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可愛いオオカミさん
「紺谷っ!おれっ……おれ、紺谷のこと好きなんだっ!」

「………………は?」



部活が終わって帰ろうとしたとき、部室の前で俺、紺谷晃(コンタニ アキラ)は同じテニス部の真島夕斗(マシマ ユウト)先輩に声をかけられた。

辺りはもう真っ暗で、今日の部室の戸締まり係だった俺を、先輩は部室の裏で待ち伏せしていたらしい。

なにやら深刻な顔をして俺に「話がある」って言うもんだから、てっきり何か怒られるのかと思っていたら。

「だから…その、ずっと前からお前のことが……」

夕斗先輩は二年間テニス部に所属していたのに帰宅部の連中より細い肩をぷるぷる震わせて俯いた。

「先輩、落ち着いてください。今の……冗談じゃないんですよね?」

先輩はこんな冗談を言う人じゃない。

それにこの泣きそうな顔を見たら、先輩がどんだけ悩んで告白したかがわかる。

「冗談じゃ…ない。ごめん。気持ち悪いよな…」

「そんな…」

もちろん俺は先輩のことが嫌いじゃない。

先輩は誰に対しても優しいし、テニスだって決して上手いほうじゃなかったけれど、試合のときは全力でサポートしてくれた。

それにいつも笑顔でその場の空気を明るくしてくれる。

部活のみんなだって先輩が大好きだ。

……恋愛対象として好きかは別として。

たしか先輩は今週でテニス部を辞めるって言ってた。

かけもちで所属してる生徒会がこれから忙しくなるからって。

寂しくなると俺も思ってた。

先輩の好意は嬉しい。

でも俺は男と付き合う趣味はない。

だから先輩をできるだけ傷つけないように断ろうと口を開いた。

「せんぱ」

「それでお願いがあるんだっ!」

断ろうとした俺を制して、先輩が叫ぶ。

「……なんです?俺、できることならしますから」

キスくらいならしてもいい。

それで先輩が納得できるなら。

でも先輩の言葉は俺の予想をはるかに越えたものだった。

「一回ヤらせて」

「……………………………は?」

それで気づいたときにはもう、押し倒されていた。






「ちょ、せんぱ……待って!」

「ごめん、待てないっ!」

俺のシャツのボタンを外そうとしていた先輩の肩を掴んで引き剥がす。

「せんぱ、い、って!」

あ、泣きそう。

そういう顔は反則じゃないかなぁ。

「………紺谷、お願い。おれもう苦しくて……お前はただ寝てるだけでいいからっ……!」

いや、そういうわけにもいかないでしょ。

ある意味一番心配していたことを訊ねてみる。

「あの……もしかして俺が挿れる方?」

先輩はキョトンとして。

「……挿れられたいの?」

「いや全然!まったく!」

冗談じゃない!挿れられる側なんてただ寝てれば済むっていう話じゃないし!

でも先輩が……それなら………

「うおっ!俺いま流されそうになった!あぶねーっ!」

「流されてくれっ」

先輩がさっきからなにやらゴソゴソしてると思ったらなんと俺のベルトをはずしてる!?

「いや、だからっ!」

一気にベルトを引き抜いてズボンを引きずりおろされた。

さすが同じ男……動きにまったくムダがない。

って感心してる場合じゃないだろ!

「あっ!」

ボクサーパンツも剥かれて、俺の息子がポロッと顔を出した。

「おっきい……紺谷の……」

まだ萎えたままのソレを先輩の細い指が握る。

そんな場面今まで想像すらしたことなくて、頭にかっと熱が上った。

「ちょっと、なにして……」

ソレをしっかり握ったままの先輩の頭が俺の股間に沈むのを見てさすがに慌てた。

急いで頭を掴んで引き剥がそうとするが。

「ん!」

う………うわあああっ!
もしかしてソレ舐めてますか!?

夕斗先輩が俺のナニを!?

「んっ、ふっ……ぁ、んむっ」

「せ、んぱ…!」

先輩の口の中は温かくてヌルヌルだ。

その小さい口いっぱいに俺のナニを頬張って、先輩の頭が上下に動く。

ぐちゅ、ちゅるっ、ちゅ、ぴちゃ、と卑猥な音をたてて。

最初は萎えていた俺の息子も、先輩のうっとりとした顔や巧みな舌使いでゆっくりと頭をもたげてくる。

ヤバい……先輩、ウマすぎ……!

今までの彼女にもしてもらったことはあったが、ここまで上手い子なんていなかった。

先輩は同じ男だからドコをどうすれば気持ちいいか知ってる。

頭がぼーっとしてきた……

「ふっ、んぅ、ぁ、紺谷の…勃ってきた…んんっ」

「う、あっ…」

小さな舌がちょろちょろと裏筋をくすぐりながら先端に移動し、くびれの部分をグリグリ抉る。

頬の内側が熱くてざらっとして、先輩に大事なところを舐められてると意識するとあっという間に完勃ちしてしまった。

「んぅ、こん、たに……もういい…?」

俺の性器にわざとチュルチュル唾液を絡めながら、先輩が上目遣いに訊く。

「い、いいって…?」

「おれ、ずっと紺谷と…シたくて…自分で後ろ慣らしてた…こうやって」

そう言うと先輩は自分のズボンを緩め、上着の内ポケットから小瓶をとりだした。

中身はトロッとした……たぶんローションだろう。

それを俺の目の前で自分の指に垂らすと、ぬるぬるになった左手で俺の息子を扱き、右手は自分の尻へ持っていく。

ズボンの後ろからゆっくりと先輩の手が入っていった。

「………ん……ぁ……」

くちゅ、と小さな音がして先輩の真っ赤な顔が歪んだ。

「は、あ、こ、紺谷……んん……」

これは、もしかしなくても……

「先輩、もしかして……指入れてる…?」

「ん…んっ!」

涙目になりながら先輩が小さく頷く。

やがて水音はぐちゅぐちゅと大きくなっていき、小ぶりなお尻がくねくねと淫らに動き始める。

しごかれている俺の息子もローションでかすかに泡立ち始めた。

「……ぁ……も、一本……!」

くちゅ。

穴をかき混ぜる指がまた増やされたようだ。

………………あー、エロい。

真っ赤になってゆがんだ顔。

指の抜き差しと一緒にくねる腰。

普段はあんなに朗らかな先輩が俺の前ではまるで娼婦のようにぱくぱくと快楽を貪って口を開く。

おろされたズボンからチラチラと見える先輩のピンク色の性器は、触ってもいないのに先走りの玉が先端にぷくっと溢れては流れていく。

アレを触ってあげたら、どんな顔をするんだろう……

「あっ!やだっ…紺谷っ…」

「黙って…」

俺は興奮を抑えきれず、先輩の脱げかけていたズボンを掴んで一気に引き下ろした。

ふるんっと可愛らしい茎が丸見えになって思わず喉を鳴らす。

ソレに手を伸ばすのに、何のためらいもないから不思議。

「あっ!あ、あんっ、こ、こん、たにぃ…」

ぐちゃぐちゃとまだあまり剥けてない皮を下ろしながらしごいてやると、先輩の腰がぐねぐねと動く。

その顔は触られる快感に溺れきっていて、穴を弄っていた指も徐々に激しさを増していった。

「いやっ、だめっ、きもちいいっ……!」

「先輩、嬉しい?」

「んっ…うれし、…あん、あんっ!」

震える睾丸をくりくりと弄って、筋を指の腹でくすぐる。

涎を垂らして口をぽわっと半開きにしながら快感を味わう先輩の顔は、俺の中の獣を容赦なく煽る。

「紺谷っ…も、おれ…!」

「もういいの?痛くない?」

「だ、いじょぶ…」

男同士の性交なんて経験がないから、先輩の後ろがどれだけほぐれてるかわからない。

でも先輩が欲しいというなら、もう準備はできたんだろう。

……それに、俺がもう限界。

「…尻上げて、先輩」

その腰を両手で支えてやり、俺の息子が先輩の穴の下にくるように誘導してやる。

「いいの…?紺谷…」

「……先輩が誘ったんでしょ」

少し意地悪に言ってやると、先輩は泣きそうな顔をして息を深く吐いた。

ゆっくりと、腰を沈めていく。

ぬちっ。

「んんっ!ぁ…あ、ああぁ…!」

「うわ…キツ」

喰われる、というのはきっとこんな感じだ。

先輩の穴はとろとろにほぐれていて、せわしなく息をする度に襞がうねって俺を少しずつ呑み込んでいく。

柔らかい肉襞をカリ全体に感じると、俺はじりじりと腰を落とす先輩にじれて、その細腰をひっつかんで一気に引き寄せた。

「ひぃっ、ぁあああっ!」

先輩が背中をびんと反らして叫ぶ。

暴れる体を抑えながら、俺はめちゃくちゃに下から突き上げた。

「ああっ、あ、んっ、ぃっ、ひっ、あ、あっ!」

「くそっ…熱い…!」

媚肉がぎゅうぎゅうと俺を締め付けて放さない。

出そうとする度に絡まり、入れようとすればゆるんで俺を奥に誘い込む。

ずちゅ、ずちゅ、ぢゅ、くちゅんっ

「ふっ、ん、あっ、ん、あん、あんっ」

先輩の濡れた虚ろな目がその快感を物語る。

ゆさゆさと揺すってやれば腕に爪がたてられ、その痛みすら俺を興奮させた。

古いベンチがギシギシ音をたてて歪む。

「あー…せんぱい、俺ヤバい…」

正直、先輩の中は怖いくらい気持ちいい。

それこそ脳天直撃、って感じの快楽。

オマケに先輩の死ぬほど気持ちよさそうな顔がたまんない。

なんか、クセになりそう……

「んっ、ああっ、あんっ、こん、たにっ…!」

「うん…もうイく…?」

俺の上で淫らに腰を振る先輩が体を震わせて限界を訴える。

ホントはもっと泣かせてやりたいけど可哀想かな。

俺は腰を少し浮かせて繋がったまま先輩を持ち上げた。

「ひんっ!」

さっきよりもっと深いところで繋がって、可愛い人が小さく喘ぐ。

「せんぱい、たくさんイって…?」

ずんっ!

「ぅああああっ!?」

小さな体を持ち上げて、思い切り俺の上に落とした。

その拍子に先輩の性器から大量の精液が吹き出し、飛沫が涙でぐちゃぐちゃの顔にかかる。

「くっ…!」

きゅきゅっと射精に合わせて肉襞が俺の息子を絞った。

その締め付けのあまりの甘さに我慢できず、外で出す予定が狂ってしまった。

あーあ、出しちゃった…中に。

「ふあぁぁぁ…」

たらたらと残りの精液を力なく漏らしながら、穴の中にぶちまけられた俺の白濁を先輩が味わう。

「せんぱい、ごめんね…?」

先輩自身が出した精液で汚れた顔を指で拭ってやると、うっとりと目を閉じた。

その顔がめちゃくちゃ可愛くて。

先輩が急に愛しくなって、まだ射精の余韻に浸る体をぎゅっと抱きしめた。








意識がハッキリしてくると先輩は俺が止めるのも聞かずに自分の体だけでなく俺の体もタオルで拭い始めた。

ガチャガチャと震える手でズボンを直され、俺はすっかり元通りになる。

半泣きで必死に謝りながら後始末をする先輩は普段と全然違って、先輩のこんな姿を見たのは俺だけだと思ったら言いようのない優越感が胸に広がっていく。

……ああ俺、好きになっちゃったのかも。

なんかすっげー可愛い。

なんなら今すぐもう1Rお願いしたいくらい。

俺は先輩の喜ぶ顔を想像しながら口を開いた。

自分でもこんなことびっくりだけど。

「あのさ…先輩」

俺、もしかしたら先輩のこと…

「紺谷!」

不意に先輩が大声で叫んだ。

「え、俺まだ何も…」

「紺谷、本当にごめん…おれ、もう紺谷の前に姿現さないし、絶対誰にも言わないし、だから…!」

………………………………ん!?

「もう二度と会わないから、許してっ…!」

「はいっ!?」

おい、ちょっと待って…!?

ドンッ!

「いてっ!」

先輩は俺を勢いよく突き飛ばすとカバンを持って部室から飛び出していった。

ピシャリとと引き戸が閉まる音が虚しく響く。

部室にはひとりベンチに腰掛けた俺の惨めな姿。

「え、あの〜…」

どういうことだ。

俺はつまり、告られて、好きになった途端にフられたってことになるのか…?

「マジでか……」

急展開すぎてもうなにがなんだか。

でも、もう遅いんですけど先輩。

俺の心にはちょっとやそっとじゃ消えない火がついちゃいましたよ?

「よっこらしょ、と」

俺はダルい腰を上げて、明日からの計画を練り始めた。



今度は俺が追っかける番ですね。

覚悟して?可愛いオオカミさん。

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あきゅろす。
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