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11月27日
「それじゃあみんなグループを作ってください!」
 先生は、今日は暖色系の色に身を包み、温かな笑みで生徒たちの授業を進めている。
 今日の二時間目の授業は道徳の時間で、そしてあることについてグループで話し合うという内容らしかった。グループということは、好きな人同士で机をくっつけろということだろう。
 みんなは好きな人とグループを作り。先生から話し合ったことについて書くプリントを、リーダーになったヤツが貰いに行く。
 俺はまだ誰とも机をくっつけていない。
「あ、あのさ。一緒にやる……?」
 いつかのあの赤いTシャツの男の子だった。
 先生がこちらを不安そうに見つめていた。先生から頼まれたのだろうか、自分から俺を誘ったのだろうか。どちらにしても、そうせざるを得ないだろうけど。
「うん」
「じゃ、じゃあこっち!」
 思いっきり反対側でこっちだと手を振っている男の子のところへ、机をひきずって、くっつける。
 一度も言葉を交わしたことがないヤツばかりが集まっていた。目の前の空の席に、眼鏡をかけたヤツが座る。
「それじゃあみんな始めて下さい!」
 そいつの手元のプリントに、『友達』ときれいに明朝体で書かれた文字があった。

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