真夏の青空
今日も快晴で 俺は真夏の空の下、屋上で寝そべっている。
ただ 透き通った青空を見ていたいがために。
『薫、また此処にいたの……。』
「優か……どないしたん?」
幼馴染みである優が、珍しく屋上へとやってきたのだ。
『んー、天気良いから外でお昼ご飯食べようと思ってね。てか薫さぁ、寝てて暑くないの?』
俺は身体を起こした。
すると、隣に優が座って食事を始めた。
「別に。お前の方こそ、教室にいた方が良いんじゃねーの?学校一の美女がいなくなったー。って、騒がれるんじゃね?」
『私だってゆっくりしたいのよ。それに、薫だってそうじゃない。学校一の美男がいっつもお昼になったらいなくなるんだもん。皆、彼女に会いに行ってるとか、噂してるよ?』
「はは、マジで?彼女いねーっつーの。」
俺はあまりにも可笑しな現実に笑ってしまった。
彼女はつくったことがないし、好きでもない奴と付き合う気なんてないからだ。
『薫はさぁ、何でいつもお昼になるといなくなるの?』
「……空を眺めるのが好きなんだ。なんかさ、鳥みたいに空に浮いてる気分になって気持ち良いんだよ。でも……」
『でも?』
俺はそこまで言うと、優が箸にのせて食べようとしていたご飯を 横から パクっ と食ってやった。
『あっ!』
「こうやって、お前とゆっくりすんのも良いな。」
『……うん、そうだね。』
優はお弁当を食べ終わって片付けを始めた。
「あのさ、優……。」
片付け終わった優が俺の方を見た。
「俺が彼女つくらねーのはさ、昔から――…」
真夏の青空の下での告白。
僅かに赤く染まった君の顔が可愛くて仕方がないよ。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!