[携帯モード] [URL送信]

健多くんシリーズ。(短編)
理解できない。
説明:乳首責め、※ストーリー重視




この男はいったい僕になにをさせたいんだ。




―――――理解できない。




気がつくと僕は車に乗せられていた。

「起きたか」

「…………」

一瞬、夢だったらよかったのにと思った。

あんな格好で、あんなことをされて……

恥ずかしいどころの騒ぎじゃない。この男にすべてを奪われた。

あれが全部夢で、ここが自分の部屋だったら……

しかし、僕の隣にはハンドルを握る男の姿があった。

カラダが痛い。

そして心も。

車は夜の町を走っていた。

重いカラダを起こし窓の外を見ると、いつもの見慣れた景色。

「…………どこに行くんだ」

もう何をされたって同じだ。

僕の人生はめちゃくちゃになったんだから。

しかし男の口から出た言葉はまた僕を驚かせた。

「お前の家。お前の母親に挨拶しにな」

「なっ」

心臓が跳ねた。

まさかバラされるのか!?僕が反抗的だったから!?

でも僕は犯されたんだ!あんなにめちゃくちゃに!

それなのに……ひどい……

「うっ………ふくっ、ふぅっ、……!」

もう枯れ果てたと思っていた涙がボロボロと落ちた。

今度こそ僕の人生は終わった……

顔を覆って泣いた。

「………おい。お前何か勘違いしてないか?」

いきなり泣き出した僕を見て、男がため息をついた。

「お前馬鹿?なんでわざわざお前のことを犯した俺が、それをお前の母親にバラしに行かなきゃなんねえんだ」

「………え?」

「考えても見ろ。俺はさっきあなたの息子を無理矢理犯しましたとでも言うのか?通報されてすぐ捕まるに決まってんだろ」

…………………あ。

「ったく………話には聞いてたが、ここまでとはな………」

また、ため息をつかれた。



家についたのは11時頃。

母さんはまだ帰ってきていない。

車は家の近くにある空き地に停められた。

「ほら、降りろ。行くぞ」

「なんでお前も行くんだよ!これ以上僕に何をしろってんだ。いい加減にしろよ!」

「……………今すぐ降りねえと今度は俺の部屋いって監禁して毎日犯すぞ」

「いやだっ」

僕は車から飛び出した。

そして男が降りて車のロックをかけている隙に玄関にダッシュ………しようとして盛大にコケた。

「うわっ!………うぅ……」

「やっぱバカだな。あれだけヤられてまともに走れるワケねえだろ」

笑いながら男が寄ってきて無様に転がってる僕の腕を掴んだ。

「放せよちくしょうっ!誰のせいだよ!」

「はいはい。俺のせいですね。すみませんね」

腰の痛みに泣く俺を立ち上がらせ、玄関に引っ張っていく。

「鍵開けろ」

「…………」

もう抵抗する気なんておきなかった。

僕は黙って鍵を開け、電気を点けた。

「よし。お前の部屋行くぞ」

「なんでだよ!?」

「…………お前は三村か。宿題だよ宿題。お前、電話でわかんないとこあるって言ってたろ」

「なんで俺を無理矢理犯したヤツに宿題みてもらわなきゃいけないんだよっ」

まったく意味がわからない。

だいたいこの男はなにしに来たんだ。

宿題みるなんて……今更罪滅ぼしのつもりじゃないだろうな……

僕の言葉など無視して横を通り過ぎ、リビングの奥から二階へ上がっていく。

そこは確かに僕の部屋だ。隣には兄さんが使っていた部屋もある。

「待てっ」

痛む腰を押さえながら僕はあわてて後を追った。




「けっこう片付いてんな」

第一声がそれだ。

僕が涙を滲ませて一段一段ゆっくりと階段を上って部屋につくと、ソイツはもうベッドの上に胡座をかいて肘をついていた。

「ほら、さっさと宿題出す」

「なんなんだよもう……」

頭が痛くなってきた。

しかし言うとおりに宿題の準備をする。

確かに僕は怒っていたんだ。いや、今だってはらわたが煮えくり返りそうだ。

まともな人間があんなことされて黙っていられるはずがない。

でもこの男があまりにも変なヤツで……

最低な犯罪者のはずなのに。

殺してやりたいくらい憎い相手なのに………

僕はノロノロと勉強机に向かった。

恥ずかしいところが痛くて座るだけでも一苦労だ。

「で?どこがわかんないんだ」

男はいつのまにか椅子の後ろに立っていて、肩越しにノートを覗き込んできた。

黙ったまま飛ばしていた箇所を指差す。

「……ふうん。じゃ、やってみろ」

「わかんないからやってないんだろ」

吐き捨てるように言うと、わざとらしく頭上で盛大にため息をつかれる。

「お前な。わかんなくてもとりあえずやってみろよ。そんなんじゃいつまでたっても覚えらんねえだろ」

カチン。

なんでお前に指図されなきゃなんないんだこの強姦魔!

怒りで思わずまた叫びそうになったが、ぐっと堪えてシャーペンを握った。

きっとこれが終われば今度こそ解放される…………と信じたい。

僕は苦手な数字にとりかかった。

しばらく考えてみるが、やっぱりわからない。

とりあえず公式を見ながらいろいろ計算してみる。

そして無理矢理答えを出した。

「終わった」

「不正解」

………やっぱり。

「おし。なら解説な」

そう言うと僕からシャーペンを取り上げる。

そしてスラスラと僕の解答の横に正解の式を書き始めた。

「まずこの公式を見てみろ。このXはこっちにかける。そしたら今度はこっち」

悔しいけれど、その解説はわかりやすかった。

まるでパズルのように正解が導き出されていく。

「……で、これが正解」

なるほど。確かによくわかった。

でも。

「だからなんでお前に勉強教わんなきゃいけないんだっ!」

男からシャーペンを奪って床に投げつける。

「なんでもなにも」

その飄々とした態度がムカついて椅子から立ち上がって今度は男に殴りかかる。

「お前は俺を犯したんだ!強姦したんだよ!それをよくものうのうと……!」

しかし振り上げた拳はあっさり受け止められた。

そしてその目は……

「………なっなんだよ!」

深い、黒。

カラダが震えた。

さっきからこんな馴れ合いの会話をしていたから忘れていた。

僕は、この男に抵抗もできずに辱めを受けたのに……

「はなせよ……」

語尾が小さくなる。

悔しいけど、怖い。

すると男は僕の腕を掴んだまま机の隣のベッドに向かった。

「やめろっ!まだ何かするのかよっ!」

そのままベッドに投げ飛ばされ、カラダが悲鳴を上げる。

起きあがろうともがく僕の肩を押さえつけ、勢い良く押し倒された。

顔が………近い………

そしてあの低い声が………

「……さっきから犯す犯すって……あまり俺を興奮させるなよ?………それとも、誘ってんのか?」

耳元で囁かれるいやらしい言葉。

首筋から指先まで一気に鳥肌がたった。

「あれだけ気持ちよくしてもらって、まだ足りないのか?」

「っ………ちがっ、んっ!」

襟足のあたりを熱い指がくすぐる。

全身から力が抜けた。

カラダの奥の方が、まだ疼いて………

「ふっ、やめ、てっ」

抵抗するのは唇だけ。

さっきの快楽が記憶とカラダに蘇って僕を浸食していく。

唇を噛み締める。

わずかな血の味がギリギリのところで理性を保たせてくれる。

そんな僕を男は楽しそうに見下ろしていた。

「お前は淫乱だからな。一回じゃ足りなかったんだろ?それに」

クリッ

「あっ!!」

「ここ、弄ってやってなかったからな」

シャツの上から乳首を弾かれた。

「今度はここだけでイかせてやるよ」

尻の穴はまだ慣れてないからな、と吐息混じりの声を耳に吹き込まれた。

背中がぶわっと粟立った。

「やめてっ………母さんがっ」

「まだクスリが効いてるからな……すぐイケる」
そして乳首が摘まれ…

クリクリクリクリクリ

「ふんっ!はぅ、やっ!」

「ほら、勃ってきた………服の上からでもよくわかる」

指は右の乳首を重点的に責める。

あれだけ弄ばれた性器がまたゆっくりと勃ちあがり、先端から蜜が溢れてきた。

「あんっあんっ………、あっん!」

僕の抵抗が弱まったのがわかると、今度は左の乳首も弄ぶ。

つまみ上げ、軽く引っかき、先端を転がされる。

全身に回る快楽に、脳みそが溶けてしまいそうだ。

「………気持ちいいか、健多?」

「やっ!」

名前、イヤだ。

なんかこの行為が正当化されてしまいそうで………

いつの間にかシャツのボタンが全部外されている。

そして直に乳首を触られる。

僕の乳首はピンク色に染まって、触ってくれと言わんばかりに主張して。

自分でもあまりの卑猥さに目眩がした。

乾いた指が敏感な先端をこすり熱が生まれる。

「カワイイ乳首しちゃって」

男が自分の左右の指先を見せつけるようにゆっくりと舐めた。

不本意ながら、ちらりと覗いたその紅い舌にぞくりとした。

その濡れた指でまた乳首を………

クチュ、クチュクチッ

摘んで引っ張って、押しつぶされる。

「ふぅんっ!………やめ、てぇ……」

下着の中はもうびしょびしょ。

あの電車のとき以上に………

無意識に腰を揺らし、男の腹で性器を自ら愛撫する。

宣言通り、僕の性器には一切触れられない。

「あんっあんっ!もっ、もう…」

「もう出るのか?早いな」

「だって、もっ」

ピンと先端を弾かれる。

「出せよ。パンツの中で、乳首でイっちまえ」

「あぁあっ………いわな、っでぇっ!!」

クリックチュクチックリクリクリクリクリ

「ふぁぁぁっ!はんっ!あっ、ひあぁあっ!!」

びくびくとカラダが跳ね上がり、僕は男のカラダに性器を押しつけるようにして射精した。

それを見て男はにやりと笑い、満足げに舌なめずりをした………





僕が下着を替えるのを男はベッドの上でじっくり眺めていた。

濡れた下着を替えたいからトイレに行くと言ったら、ここで着替えないならもう一度イかす、と脅された。

今度こそ間違いなく涙も枯れ果てた。

その時。

ガチャッ。

「かっ母さん!」

ついに帰ってきてしまった!

僕は慌てまくった。

どうしよう。友達と言うべきか!?

「アンタとりあえず隠れてろよ!」

「なんで?」

意外そうに訊ねてくる。

「だって、こんなの見られたら困るだろ!」

「こんなのって?」

にやにや笑いながら僕の制止を振り切って階段を降りていってしまった。

慌てて僕も腰を庇いながらついていく。

男が母さんと何か話す声が聞こえてくる。

やっとの思いでリビングに降りると、そこには楽しそうに談笑する二人の姿が………

パニックで声も出ない俺に母さんが信じられない言葉を放った。

「あら、健多。ちゃんと鳴人(ナルヒト)くんの言うこときいて勉強したの?」

「……………はっ!?」

なんで知ってるんだ!?っていうかどこまで知ってるんだ!?

「お昼頃、鳴人くんから電話もらってね。もう今日から勉強みてくれるっていうからホント嬉しくって!迷惑かけちゃだめよ?鳴人くんも忙しいんだから!」

そんな母さんに鳴人と呼ばれたヤツは爽やかに微笑みかける。

「いえ、お母さん。どうせ俺は就職活動もしませんし、幸多(コウタ)にはいつもお世話になってますから」

「んもー!幸多ったらホントいいお友達をもったわ〜」

ふふふ、おほほと笑いあう二人。

呆然としている俺を尻目に、母さんはお茶でも淹れましょうね〜と鼻歌を歌いながらキッチンに消えた。

幸多は俺の兄さんだ。大学四年生で……

考えている僕の肩にポンと手を置き鳴人は言った。

「俺、お前の兄貴の友達の藍崎鳴人。今日からお前の家庭教師。よろしくな」


……………………死にたい。





Fin.



理解できない状況。
理解できない運命の悪戯。
理解できない、この男。



続く。

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!