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相談ポストにて初投函有り4
 というか話し掛けるタイミング悪すぎだろ。

 俺はそんな心境をいかにも不機嫌そうな顔で表しつつも、無視する訳にもいかず。口元に運んだ白米を茶碗に戻して、話し掛けてくる人に目をやった。

 濃い茶に少し金色を混ぜたような少し長めの髪と、茶色い瞳の、かっこよくも美人な感じで。眉間に少し皺を寄せている。確かこの人、副会長……だったような。

「松原君が可愛いのは分かるね?」



 いきなり何を言い出してんだコイツ。

 予想外過ぎる(おそらく)副会長に、俺は何も言えずに間抜け面。

 いや、その、松原君が可愛いくないとかそういうんじゃなくてだ。何故にいきなり松原君が可愛いとかそういうのにぶっ飛ぶんだって話な訳で。

 なにか、頭のいい奴には俺の理解し得ない思考回路が存在してんのか。それとも頭イカレテんのか、それとも松原君の熱狂的ファンなのか。

「……君、松原君が可愛いと思わないのかい」

 そんな感じに考え込みなんの反応もしない俺を、副会長は訝しげに見つめてきた。眉間の皺を更に深めてる辺り、怒ってるんだろうな。まあ声色からして怒ってんだけど。

「あ、あの、」

 無意識に睨み合っている俺と副会長を見て、松原君は視線を左右交互に忙しなく動かし慌てだした。

 このまま黙ってたら埒が開かない。俺は渋々口を開く。

「松原君が可愛いのは分かりますけど、それが何か?」
「とっ、東藤くんッ」

 松原君の制止の声が聞こえる。無理もない。俺の口調は何故か丁寧過ぎて、逆に挑発じみていた。

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あきゅろす。
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