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初めての部活動内容2
 というか初っ端からこんな悩み事とか、カウンセラー部をなんだと思ってるんだ。そりゃあ今まで一度も功績を残したけとも、神聖とかじゃないけどな。けど、恋愛相談所とか変な噂がたったらどうすんだ。

「まあでも、とりあえずその人に会えばいいんじゃない?」
「あー、そうだな」

 八重にしては的確な判断に、急速に下降していた思考が浮上させられる。
 まあ、そうだ。悩んでいても仕様がないのは確かだし、もしかしたらこれが後にも先にも最初で最後の一枚になるかもしれないしな。

「会ってみるか」
「だね」

 カレー用のでかいスプーンでプリンを掬う八重。

「でもどうやって呼び出すの?」
「机とか下駄箱とかに手紙入れとけばいいだろ」

 少しベタな感じもするが、直接会いに行くのは以っての外だ。なんの関わりもない俺が行ったら、相手も戸惑うだろうし周囲の人だって不審がる。それに。相談内容は黙秘。絶対だ。
 八重がプラスチックのプリンの空をスプーンで突く音がする。俺のなけなしのシリアスな雰囲気が、まる潰れだ。
 もっと食いたいならおかわりすればいいだろ空気読め馬鹿。

「お前そんなに食いたいんならもう一個食えよ」
「全部食べ終わっちゃったんだもん」
「食い過ぎだ」

 テーブルの上には重ねられた空のプラスチックが、ゆうに一桁は超していた。さっき見た時は冷蔵庫みっちりプリンだったはず。
 糖尿病にでもなる勢いだな。

「ちょっと購買行ってくるねー」
「おー」

 八重はプラスチックのスプーンをくわえながら部屋を出ていく。
 きっとプリンの補充をしに行ったんだろうな。そして帰ってくる時には両手にプリンだけしか入っていないビニール袋を持ってくる。
 部室内はプリン臭が漂っている。

「……片付けるか」

 テーブルの上のプリンの空を片そうと、そちらを見る。
 きれいに食べられたのがわかる、カップの底はおろかフタの部分にも黄色がない。
 そこで一つの違和感がした。あいつはスプーンを持って行ったけど、手ぶらだった気がする。まさかとは思うが、まさか。
 手元に何かがあたる。

「……やっぱりか」

 そこには八重の財布があった。

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