を押さえつけたまま脇腹を突きまわされた。

「ひぃぃぃんんッ!ぁぅっねがっねがぃぃぃいいいいッ!!」

「そんなに暴れると後がつらいぜ村長〜ココもだろ〜?」

「ぃぃぃいいあああああああッ!?やめっ、ダメそれダメダメダメぁめ、ら、えッ」

神経が焼き切れるほどのくすぐったさに反ったり伸ばしたりと忙しい足裏を、男たちの指が触れるか触れないかのタッチで引っ掻いていく。

普段はそんなことをされることのない皮膚が薬のせいで何倍もの感度で透を狂わせていく。

もうくすぐったさが笑いの範疇を超えている。

叫び声は喘ぎ声となって仮眠室を地獄絵図へと変えていた。

「ぐぅぅぅんぅうううううッ!!」

もともと端正な顔立ちを快楽という名の暴力でぐちゃぐちゃに歪ませながら、透は絶望にまみれた泣き声をあげた。

指の股をこじ開けてくすぐられ、腰骨の奥深くから怒涛のように押し流されてくる尿意にも似た快感が爆発寸前の思考を滅多打ちにした。

息ができない。苦しい。

いっそ殺してくれ。

喋ることができたなら、そう叫んだだろう。

しかし現実に口をついて出てくるのは喘ぎ声と悲鳴だけ。

「見ろよ。もう勃ってきた」

「感じやすいどころがド淫乱だなこりゃ」

下卑た笑いが頭上から降ってくるが言葉を理解することはできない。

「・・・・ァッ・・・ぁっ、ァ・・・・」

やがて暴れることをやめ、透の身体がくすぐりを快楽として受け入れ始めた。

ときおり痙攣するだけで呆けたようにぽかんと開いた口から涎を垂らして法悦に浸る。

「・・・堕ちたな」

数名が何度か名残惜しそうに足裏をくすぐったあと、透の全身は解放された。

だらんと延びた両脚の間には何の雫かわからないものに濡れたペニスが緩く勃起していた。

「よし爺さん、いいぜ」

額の汗をシャツの袖で拭いながら部屋の入口に声をかける。

透を囲んでいた人垣が割れて、向こうから現れたのはこの村で最年長の老人だ。

「悪いなぁ」

皺くちゃの手を厭らしく揉みながら透の足元に腰かける。

「良い冥土の土産だな爺さん」

あちこちから笑い声があがり、老人も笑いながら潤滑剤を手に取った。

「お前らは乳首くすぐっとけ」

「任しときな」

「最初が辰爺ってのも可哀想だなぁ。辰爺の指は悪魔の指だからな」

「お前らとは年季が違うのよ」

にちゃにちゃと指先を粘液に擦り合わせ、老人は遠慮なく透のアナルを指で開いた。

「んっ・・・」

ありえない場所に感じる違和感にかすかに正気を取り戻した透が顔を上げる。

そしてされていることを理解して力の入らない腰を捩った。

「おっと。アンタはこっちで感じとけ」

「あっ」

快感で白い胸が赤く染まったその上で、もっと赤い乳首を左右から摘まれる。

「はっ・・・ぁ、ん・・・!」

爪の先でくすぐるようにそれぞれの乳首が違うリズムで弄られる。

ピンと跳ね上げるようにしたり、かすかな窪みを引っ掻くように擦ると透のペニスはひくひくと震えた。

その反応に気を良くした男たちは悶えるペニスにも指を絡めて扱き上げる。

濡れた手で裏筋を上下に撫で上げる者、カリ首を小さく円を描くようにくすぐる者、膨らんで充血した亀頭を開きながら蜜を塗り広げる者。

身体のあちこちから生まれる別々の快感を透は甘い声をあげて堪能した。

気持ちいい。身体中がそれだけで満たされる。

その間にも老人の指は尻穴の皺をひとつひとつ揉み解し、空洞を作り上げていく。

徐々にめくれたピンク色の体内が安い蛍光灯に照らされ、それを背後から観察していた男たちも自分の興奮したモノを取り出して扱き始める。

「ひくついてやがる」

言葉どおり透の穴はくすぐりによって完全に脱力して、少しずつ侵入し始めた指を押し返す力などなく、ただひくひくと蠕動しながら爪の先をのみ込んでいく。

「あ、んっあん、んふっ!」

全身を襲う快楽に持ち上がった爪先がきゅうっと丸まり、その足裏を誰かの指が優しく引っ掻く。また弛緩した穴にさらに指が潜り込んだ。

緊張と弛緩を繰り返すうちに尻穴は2本もの指をやすやすと飲み込むようになった。

粘着質な水音と興奮した荒い息が部屋を満たすなか、透の意識は少しずつ覚醒していく。

「はぁっ・・・そんなとこ・・・・」

「真っ赤で濡れてやらしいぞ。きれいなもんだ」

こんな姿を晒しながらも、冷静な判断を失った透は褒められることにかすかな喜びを感じていた。

囲まれたモノから漂ってくる生臭いはずの匂いがたまらなく腰に響く。

そんな物欲しげな視線に気づいたのか、乳首を丸く擦っていた男の一人が透の口元に逞しく勃起したペニスを擦り付けた。

「やめッ!」

一瞬浮かんだ嫌悪感に顔を反らそうとするが顎を掴まれて歯列をこじ開けられる。

「ちょっと味見させてやるよっ」

「ぐっ、んむぅッ」

皮の薄い熱塊を口いっぱいに押し込まれ思わず舌で押し出そうとした。

その瞬間。

「んぅっ!?」

透のペニスが一気に膨張した。

舌を伝って喉の奥に流れ込んでくる男の先走り。それが即効性の毒のように熱い身体を侵し満たしていく。

全身が喜びに打ち震える。コレが欲しかったのだと。

脳のすべてが一瞬で花開くように透は淫魔のごとく口の中のペニスを夢中で啜り始めた。

「んっ、くっ、んんっ、ァッ、もっ、ろぉ・・・!」

「うっ!キタキタぁ」

ぐちょぐちょと水音を立てて舌を絡め、血管をたどるように根本までしゃぶる。

溢れてくる精液まじりのものが身体に入るたびにたまらない甘さとなって染み渡っていくのがわかる。

透が知る男への愛撫の拙い知識ぜんぶをつかって精子を搾り取ろうと口を窄めて頭を上下させた。

舌で抉っている尿道口が大きく膨らんで、射精の予感に透は仕上げとばかりに先端を吸い上げる。

「でるっ」

「んんッ!くぅ、うッ!」

中で男が爆発した。

口いっぱいに熱い精液が広がる。それを舌で受け止めた透は口の中で味わうように白濁を転がし、ゆっくりと飲み込んだ。

喉を通り過ぎる甘美な蜜。

「はっ・・・・はぁぁぁぁ」

ゾクゾクと背筋を快楽が駆け上がる歓喜の声。

まだ残滓を垂らす亀頭にもう一度舌を伸ばしたとき。

「はぁぁんッ!」

ビクッと細い腰が跳ね上がる。

「いやぁぁぁぁッ!ソコッ!」

「よ〜し待たせたなぁ。ココがお前の駄目になる場所だぞぉ」

「やッ、ソコ、あんっ・・・やめっ・・・!」

穴の中を蠢いた指が擦っていたのはコリコリとした何かだった。

その一点を擦られるたびに尻の中からきゅうんとした快感が透を襲い、必死になって逃げようと尻を振りたてる。

「たまんねぇだろう・・・ほれ、コリコリしてやる。味わえよぉ」

「あぁぁぁんっ!らめぇっ!ソコだめぇッ!」

持ち上がった下半身で透のペニスがぶるぶる震えている。それを別の男が掴んで扱き上げた。

「あ――――ッ!?」

感じる場所を一気に弄られ。

「イクぅッ!イクイク、ッ!」

爪先まで硬直させて一気に精液を吐き出した。

射精している間も中のしこりを嬲る指とペニスを扱き上げる手は止まらず、意味不明な言葉を叫びながら許しを求める。

「き、もちぃぃぃ――――ッ!いやぁぁぁぁ!」

達している最中に乳首を苛められて身体のあちこちが痺れる。

子供のように泣きじゃくりながら透は何度も絶頂を迎え、意識を手放した。





※Aに続く。


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あきゅろす。
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