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創作小説:桃月郷(BL)
7
(客間…?)


 寝所から渡り廊下を通り、階段を上ると客間の一つから、声が聞こえた。



―この、声。



 紫乃は好奇心に駆られほんの少し、襖を開ける。


 部屋の中は暗く、布団とそこにいる人影だけを行燈の橙の灯りが照らし出す。


 灯りに浮かぶ白い躯。


 着物は足元にたぐまり、何も纏っていない。

 もう一つの、ふた周りほど大きな影が、白い躯に覆い被さるように動いた。


 グチョグチョと、曇った水音が聞こえて。



「あっあっあっ…んっ…」


 まごうことなき月花の声。


 しかしその艶を含んだ嬌声は、今まで聞いていた彼の声とは全く別人のよう。



「して欲しければもっと腰振れよ、淫乱」



 低い、男の声が月花にかけられた。



「やっ…あっ…」



 襖の隙間から見える男の下にある華奢な躰。


 布団に伏せたまま、ビクビクと月花の下肢が震えて、恐らく後ろから覆いかぶさる客の男の性器が彼の中に入っているのだろうと分かる。


「根元縛られた性器振り乱しやがって。いやらしい体液が漏れ出てくる。イきたいか?」



 薄暗い部屋の中では見えないが、どうやら月花の花芯は根元を紐で縛られて、射精出来ないようにされているらしい。


 男の客は含み笑いを浮かべて月花をあおる。

 うつ伏せたまま月花は、そんな男の言葉に快楽の涙を浮かべて答えた。



「イきたい…イかせて…っ下さ…」


「命令してもいないのに自分からしゃぶりつくわ、厭らしく腰も振るわ、お前みたいな淫乱はいないな。普段は人形みたいに大人しい癖に」


「…気持ち良…っ」


「なら、もっとイき壊してやるよ。お前は痛いぐらいの方が好いんだもんな…根元縛られたまま出さずに空イきしろ」


「あっん…っ、いっ…ひ、あっ…!!」



 襖をしめても、月花の淫らな嬌声は紫乃の耳に届いた。

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あきゅろす。
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